79話
タキアさんのお店の中に入るとタキアさんは調理をしながら話しかけてきた。
「イワクドラゴンについてですが、というかイワクドラゴンの肉についてですが、どのドラゴンの肉よりも硬いお肉で調理する事は不可能という文献が残っていました。ですがそれはその当時の龍理人ではということです」
「それなら今なら可能だと言う事ですか?」
「可能だと証明しようとしたのが料理世代の勇者達でした。そしてその結果起きた事件で勇者パトラが亡くなりました」
「そうだったんですね・・・」
「そしてこの話には続きがあります」
続きって何だろ・・・
「朝ごはんの準備が出来ました。先にいただきましょう」
「あっ、はい!」
続きが気になって朝ごはんどころじゃないと言いたいところだけど、実はさっきからおいしそう匂いでイワクドラゴンの話どころじゃないっていうのが本音だというのはバレてはいけないな・・・
〜〜〜
フゥー、お腹いっぱいで緊張感ゼロになってしまったよ。って思っていたらタキアさんが話しの続きをしてきた。
「事件が起きて、勇者達はイワクドラゴンのお肉どころじゃなくなりましたがその事件をきっかけに勇者クレアはよりイワクドラゴンに執着するようになり、イワクドラゴンの生態を観察するようになりました。その結果ついに勇者クレアは呪いを受ける事なく討伐する事に成功しました」
呪いを受けないでのイワクドラゴンの討伐の話しにお腹いっぱいでゆるみきっていたボクの緊張感は一気に引き締まった。
「そ、それで?その後はどうなったんですか?」
「そのイワクドラゴンは私の元に来て私は調理しようとしましたが、あまりの硬さに調理する事が出来ませんでした」
タキアさんでも無理だったんだ。
「でもその時、ある事もわかりました」
なんだろ?
「柔よく剛を制す。勇者クレアはイワクドラゴンを岩魔法で硬くする事で呪いを受ける事なく討伐しました。でもそれだと硬すぎて調理する事が出来ませんでした。硬いイワクドラゴンを調理する方法は対となる柔らかいゲンブドラゴンの素材を使った包丁が必要だという事です」
マ、マジで!ゲンブドラゴンの素材を今持っているって言ったらどうなるんだろ・・・でもラオさんにまだ報告もしてない事を言うわけにもいかないし、どうしよう・・・
「・・・ホクトさんどうかしましたか?」
「あっ、いえ、なんでもないです」
ラオさん怒らせると怖いからやっぱりラオさんに報告が先だな。
「なんでもない事はないんじゃないんでしょうか?」
ん、どういう事?
「勇者クレアがイワクドラゴンを動かしたということはゲンブドラゴンにつけていたマーキングの魔力がなくなったということを示します。つまりは誰かがゲンブドラゴンを討伐した」
え、えっ、えっーー!!
「ゲンブドラゴンを倒したのはホクトさんですよね?」
バ、バレてるよーーーー!!!




