54話
予定より早く起きたボクはいつもどおり卵かけご飯を食べて準備する。
左腕にはアダマン鯛のウロコの盾、右腕には果肉カニの甲羅の盾、腰には青の牙の短剣と斧熊の短剣を差す。
魔王の柳葉包丁は何かあると大変だからアイテム収納袋に入れておく事にしよう。
少し早いが準備万端でボクは王国ギルドに向かった。
王国ギルドはこの前とうって変わり受付には100を超える冒険者であふれて静かな空間はザワザワと騒がしかった。
「みなさん静かにしてください。これからウシシシのいるガンキ山に向かいます。その前に初めての方はこちらにお並びください」
ボクは受付の指示に従い列に並ぶとボクの隣には烈火ドラゴンの盾を2つ装備した綺麗なお姉さんが並んだ。
ボクと同じように盾の二刀流だ。同じようにする人がいてなんか嬉しいな。
「貴方も盾術と二刀流のスキルをお持ちですか?」
「ふぁ、ふぁい」
急に話しかけられてボクは変な返事をしてしまったために女性がちょっと引いてしまい会話が終わってしまった。
そんな事がありながらガンキ山に着くと初めて組と常連組で別れる事になったのだが、ここで万能勇者のケンタローさんが近づいてきた。
「初めて組の皆さん、まずは初日を無事に終われる事を期待しています」
「それでは初めて組の方々はこちらにどうぞ」
セクシーな女性のウシシシに連れられて行かれた先には金棒を持ったゴツい体格のウシシシが立っていた。
「土の魔石、インペリアルトパーズが欲しくてみんなここに集まったと思う。守りの魔石を手に入れる方法は至って簡単だ。私の攻撃を必死でガードしろ。ただそれだけだ」
それから地獄のような光景が広がる。
一撃で気絶する者、それを見て逃げ出す者、一撃目を耐えても二撃目で吹き飛ばされる者。
いよいよボクの番だ。
「お前はなかなか強そうだな」
ガキン
ボクはいとも簡単にガードする。強さはダブルAランクのマサカリカツイダベアと同じくらいの強さだな。これならまだまだ余裕だな。
ガキン、ガキン、ガキン
何度打ち込まれてもボクはビクともしないでガードする。
「お前は合格だ」
ウシシシから手渡される親指ほどの大きさのインペリアルトパーズ。
やったーー!!
「次!」
初日は何事もなく無事に終わる事が出来た。
あたりを見渡すと初日を合格出来た者は10人くらいしか残っていなかった。その中には烈火ドラゴンの盾を二刀流している綺麗なお姉さんも残っていた。
「あら、貴方も残る事が出来たのね。私の名前はイーリア、よろしくね。貴方の格好を見ると相当盾の勇者ホクト様を意識しているみたいね」
「えっ、あっ、これは・・・」
「ホクト様のおかげで私は二刀流の盾使いに目覚める事が出来たの。二刀流といえば剣術と魔術ってしか思っていなかったから盾術でもいいなんて思わないよね」
「そうですよね」
っていうかよく喋る人だな・・・
「本当にホクト様はすごいよね。最近では烈火ドラゴンを討伐してDの勇者にまでなられるなんて本当にすごいよね。貴方も2日目も無事に残れるといいね。じゃあね」
ボクの自己紹介はまだ終わっていなかったのに勢いよく帰っていったな。
ボクがその盾の勇者ホクトだと知ったらあの人どうなるんだろ・・・




