57話
地獄の特訓も終わった安心感からか昼過ぎまで寝てしまっていた。
特にする事はないけど、無事に終わった事をラオさんに報告しに行かないといけないな。
でもその前に食事をしてきちんと身体に栄養を入れておくとするか。
ボクはいつもどおりのルーティーンで卵かけご飯を食べてギルドに向かった。
「ホクトさんが土のドラゴンストーンを取れた事はすでに聞いていますよ。おかげで(仮)が取れて王国ギルドの副ギルドマスターになる事が出来ました」
よかった。あのプレッシャーはヤバかったからな。
「でも新たな問題も発生してしまいました。2人とも土のドラゴンストーンを手に入れてしまった事とイーリアさんという新人女性が守護隊四天王を超えてしまった事です」
あっ、そういえば30日耐久したら金烏の爪の隊長になるっていう話もあったんだ。だけどケンタローさんも30日耐久したからあの話なかった事になるんじゃないのかな・・・
「ここだけの話ですが、実は万能勇者ケンタローさんは女性が苦手なんですよ。だけど今のままだと新人女性が側近になってしまう事になるんですよ」
女性が苦手ということであればたしかに大変だね。
「その事も含めて明日ケンタローさんとお話ししたいと思いますので同席お願いします」
ラオさんに任せておけば一安心だね。
「はい」
次の日、ラオさんのところに行くと万能勇者のケンタローさん、イーリアさん、四天王最強の人がいた。
「本日はお集まりいただきありがとうございます。実はですが地獄の特訓をやるにあたり、ケンタローさんとホクトさんの間で少し賭け事をしておりました。その賭け事自体は両者引き分けという形になりましたが、ケンタローさんとしては約束は約束だからという思いもあると思います」
「私としては引き分けではなく賭け事に負けたのだから金烏の爪の隊長はホクトさんに譲ろうと思っています」
「「えっ!!」」
何も知らないイーリアさんと四天王最強の人びっくりして固まってるよ。
「そこで私からご提案があります。金烏の爪、銀狼の牙に続く第三の部隊を作られてはいかがでしょうか?」
「第三の部隊か・・・その部隊は何をする部隊なのだ?」
「第三の部隊はホクトさんにしか出来ない事です。ホクトさんは守護隊の隊長としても申し分ない能力である一方で先遣隊の隊長としても申し分ない能力を持っています」
「たしかにそうだな」
そんなに褒められると照れるな
「第三の部隊は先遣守護隊です。今までは先遣隊の情報を元に守護隊が動いていました。それでは対応しきれない事案もあります」
「ふむふむ、ホクトさんはそれを同時に出来るということか」
「はい。そして新しい第三の部隊の側近としてイーリアさんに付いてもらう。いかがでしょうか?」
ケンタローさんと四天王最強の人が顔を見合わせる。
・・・
少しの沈黙の後、ケンタローさんが口を開いた。
「その提案に乗る事にしよう」
トントン拍子で事が運ぶなんて、やっぱりラオさんはすごいや。
「イーリアさんはそれで問題ないでしょうか?」
「私は新人ですので皆様にお任せします」
「ありがとうございます。それでは第三部隊の名前を決めないといけないですね」
どんな名前がいいんだろ、カッコいい名前がいいな。
「レインボードラゴンテイル、虹龍の尾というのはどうでしょうか?」
響きがカッコいいな
「ではそれで決定でいいですかね?」
みんなうなずいている。
「それでは1週間後に正式発表したいと思いますので、それまではご内密にお願いします。それでは皆様本日はありがとうございました」
第三部隊、虹龍の尾の隊長・・・ボクが・・・
「あっ、ホクトさんはこの後ちょっと話がありますので残ってください」
「あっ、はい」
ケンタローさんと四天王最強の人はニッコリとした表情で出ていった。
「改めまして自己紹介させていただきます。私の名前はイーリアと申します。未熟者ですがよろしくお願いいたします」
あっ、ボクまだ心の準備が・・・
「ホクトさん、隊長なんだからビシッと決めないとカッコ悪いですよ」
あっ、はい
「虹龍の尾の隊長のホクトです。こちらこそよろしくお願いしましゅ」
最後で噛んでしまった・・・
「私は王国ギルドの副ギルドマスターのラオです。おそらく私が第三部隊、虹龍の尾と連携を組む事となりますので、お二人ともよろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
噛んだ事をなかったかのようにスルーしてくれてありがとうございます。
「それでは失礼いたします」
挨拶も終わりイーリアさんも出ていった。
「それではホクトさん、太陽のドラゴンストーンの話をしていきたいと思いますが、その前に少し私のお話よろしいでしょうか?」
ん、なんだろ
「私は太陽の一族、ファラオーの末裔です」
太陽の一族・・・伝説の勇者リュウケンのライバル、トラオーも太陽の一族だったはず。




