突然の来客
それからしばらく外に出て嬉々として騒ぐ百音を横目に俺は淡々と歩を進めていた。
そうして着いたのは俺らの家から一番近場にあるスーパー。
そこに入るとキンキンに効いた冷房で一気に涼まり、中には若者が一人もおらずそう言えば今日平日だったなと、改めて思う。
そしてドリンク売り場へと直行し、視界に満遍なく広がるペットボトルを前に俺は口を開いた。
「欲しいものあるか?」
「んーこれが欲しい!」
俺が問い掛けた答えに百音はオレンジジュースを指差した。
俺はそうかとだけ言ってそれを手に取り、買い物籠の中に入れる。
「これに見覚えはないか?」
「何それ。美味しいの?」
「ああ、めちゃくちゃ美味いぞ。一応買っておくから後で飲んでみてくれ」
俺が手にしていたのは百音が動画撮影をしていた時常に口にしていたエナジードリンク。
机を見れば必ず置いてあったため、これを機に思い出してくれないかと思ったのだが......。
そう簡単に物事はやはり進まない。
後は適当にスナック菓子何かを籠の中に詰め、そのまま会計をする。
俺の隣をくっ付く様に行動する百音のせいか、周りの視線は俺ら二人によく飛んでいた。
「お兄ちゃんこれ喉痛いー」
「俺は結構好きだけどな。お前にはまだ早かったみたいだな」
「こんな痛いのお兄ちゃん飲めるの!? 凄いね!」
百音が愛飲していたエナジードリンクを飲ませてみたが痛いと言って一口だけしか飲まなかった。
抜け落ちた記憶が戻る事はなく、無駄に終わってしまう。
ここで溜め息を吐きそうになってしまうが俺にはまだやる事が残っている。
「まぁそれは置いといてゲームでもするか?」
「ゲーム? 何それ?」
「いいからやってみるぞ。意外と楽しいんだからな」
という訳で俺は目の前にあるパソコンに電源を点けようとしたその刹那。
ピンポーン。
と、インターホンが部屋に鳴り響いた。
平日の真昼間に来客。通販を買った覚えはないが......。
美咲か雪が何か頼んだのか?
「出てくる」
「気をつけてねー」
こんな昼間からの来客。
何か、嫌な予感が俺の背筋を走り抜けた。
スリッパを履き、そして扉を俺はゆっくりと開く。
そうして俺は大きく目を見開く事となる。
「お前......何でここに?」
「こんにちは。──佐藤康太くん。会いたくて学校、抜け出したわ」
そよ風が髪の毛を揺らし、俺の目の前に立つ少女は紛れもない赤江愛だった。
8月いっぱいまで休止しようと思います。
休止の理由としては夏休み期間は別作品を書きたいと思ったからです。
ただエタる事だけは絶対しないので約束致します。




