59話
ボクは今非常に緊張している。
ドラゴンを討伐した事によるDの勇者の認定式と王国第三部隊虹龍の尾の設立を記念した式典で挨拶をする事になってしまったからだ。
式典には万能勇者でもあり王国守護隊金烏の爪の隊長のケンタローさん、王国先遣隊銀狼の牙の隊長のジャカル、王国ギルドのギルドマスター、他に偉い人が沢山集まっている。
そんな中ラオさんを見かけて安心する。
「緊張しているようですね。でも誰もホクトさんに期待していないから大丈夫ですよ」
そう言われるとホッと一息つけたが、なんかそれはそれで傷つくな。
いざ挨拶をしてみると思ってた以上に誰も聴いてない感じだったのはちょっと寂しさを感じてしまった。
そして挨拶を終えて真っ先に近づいてきたのは意外にもジャカルだった。
「これからイーリアさんとクロマタ山に向かうって聞きましたが狙いは太陽のドラゴンストーンですか?」
確かにこれから向かうけど、なんだよいきなり
「実は私もこれからクロマタ山に向かいます。どちらが早く太陽のドラゴンストーンを入手するか勝負しませんか?」
勝負って何?そもそもゴミ拾いで勝負ってゴミ拾いは争うもんじゃないでしょ
「イヤそうな顔をしていますね。勝負って言っても勝ち負けを選ぶのはイーリアさんです。イーリアさんは先遣隊には入隊できませんが、私はイーリアさんをパートナーにしたいと考えています」
えっ!
「私はこれからイーリアさんに話を持ちかけてみます。私は負けませんよ」
なんか知らないけど、勝手に負けられない戦いが始まった。
ボクが気合いを入れているとラオさんが近づいてきた。
「話は聞こえていました。ホクトさんなら大丈夫ですよ」
ラオさんに大丈夫と言われると安心できるな
「ジャカルさんには勝てないですから、安心して負けて闇落ちしてください」
えっ!イヤイヤ、ちょっと待って
「ジャカルさんは闇落ちした勇者ジャギンの血を引いていて、すでに闇のドラゴンストーンを持っています。光は闇があって初めて生まれます。そしてその光、太陽のドラゴンストーンを持って闇のドラゴンストーンは星のドラゴンストーンになります。ホクトさんは地道にゴミ拾いをして太陽のドラゴンストーンを入手する事になります。だから絶対にジャカルさんには勝てないんですよ」
えっ!そうなの・・・
「あと単純にジャカルさんイケメンですからね」
そ、それを言われると何も言えない
「光のドラゴンストーンとも言われる太陽のドラゴンストーンを持った状態で闇落ちするホクトさんは最高に強くなる事が出来ます。ホクトさんが闇落ちしても私が必ず救います。だから安心して闇落ちして下さい」
安心して闇落ちしろって言われても実際闇落ちするかどうかは自分でもわからないし、とりあえず今は自分にできるゴミ拾いだけに集中する事にしよう。




