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53話

ボクはラオさんと今後について話し合いをしている。


「風のドラゴンストーンの入手おめでとうございます。次は土のドラゴンストーンになりますが、ウシシシは王国ギルドの管轄地であるガンキ山にいます。そしてちょうどいいタイミングで私は王国ギルドの副ギルドマスター(仮)として異動する事が決まりました」


さすがにこの展開にはもう驚かないよ。っていうか(仮)ってなんだろ・・・


「(仮)が取れる条件は土のドラゴンストーンの入手なので、(仮)が取れるかどうかはホクトさんにかかっていますのでどうかよろしくお願いします」


えっ、何このプレッシャー・・・


「土のドラゴンストーンを持っているウシシシは頭にウシの角が生えていてシシの身体を持っていて、オニと呼ばれたりもしています。そしてウシシシは獣人の中でも数少ない言葉を喋れる獣人です」


喋れるんだ・・・


「ウシシシから土のドラゴンストーンを入手するのはホクトさんにとっては簡単だと思っています。まぁそれは現地についてのお楽しみということで」


イヤ、教えてよ。気になるじゃん。


「私は王国ギルドに行きますが、さすがにホクトさんは先遣隊として付いてくるということはできません。王国ギルドの先遣隊は銀狼の牙に所属するということになります」


やっぱりそうだよね。


「だから今回は王国守護隊の金烏の爪の方でお世話になるように手配いたしました」


えっーーー!!


「王国守護隊、金烏の爪の隊長は万能勇者のケンタローさんが務めています。王国ギルドに行くとまずは万能勇者のケンタローさんとの面談があります。交渉の方は私がいたしますのでご安心ください」


ラオさんが交渉してくれるなら安心して任せられるな。


こうしてボクはラオさんと共に王国ギルドに向かった。


王国ギルドに着くとまずは受付の人に話しを通す。


王国ギルドは普通のギルドと違い、冒険者達が依頼を受けたりということはなく静か空間となっていた。


やがてボク達は万能勇者のケンタローがいる応接室に通された。


「はじめまして、金烏の爪の隊長を務めておりますケンタローと申します。本日はよろしくお願いします」


万能勇者ケンタローは剣術、魔術、盾術を持つ勇者。ぱっと見では女性?と思うくらいの中性的な顔立ちの美少年系のイケメン。実際に会ってみると綺麗な女性にしか見えない顔立ちで肩まで伸びたサラサラの青色の髪の毛からはいい香りがする。


「私は今度、王国ギルドの副ギルドマスターになりますラオと申します。こちらはホクトさん。先日烈火ドラゴンを討伐してDの勇者になられたお方なのでケンタローさんもご存知かと思います」


「同じ盾使いの勇者なので昔から知っていましたよ。さっそくですが本題に入りたいと思います。今回ホクトさんは毎年恒例のウシシシの地獄の特訓に同行したいとの事でしたよね?」


「そうです」


えっ、ボク何も聞いていないんですけど・・・ってもういつもの事だから驚かないよ。


「そしてその地獄の特訓の結果が良ければ金烏の爪に入隊したい」


「そうです。ケンタローさんは現在地獄の特訓は25日まで耐久していますよね。ホクトさんは30日耐久して土のドラゴンストーンを手に入れます。そこまでしたらさすがに認めてくれますよね?」


地獄の特訓って1カ月もあるんだね。しかも万能勇者のケンタローさんでも25日しか耐久できないってイヤな予感しかしないよ。


「私でも30日耐久は無理なんですよ。もしホクトさんが30日耐久できるのであれば金烏の爪の入隊どころか隊長でもいいですよ」


あー、ラオさんの交渉術にハマちゃったよ。


「ホクトさん、いきなり隊長ですって。よかったですね」


全然良くないよ・・・なんかめっちゃくちゃ見られてるし・・・


「それでは3日後にウシシシの地獄の特訓が始まりますので、逃げ出さないようにしてくださいね」


「わかりました」


こうしてボクとラオさんは応接室を後にした。


「私はギルド宿舎に泊まります。ホクトさんは近くの高級宿屋を手配していますのでそちらにお泊りください」


ボクは高級宿屋の部屋について一息つく。


地獄の特訓って何するんだろ。土の魔石は守りの魔石だからボクの得意分野だとは思うんだけど・・・


とりあえず盾の手入れだけはしておこう。王国守護隊の盾使いはどんな盾を使っているんだろ。楽しみだな。


ボクはアダマン鯛のウロコの盾と果肉カニの甲羅の盾を丁寧に磨き、寝ることにした。



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