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まめたんとお祭り

作者: 桐原いく


祭りだ!血がたぎる!


何処かの熱血委員長か萌を求めて右往左往している腐男子のような台詞を叫んで、こまめよりも早く浴衣に着替えソワソワしながらまだかまだかと急き立てる愛方(旦那)



先に行ったら良いのに…


露店で食べたい食べ物を指折り数えながらあげているだろう愛方に子供か!

と溜め息をついてこまめに甚平を着せた。


「はーやーくぅ、いーこぉ?」


まめたんの服の裾を引っ張りながらはやくはやくーと急かすこまめは愛方にダブるが抜群に可愛い!


悶えながらまいまいにメールを送る。


愛方うざーいー!

こまめが可愛いー!


うん、もらったまいまい意味不だよね。でも、きっとあぁ…と、納得してくれるだろう。


はぐれないように愛方、こまめ、まめたんの順で手を繋いで歩く。







はぁ、あれがたった数年前の話だなんて…

花火の音に驚いて「こわくないもん」と、眼にしこたま涙を浮かべ、上目づかいでまめたんに抱っこをねだったこまめも立派なおおまめに…でも、これはおかしいだろ?


あの日繋いでいた手は必要ないくらい大きくなったこまめ。

少し寂しいなあと手のひらをニギニギし、見つめていると未だに代わり映えしない元気な愛方によって、ニギニギしていた手が拐われる。

「迷子になんないようにな(ニパッ)」

テメェの考えなんか分かってるよ。と、言うように数年ぶりに指先を絡めて、手を握る相方にちがーうー!とぶんぶん手をふりほどこうとしたが、たまにはそれも良いか?と歩き出す。


さ、寂しくなったわけじゃぁ、ないんだからね!

ツンデレっぽいセリフを思い浮かべわざと手を握り返してやれば、


よし!今日は好きなもん食っても良いぞ~♪


耳を真っ赤にしてご機嫌な声で言ってくれるが、屋台に豆は置いてないだろ!


ふんっ!軽く足を踏みつける。


遅い~!

前を歩いていたおおまめ、もといこまめがなかなか追い付いてこない二人にしびれを切らし振り返った。

「ずるーい!」

繋がれた二人の手を見て欲しいパタパタと足音を立てて戻ってくる。


大きくなっても子供は子供だなぁ…ほんのちょっと嬉しくなったのはヒミツだよ?

相方と繋いでいる手をほどき、間に入れてやろうと絡み付いたまんまの手を軽く振ると拒否るように腕を挙げた。

大人気ねえと、あきれるまめたんの空いている右手をこまめが掴んで、同じく挙げた。

は?∑(゜ロ゜)?

イヤイヤ、ナニこまめ、そんなとこ張り合わなくていいから!

イヤイヤイヤ、相方何笑ってるの?

そして、どうして宙吊り?

連行される宇宙人だよ?

ね、ね?あそこにハイテンションでシャッター切ってる人いるよ?

やめてー!!!

バタバタ宙に浮いた足を揺らして嫌がるとやっと下ろしてくれた。


ヒュー--ドーン!!!


三人で並んで花火を見上げながら、愛方が繋いでない方の手でそーっと鯛焼きを差し出した。

しかし、左手を愛方に右手をこまめに両手が塞がっていてるまめたんの目の前を大輪の花火が咲く夜空を行ったり来たり泳いでいく。


「たい焼きー!」

パン食い競走よろしくたい焼きを食べようとパクパクするまめたんの頭の上で二人は声をあげて笑った。


おわり


えーん、!鯛焼き食べてないよー(T_T)助けてーまいまい!







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