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3人の義理の妹が全員闇持ちで毎日大変なんだが  作者: ʕ•̫͡•ʔ
【第三章】百音は大人気youtuber
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夢部に体験入部する事になったんだが

中間考査が無事終わりましたので、更新再開します。

そんな予想外な事がありながらも俺の修学旅行の班は決定した。

メンバーは俺、麻美、美咲、愛の四人となっており、周りから見ても歪なメンツだ。


学校のルールとしても男女比は1:1にしないといけないのだが、それを無視した班が形成されている。

そんな俺らの班を周りは不思議な目線で見つめ、俺らに聞いてきていた。


先生からは何も言われてないが話し合った結果変に言わない方がいいと言う事になり、『先生に言われて』と言う事にしておいた。

班決めの時間俺らは既に決まっているため、暇な時間が訪れている。


教室はガヤガヤと騒ぎ声が響き渡り、メンバーを決めつつある。

そんな中俺らは四人班を作らされ、適当に雑談を交わしていた。


「......なぁ、何で俺らと組みたかったんだ?」


俺はそんな質問を愛に向けてしていた。

愛の要望で俺らの班が作られたのだが、その理由はわからない。


俺は別にいいのだが、麻美はそうでもなく、友達と組めなかった事に強い不満を感じているようだ。

小声で俺に文句を垂れ、愛に向けて鋭い視線を送っている。


正直に言って教室の賑やかな雰囲気と打って変わって俺は険悪なムードに包まれていた。

そんな中でも愛は落ち着いた声色で他愛のない話を繰り広げていたのだが。


「私は転校して間もないからこうした形で班になりたかった。これが一番の理由かしらね」


「それ自分勝手だよね。何でアンタの我儘に私が振り回されないといけないの?」


「おい麻美、落ち着いてくれ」


麻美は怒りを露わにさせ、友達と組めなかった憤りを愛にぶつけた。

愛は相も変わらずその奥深い瞳を麻美に向け、淡々と声を発する。


「歴史は勝者が創る。これは常識です。この世界は平等のように見えて、実は昔から何も変わってないんですよ?」


「......何が言いたいの?」


「貴方と私じゃレベルが違います。不満なら学校に抗議してみてください。何も変わらないですから」


愛は恐らく相当な権力者だ。

そんな事がまかり通るとは今まで思っていなかったが現に今学校側は愛の言う通りに動いている。


麻美が先生に抗議したところで何も変わらないのはこの世界が弱肉強食だからか。


「......本当にムカつくんだけど。私修学旅行行かないから」


「私は別に構いませんがいいんですか? 楽しみじゃなかったんですか」


「アンタのせいで全部台無し! まじで最悪。私許さないから!」


そんな麻美の大きな声は幾ら教室が騒がしいとは言え、周りにも聞こえていたようで。

周りからこちらを見る視線が多いことに俺は気づき、サラッと麻美にその旨を伝える。


「......気分悪い。保健室行ってくる」


「私連れて行くよ」


「ありがとう美咲ちゃん。行こ?」


そんな事を麻美は言いながら美咲と共に教室から出ていく。

この班に残ったのは俺と愛だけになり、気まずい雰囲気が漂う。


しばらくの沈黙が俺らに舞い降り、この心地悪い雰囲気を打破するため俺が言葉を発しようとしたその刹那。


「突然だけど夢部に入る気はないかしら?」


そんな事を、愛が唐突に問いかける。


「本当に突然だな。なんだよ夢部って」


突然の勧誘に少し驚きながらも、俺は冷静に返事をしていく。

──夢部。この学校に入学して一年が経過しているが初めて聞いた部活だ。


まさかこれも愛が権力に物を言わせて創設された部活なんだろうか?

俺の目の前に座り俺を見据える愛は思っている以上に厄介な奴なのかも知れない。


「本当にそのままで夢の実現を目指す部活、と言った方がいいかしらね。夢部はお互いに夢の実現に向けて助け合うって言うのを目標にしてるわ」


「その言い草だとお前が部長みたいだな。部員は何人いるんだ?」


「夢部は始動して間もないから部員は私一人だけね。だから今こうして貴方を勧誘している。どう? 入ってみる価値はあると思うんだけどね」


夢部......か。

俺は夢なんて今までの人生で一度も考えた事がなかった。

いや、夢を持つ事が出来なかった、と表現した方が正しいか。


「申し訳ないが夢部に入る気はない。俺には夢がないんでな」


勧誘して貰ったのは素直に喜んでおくが、入るとなればまた話は別だ。

夢部だなんて活動実績がなく、いつ廃部になるかわからない部活だろう。


それに加えて部員は愛一人で、俺が仮に入部したとしても二人きりになる。

そんな状況下部活に励むだなんて想像が出来ない。


「夢なんていつでも持てるじゃない。夢部で新しい目標でも見つければいいわ」


「......だから俺は入る気なんて毛頭ない。夢部なんていつ無くなるかわからないし、何しろお前と部活動だなんて何されるかわからない」


愛は権力者だからな。

下手に関わるのは俺としては極力避けたいところだ。


「今日部活をする予定なの。それでなんだけど......」


そう言って愛は少し前のめりになり、俺との距離を縮める。

俺と至近距離で見つめあったあと、ゆっくりと口を開いた。


「体験入部に来なさい。考えが変わるかも知れないわ。貴方帰宅部だから放課後時間は腐るほどあるでしょう?」


愛は至って真剣な眼差しで俺にそんなことを言う。

確かに俺は帰宅部で時間だけは腐るほどあるのは確かだ。


夢部の体験入部。

正直に言えば『夢部』という聞いた事のない部活動に対する好奇心はそこそこ持っている。


それに愛についても少しだけ知っておきたいと言う気持ちもあり、ここは好奇心に任せるのが得策か。


「......わかった。体験入部、してみようと思う」


と俺が少しの間を開けてから言葉を発したのだが、俺の言葉に愛は呆気にとられた様子だった。

俺と目を合わせたまま、ほんの少しの沈黙が訪れ、彼女はゆっくりと声を発していく。


「......少し意外だったかしら。てっきり断られると思っていたから」


「夢部に対する好奇心がないと言えば嘘になるからな。ここは素直に好奇心に従ってみようと思った」


心中で思った事を全て声に出す。

愛は『そう』と一泊を置いてから再び口を動かし始めた。


「それじゃあホームルームの後私に付いてきて。部室の鍵の場所を教えるわ。それから私はちょっと保健室の様子を見てくるから、また放課後ね」


「ああ、仲良くしておけよ」


席から立ち、廊下に向かって歩を進める愛の背中に向け俺はそんな言葉を掛けるのだった。

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