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第25話:知るべきは…

 食べ物だけではなくちょっとした装飾品や日用品なんかも並んでいるそこは俺にとっては興味がかなり惹かれる店だった。何気なしに使っているものだったがこの世界の人はどうやって生活してるのだろうと思ったのだ。割と発展はしているようで案外そうでもない。と思えばこれはあるのか、っていうものなんかがある。どうやって広まったのかまでは興味がないけれど当たり前のようにあったりもすれば気にもなるというものだ。


 その中でも特に気になったのは薄い青のシートの屋根の店だ。子供向けなのかと勘違いするほどの高さの平台で俺の身長でも簡単に見ることが出来る。背伸びも必要ない。そう思ったが並んでるものはアクセサリー類で全く子供向けではない。まるでちぐはぐだ。なぜこの高さなのだろうか。この世界の装飾品が気になってた俺からすれば見やすくてありがたいが。

 質はとても良いのだろう。その辺の知識なんて持ってなくてもそこそこにはするものなんだろうなというのはわかる。

 なんとなく手に取って見ようとしたら棒のようなもので手を叩かれた。


「ボウズ、気安く触るな。壊れたら弁償してくれんのか」

「すみません…」


 そう言って謝ったが舌打ちだけされた。そんなに怒ることなのか。するといつの間にか隣にいたらしき女性が手に取っていたアクセサリーを戻していて、それに店主が慌てた様子を見せる。


「触ったらいけなかったみたいね、ごめんなさい。触れないとなると買うことも出来ないわね」

「あ、いや、それは、この坊主が触ったからでご婦人に言ったわけじゃ…」

「あら、誰に言うのも同じよ?誰かが触ってよくて誰かはだめ、なんていうのはおかしいでしょう?」


 着飾ってるわけでもないが何故か凛として華やかさを感じるその女性から俺は目が離せなくなった。髪は柔らかいブラウンなのに日が当たると少しだけオレンジがかって見える。ストレートに流れる髪が揺れるのがとても綺麗だと思った。そして女性はお店から離れる。ちらりとこちらを向いた拍子に目が合うと微笑まれた。


「おいガキ!お前のせいでこっちは商売上がったりだ!さっさとどっかいけ!」


 そう怒鳴られたことで俺はなんだこいつと侮蔑の目を向けてしまう。それに店主が更に怒ったような顔をして棒を振り上げてきた。後ろに手を引かれたことで当たることはなかったが、ぼんやりしていたら当たっていた。危ない。振り向くと店主を恐ろしい顔で睨むセインと、俺の手を掴みながら冷たく笑うリューイがいた。


「行こう」


 まだ店主が何かを怒鳴っていたがセインはとても冷静で、俺の前を歩き出す。片手はまだリューイに掴まれたままだったが気にせず後を追った。


「セノア兄さん」


 呼んでも反応がない。リューイを見るが彼も首を緩く左右に振るだけだ。他にも見たいお店はいくつもあったが、寄りたいと言える雰囲気でもなくただただセインの後ろを歩く。しかし不意に辺りが騒がしくなった。


「誰か!その人を捕まえて!!物取りよ!!」


 人混みの中こちらに向かって走ってくる者がいた。それに周りは悲鳴を上げるようにして端へと寄る。このままでは確実に接触する。セインも気付いたのか俺へと手を伸ばしてきたが、俺は咄嗟に勢いよく走って向かってくる窃盗犯に手を翳して氷の刃を足へと打ちこんでいた。

 痛みからか叫び声とそして流血に周りの悲鳴が更に大きくなる。


「カイト!ダメだ!」


 手を掴んでセインが走り出した。リューイはその場に残り何かしているようだった。何がなんだか分からなくて、黙って引かれるままに走った。そろそろ息も切れそうだと思うのに不思議なことに息は乱れない。

 暫くと走って街の裏手を抜けたところで用水路の通る道へとでた。今の時間は広場の方は賑やかだが、こちらに店もないためか人通りはなくとても静かだ。


「カイン、どうして魔法を使った」

「え…」


 今、セインは魔法と言ったか。俺が使ったのは魔術ではなく、魔法?咄嗟すぎて何も考えていなかった。魔術ではないのか。無詠唱の魔術もあるし、リューイだって無詠唱で魔術を使っていた。


「魔法が使えることはこの国では知られてはいけないと話したはずだ。それなのにどうして使った」

「どうして…」

「分かるよ。俺は魔力が見えるから」


 魔力が見える?どういうことなのだろう。混乱する。魔力。俺が使ったのは、魔術ではなく、魔法。

 今魔法は使えるものがいないとリューイから聞いていた。なら俺は?何故使える?血の気が引いていくのが分かる。今この世界でもし魔法が使えるとしたらそれは人ではない。亜種でもない、魔種だけだ…。カインは。俺は。


「セイン様、カイン様」

「リューイ、向こうは」

「大丈夫です、気配的に気付いた者はいなさそうでした」

「そうか」

「リュー…」


 思ったより俺は衝撃を受けているらしい。カインが狙われているのは。呪われているのは。この身体が人ではないからだ。コハクを容易く呼び寄せることが出来たのも。全て、リューは知っていた。


「馬車へ行きませんのか?ここでは誰に聞かれるか分かりませんから」

ようやく編集を終えたものの話を少し変えたくなって方向転換してしまいました。なのであれ?なんかストーリー違う?というのがあるかと思います。申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

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