56話
最終日の地獄の特訓で待ち構えていたウシシシは赤鬼と言われている赤のウシシシだった。
今日の相手は本気でいかないとこちらも危険だな。ボクは魔王の柳葉包丁を取り出して構える。
「今日の特訓を乗り越えられたらならお主は新たな力を手に入れる事が出来るだろう。それでは始めるぞ」
金棒を構えた赤のウシシシは初っ端からフルスイングをしてくる。
ドンっ
両腕でガードするも腕が痺れるほどの威力。
「これを受け止めるとはさすがだな。まだまだいくぞ」
再びのフルスイング。
ブンっ
ボクはホクト流回避術・龍天の無盾でギリギリのとこで躱す。
「そういう技もあるのか、面白いな。ならばこちらもテンポアップしていくとするか」
一瞬してに消える赤のウシシシ。
ブンっ
だけどボクは風のドラゴンストーンのおかげで風の動きを読み取り、背後に回った赤のウシシシの攻撃を龍天の無盾で躱す。しかし赤のウシシシの攻撃は止まらない。
ガンっ
ボクは赤のウシシシの連続攻撃を龍天の無盾で躱すと見せかけて受け止める。
ザクっ
そしてこちらも攻撃を仕掛ける。当たらないと思っている攻撃が当たってタイミングがずらされた隙を狙って龍点穴への攻撃。ドラゴンをも切り裂く魔王の柳葉包丁はさすがだな。
「久しぶりに攻撃でキズを受けたな・・・ならば本気でいくぞ」
ボクはその言葉に死ぬかもしれないと背筋が凍る思いをしたその時、声が聞こえてきた。
「そこまでにしておけ、本気にさせられた時点で合格だよ」
姿を現したのは黄色の龍人。
「キリュウ様、失礼いたしました」
「もうじきあちらも終わりますので、話はそれからにしましょう」
キリュウ様と言われた黄色の龍人が放つオーラは圧倒的で何もしていないのに押しつぶされそうな威圧感がある。
「どうやらあちらも合格のようですね」
万能勇者ケンタローさんも合格できたみたいだな、良かった。
ケンタローさんと合流するとケンタローさんはボロボロの身体で意識も朦朧として立ってるのもやっとの状態だったため治す事にした。
「龍天飛翔穴」
「ホクトさん、ありがとうございます・・・あ、あのお方は・・・」
黄色の龍人に気づいたケンタローさんは身体を震わせていた。
「あのお方は龍皇帝キリュウ様、三龍人の中でも1番強いと言われているお方です」
「かしこまらなくていいですよ、まずはこちらをどうぞ」
キリュウさんからボクとケンタローさんに土のドラゴンストーンが手渡される。
これで基本4属性のドラゴンストーンが手に入ったな。
「ホクトさん、ケンタローさん、おめでとうございます。土のドラゴンストーンは守りの力です。あなた方の守りたいモノはなんですか?」
「私が守りたいのはこの王国に住む全ての人達を守りたいです」
この国の王子でもある万能勇者ケンタローさんは言う事もイケメンだな。
ボクは・・・
「ボクが守りたいのは幼馴染の勇者マイヤです」
「あなた方の守りたいモノはわかりました。それでは私が守りたいモノはなんだと思いますか?」
キリュウさんが守りたいモノ・・・
「私が守りたいのはこの星に住む全てのモノ達です。人も動物も植物も魔物と言われている生物も全て守りたいと思っています。守るための力を守るため以外に使われる時は龍人はあなた方に牙を向ける事となります。ご理解ください」
「かしこまりました」
こうして長い地獄の特訓も終わりを迎え、キリュウさんからの威圧からも解放された。
よし、帰るとするかな。
「ホクトさん、ちょっとよろしいですか?」
帰り支度をしているとキリュウさんから話かけられた。
「な、なんでしょうか」
「ホクトさんはこれから太陽のドラゴンストーン、星のドラゴンストーン、月のドラゴンストーンを集めようとしていますよね?」
なんで知っているんだろ
「太陽の光がなければ、星は闇となります。まずは太陽のドラゴンストーンを持つ獣人、クロウテングに会ってください」
「わかりました」
「そして星のドラゴンストーンを手に入れた時はまた会いに来てください。その時に月のドラゴンストーンについてお話しいたします」
「は、はい。それでは失礼いたします」
まずは太陽のドラゴンストーンだな。
街に帰り地獄の特訓が終わったということもあってなのか、この日ボクは宿屋で爆睡してしまった。




