12 腐女子と勉強会の話。1
今日は火曜日。丁度テスト一週間前から一日過ぎた。
はい。皆さんお察しの通り、今日は勉強会です。
ちゃんと奏音を捕まえましたよ。大変だったなあ。
『瑞穂と勉強なんて時間過ぎてくだけで身に付かないからやだ』と、何度断られたか。諦めずに誘ったかいがあった。
会場は四組の教室。今は私たち二人しかおりません!
作戦としては、奏音と私が勉強してる途中で古池と柿ピーが良い感じに合流、となっている。
勉強開始してから三十分経ってるから、そろそろ来るはずなんだけど……あ! ドア開いた!
……え? あれ?
「どーしたの? 二人で勉強?」
古池の白々しい演技は気にならなかった。
なんで? おい、古池。どういうことだ。
「そうそう! 今、日本史やってるんだ! ね、奏音」
内心焦りながらも、任務を遂行しようと心を入れ換える。
「うん」
「そうなんだ。良い感じ?」
古池は明らかに奏音の方を向いて質問した。
本当に話せるようになってるわ。成長したな。頑張ったな。
「ちょっとつまずいてるかも」
主に瑞穂が、と最後に付け加えられていた気もするが、まあ良い。知らず知らず良いパスを出した奏音さんである。
「そうなんだよね……。あ! 古池日本史得意でしょ? ちょっと教えてよ」
私もナイスアシスト! シュートはお前だ、古池!
「俺で良ければ。江角さんは大丈夫?」
ゴールキーパーは奏音である。ドキドキ、ドキドキ。
「……うん、お願いします」
決まったー!
ここで断ったら感じ悪いし、その選択肢多分なかったと思うけど良かったー!
……じゃあまた焦り出して良い?!
柿ピーどこ行った? なんで? なんで!
「……俺も、良い、の、かな……?」
ほらめちゃくちゃ気まずそうじゃん!
瀧田くん!
お読みいただきありがとうございます!