8話
こんなブラックギルド辞めてやる・・・
あれから1か月、何を口にしても苦い味しかしない。
休む暇もなく先遣調査の毎日。鑑定眼の使いすぎで、もちろん目は限界を迎えるが超絶苦いブルームーンハニーで即回復。
「今日は5件の調査お願いします」
「はい」
最近は調査件数も増えてきていて思考回路も停止する。
今日も山に登り、アイテム採取。左腕にアダマン鯛のウロコの盾、右腕に果肉カニの甲羅の盾と青の牙の短剣。果肉カニの甲羅は顔の大きさくらいの大きさなので果肉カニの甲羅の盾を装備しながら青の牙の短剣も扱う事が出来る。
あれからというもの毎日毎日、七色虫を採集してはマーキングする日々。
弱点を口頭で説明されるよりマーキングの方がわかりやすいと冒険者に大人気なのが原因で調査件数が増えているという地獄のループ。
七色虫を採集した後はブルームーンハニーを採取する。最近は二刀流のスキル上げのためにブルームーンベアと戯れるのも日課になっている。
ブルームーンベアの重い一撃は二刀流の盾をやり始めてからは軽い一撃になり、ソロソロカンベンシテクダサイという感じで目で訴えてくるようにまでなってきた。
ブルームーンベアとの戯れもそこそこにして本業の先遣調査を開始する。
今日調査する5件はAランクのストロベリームーンベア2件にBランクのマウンテンビックアイリス1件、ブルーファングブラックウルフ2件だ。
ストロベリームーンベアとブルーファングブラックウルフの調査はいつもある調査なので素早く終わらせる。
問題はマウンテンビックアイリスだ。大きな目を持つ素早いリスでなかなかマーキングが出来ない。何気に弱点も口頭ではわかりにくいから困る。
鑑定眼をこまめに使いながら追い詰めていく。そんな時、ある感覚に襲われる。
あっ!これスキルがレベルアップする時だ。この1か月は3年分に相当するくらい濃密に鑑定眼を使っていたからなぁって思いながらマウンテンビックアイリスのマーキングを完了した。
これで今日の調査は終了だ。ギルドに戻って報告を終えたら後は部屋に戻ってゆっくり鑑定スキルのレベル上げしよう。
ギルドに戻りギルドマスターに報告を完了。
「お疲れ様でした。明日の調査はストロベリームーンベアの1件です。よろしくお願いします」
やったー!明日は早く終わってゆっくり出来るな
「そしてホクトさんには嬉しいお知らせと残念なお知らせがあります」
えっ、なんだろう・・・
「まずは嬉しいお知らせですが、明日から2名の先遣調査員が来ます」
マジで!やっとこれでブラック調査も終わるよ・・・
「残念なお知らせですが、明日をもって私は別の街のギルドに異動する事になりました。そのため私の権限でホクトさんを先遣調査員にしておりましたが、ホクトさんはギルド職員ではないため、おそらく新しいギルドマスターに追い出されると思います」
えっーーーーーーーーー
「ブラックギルド追放フラグですね」
ニヤリとするギルドマスター
イヤ、そもそもブラックにしてるのギルドマスターのアンタですやん。新しいギルドマスターは超ホワイトかもしれないじゃん。
「もしよろければ私と一緒に来てくれませんか?次の街は鍛治勇者のいるヤバイカザンの街です。私はそこの副ギルドマスターで南支部長に任命されました。支部長なのでここと待遇は変わらなく出来ると思います」
あのーーー、ここと待遇変わらないなら超絶ブラックギルドって事なのでは・・・
「あっ、もちろんホクトさんの他に先遣調査員は2名いますよ。それでも大変な所なんですよ、あそこは・・・」
何か含みがある言い方だな。
「もちろん一緒に来てくれるかはお任せしますが、現在ホクトさんは冒険者としてはBランクから降格してCランクの冒険者です。Cランクでは行ける場所は限られています。今までのように山に入っての採取も出来ません。しかもハズレ勇者と言われているホクトさんとは誰もパーティーは組まないと思うんですよね。ソロでの実力はDランク相当の強さしかない状態のホクトさんでは生活できるほど稼げるとは思えないんですよね。という事で今日一日考えてどうするかの結論を出していただきたいです」
もうそれ考えるまでもなく一緒に行くしかないじゃん。もう決定じゃん。
「はい」
ボクは考えるふりをしながら部屋に戻って鑑定スキルのレベルアップをした。




