68話
6つのドラゴンストーンを手に入れたから、ガンキ山にいる龍人キリュウさんに会いに行くとするか。だけどガンキ山に行くには王国を通る事になる。そうなるときっとさっきの話を聞いている万能勇者のケンタローさんが現れて止められるんだろうな。
王国にたどり着くと万能勇者のケンタローさんが待ち構えていた。
「ホクトさん、話があります」
「止めても無駄だぞ。ボクにはやらないといけない事がある」
ボクは強引に行こうとする。
「きちんと話を聞いてください。マイヤさんは死の黄金リンゴを手に入れましたよ」
えっ!
「ホクトさんが立ち去った後に蛇の獣人ヤミミに会ってみたら普通にもらえたようです」
えっーー!あんな言い方までしてマイヤと別れたのにな。なんか思い出してきたらだんだん恥ずかしくなってきたよ。
「私は王国の人間です。死の黄金リンゴの話については王家の一族にしか伝わらない話もあります。だから私は死の黄金リンゴを食べたドラゴンを倒し、そのドラゴン肉を食べてパワーアップする今回の作戦には反対です」
王家にしか伝わらない話ってなんだろ。
「無理を承知でお願いします。私を一緒に連れて行ってもらえないでしょうか?」
どうしよう・・・こんな展開は過去にはなかった・・・だけどある事だけはわかっている。
それは・・・万能勇者のケンタローさんは女性ではなく男性が好きだという事を・・・
「今まで私は守る事に関しては誰にも負けた事はなかった。だけどガンキ山での特訓で私は初めてホクトさんには勝てないと悟りました。私の物語の主人公はホクトさんです。どうかよろしくお願いします」
ギュッと手を握られてお願いされる。
イヤ、ラオさんに名脇役と言われているんだけど・・・っていうか近くで見ると中性的な顔立ちで綺麗に見える。
ってボクは何を考えているんだろ・・・ボクは女性も男性もいけるバイって事なのかな・・・名バイプレーヤー・・・もしやラオさんはこれを見抜いていたのか・・・だから蛇の獣人ヤミミもボクに死の黄金リンゴを渡したのかな。
っていうか突然のボーイズラブ展開になったら視聴者は誰もついて来なくなるぞ・・・って何に対してツッコミを入れているんだ・・・とにかく落ち着こう・・・
冷静に考えよう。この先の事を考えると万能勇者の力は必要だ。だがいいのか?自分はマイヤ一筋だったはずだ。女性の賢者勇者アイリンを好きになるならまだしも男性の万能勇者ケンタローを好きになったかもしれないと勘付かれたら目も当てられなくなるぞ。
「もし連れて行ってくれるのなら王家に伝わる死の黄金リンゴの秘密をお話しします」
・・・とりあえず秘密を聞きたいから連れて行く方向でいいかな。でもとりあえず一回は連れて行かない感じも出しておこうかな。
「ボクはこの世界を滅ぼすために動く。王家の人間がそれに手を貸す事になってもいいのか?」
「大丈夫です」
即答だったよ。もうちょっと考えてよ。
「わかった。よろしくな」
ケンタローさんとガッチリと握手をしたけど、めちゃくちゃ手が柔らかかった。どうやらボクはそっちの方向に覚醒してしまったようだ。
「よろしくお願いします。先程言った死の黄金リンゴの秘密ですが、死の黄金リンゴを食べたドラゴン肉には肉体活性化の効果があり、初代国王はその力をスキルの固定化に使いました。万能勇者が同じ力を引き継いでいるのはそのおかげでもあります。これは表に出ている情報ですが肉体活性化の力はこれだけではありません。肉体活性化の力を使えば男性から女性になるが可能です」
えっ・・・性転換も可能って事なら・・・この作品はそっち路線でハッピーエンドになるのか?!
乞うご期待!!!
ってボクは一体何を言ってるんだろ・・・




