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55話

ウシシシの地獄の特訓10日目も何事もなく終わった。


初めて組で10日目を合格したのはボクとイーリアだけ。


「明日からは常連組と合流して実戦形式で戦ってもらう。実戦形式なのでこちらの攻撃はガードだけじゃなく躱してもいいし、反撃しても大丈夫だ」


それならホクト流回避術・龍天の無盾も使えるし、龍天返しも使えるんだな。


「残ったのは私達2人だけだね。えっと・・・そういえば名前なんていうの?」


ついに言う時がきたな・・・


「ボクはホクトって言います」


「えっ・・・まさかホクト様・・・そんな・・・もっとイケメンだと思ってた。まぁでも、その、なんていうか・・・ファンでした」


ガーーン、しかもファンでしたって過去形になっているし。


「落ち込まないでよ、これからはファンとしてじゃなくて一緒に王国守護隊として働く仲間だねって事よ。よろしくね」


あっ、そういう事ね


「っていうか一緒に働くって何?」


「えっ、ホクトは何も知らないの?10日目を合格した者は王国守護隊に入隊出来るのよ」


あっ、そうなんだ。っていうかホクト様からホクトになったんだね。


「じゃあ明日からも一緒に残れるように頑張ろね。じゃあね」


11日目、残っているのは常連組の王国守護隊のメンバー達。みんなひとくせもふたくせもありそうなオーラを漂わせている。


「ホクト、イーリア、王国守護隊の入隊を歓迎する。これから先は実戦形式での特訓になる。気を引き締めて挑めよ」


歓迎するといいながらボクの方をにらみつけてる。


12日目、昨日声をかけた人は次の日にはいなくなっていた。あの人は王国守護隊でも1番下の人だったみたいだね。


16日目、ここまで来ると残っている人は王国守護隊の人達でもほとんどいない。残っているのは万能勇者と王国守護隊四天王とイーリアとボク。


「ホクトさんは勇者なのでここまで残るのはわかるとして、イーリアさんはすごいですね。女性でここまで残れたのは初めてです」


そう声をかけたのは四天王の中で1番弱い人だった。


17日目、四天王の1番弱い人はいなくなっていた。


18日目、また1人四天王がいなくなった。


19日目、また1人四天王がいなくなった。


20日目、最後の四天王がいなくなった。


「いよいよ私達3人になりましたね。今まで20日目を乗り越えられた英雄はいませんでした。イーリアさん頑張ってくださいね」


「はい」


21日目、イーリアさんはいなくなっていた。


「やはり無理でしたか。ここからはホクトさんとの勝負ですね。私は負けませんよ」


25日目、万能勇者のケンタローさんはいつにもまして気合いを入れている様子だった。


「私は今までここを乗り越えられた事がありません。しかし王国守護隊の隊長としてホクトさんに負けるわけにはいきません。お互い頑張りましょう」


ウシシシとの特訓は厳しい戦いにはなっていたが、ボクはまだまだ耐える事が出来ると思っている。おそらく30日目までは余裕でいける。


26日目、万能勇者ケンタローさんと会う事が出来た。


27日目も28日目も会う事が出来た。


29日目、万能勇者ケンタローさんの身体はボロボロになりながらもボクに負けるわけにはいかないと言わんばかりになんとか踏ん張っているようだった。


30日目、特訓最終日に万能勇者ケンタローの姿を見てボクはホッと一安心した。さすがにここまで残れたなら最後まで一緒に乗り越えたいと思っていた。


「ホクトさんのおかげで私はここまで残る事が出来たのかもしれません。ありがとうございました。最終日悔いのないように頑張りましょう」


せっかくここまで残ったのであれば何がなんでも土のドラゴンストーンは入手したいよね。


「ボクもケンタローさんのおかげでここまで残る事が出来たと思っています。最終日ですので全快の状態でいきたいですよね」


「ん、どういうことですか?」


「こういう事です。龍天飛翔穴」


ボクはケンタローさんの龍点穴を突くとケンタローさんの身体のキズはなくなり疲れた身体も全快したようだ。


「これは賢者勇者アイリンさんしか出来ない技のはず。なぜホクトさんが?」


「それは後でお話ししましょう。まずは今日一日を乗り越える事を考えましょう」


「そうですね。それではいきましょうか」


ボクとケンタローさんは最後のウシシシ地獄の特訓に向かった。

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