番外編4 腐女子と不思議な男子の話。
二階にある体育館の下の空間、武道場の隣。日差しが当たらないし、壁がなくて風通しも良いから外だけど涼しい場所。
ここには絵を描くのが好きな人、ダンスを踊りたくない人、ただなんとなくこちらを選択した人が集まっている。
私は、ダンスを踊りたくない人に分類されると思う。日焼けしたくなかったのと、早起きするのが嫌だったから選んだ。アートは昼休みしか活動しないから。
「松井ちゃーん! こっちやってくれるー?」
「はーい」
青組アートを率いるのは、三年美術部の方。
たくさん声をかけてくれるのが嬉しい。
「柿本くんも松井ちゃん手伝ってあげてー!」
「はい」
指名されたのは柿本くん。
同じクラスだけどあんまり話したことはない。避けてるとかでは全然ない。瑞穂とサックスパートで一緒なのに、あの子とも話さないから機会がなかったの。
でも、今年のアート制作は何でか同じ仕事になることが多い。
「俺何すれば良い?」
「そこ、青いとこ塗ってくれる?」
「分かった」
言い方はぶっきらぼうだけど、それは真面目ゆえなのかな。こうやって指示すると、きちんと丁寧に遂行してくれるし。
瑞穂も『柿ピ……柿本くんってめちゃくちゃ優しいんだよ!』って言ってた。長い時間一緒にいる瑞穂が言うんだから、そうなんだろう。
「松井さん、暑くない?」
「風もあるし、今は平気かな。でも教室よりは暑いね」
「そうだよな」
きっと、人気な理由はこういうところなんだろうな。
外見もカッコいいけど、それだけじゃなくて性格すら良いから。
いつだったか、あの四人の中でガチ恋勢が一番多いのは柿本くんって聞いたことあるかも。あ、それは瀧田くんだったかな……? 忘れちゃった。
「今やってる作業終わったら教室戻って良いよー!」
「「はーい!」」
もうそんな時間なんだ。
「早く終わらせようか」
「そうだね」
手早く、でも丁寧に。
絶対、良い絵にしてやる。
お読みいただきありがとうございます!
今回お話が短いので、次回投稿は明日です!




