52話
ボクは今ラオさんに怒られている。
「なんで烈火ドラゴンを討伐したにもかかわらずS級冒険者登録の手続きしてこなかったんですか?」
だって誰も気づいてくれなかったんだもん・・・
「とりあえず意思確認ですけど、S級冒険者になる事でよろしいですか?それとも辞退しますか?ちなみにアラタさんは辞退したみたいです」
やっぱりアラタさんは辞退したんだね・・・
「ボクはS級冒険者になります」
「わかりました。まずはS級冒険者の義務について説明します」
「はい」
「S級冒険者は冒険者の中でも最高クラスのため、冒険者達の手本となるような行動を心がけなければいけません」
こんな事は当たり前の事だよね。
「S級冒険者は街に被害を出しそうなドラゴンがいた場合はS級冒険者同士で協力し合いながら討伐しなければいけません」
これも当たり前の事だ。この義務があるからアラタさんはS級冒険者になる事を辞退したんだ。
「S級冒険者は最高の龍理人を決める大会がある時はドラゴンを調達してこなければいけません」
この大会にタキアさんも出るんだな。
「その大会では龍理人の料理を食べる権利があります」
マジでーー!!
「S級冒険者の説明は以上になります。ホクトさんにとってここからが大事な話になります」
ん、なんだろ
「最高の龍理人を決める大会、【虹の龍理人】では烈火ドラゴンは調理いたしません。もっと美味しいドラゴンを求められます」
今のボクだとその要求は厳しそうだな
「なのでホクトさんはもっと強くなる必要があります」
「はい」
「まずはこの街で風のドラゴンストーンを入手しましょう」
これはボクも考えていた事だ。
「その後は土のドラゴンストーン。土のドラゴンストーンは土の最高級魔石インペリアルトパーズを持つ獣人ウシシシから入手出来ます」
ワシシシの次はウシシシか・・・
「基本4属性のドラゴンストーンを入手したら、次は太陽のドラゴンストーン、星のドラゴンストーン、この6つのドラゴンストーンを集める必要があります」
ドラゴンストーンは全部で7つある。だが7つ目の月のドラゴンストーンの行方は誰も知らない。
「わかりました」
「では私はそれに向けて準備をいたしますので、ホクトさんは白のワシシシのところに向かってください」
「はい」
こうしてボクは再び白のワシシシのところに向かった。
でもなんでラオさんはボクにこんなにもやってくれるんだろ。それに準備ってなんだろ・・・
そんな事を考えていたらあっという間に白のワシシシが出てきた。
そして一瞬にして消えて盾に攻撃してきた。
ボクはそれをホクト流回避術・龍天の無盾で躱す。
魔力感知力を高めた風の魔石スターエメラルドの錬金魔石を持っているおかげもあって白のワシシシの攻撃に反応する事が出来た。
再び姿を現した白のワシシシ。オヌシナカナカヤルナと言っているかのようにニンヤリと笑う。
そこからはあまりの速さに見えない激しい乱打の嵐。
ボクは龍天の無盾で躱しながら反撃するもこちらの攻撃は当たらない。
ならば躱すと見せかけて盾に当てて反撃だ。
しかしその攻撃も当たらない。
攻撃が当たらないならどうする・・・そういえば普通のワシシシは回復術を使って回復過剰にして倒すって言ってたな。
白のワシシシの龍点穴を狙おうとするも避けられてしまい当たらない。
なぜだ・・・よく考えろ・・・
もしかしてボクは倒そうとしているから殺気を放ちながら回復術をしようとしているのか・・・
これは矛盾しているな・・・
そもそも見えない相手を見ようとしているのが無駄な事だ。
ボクは目を閉じる事によって相手の風をより感じ、見えない姿が見えてくる。
「龍天飛翔穴」
決まった・・・
白のワシシシは姿を現したが平気そうな顔をしている。
きちんと決まったはずなのに・・・
と思っていたら白のワシシシは風のドラゴンストーンを渡してきた。
えっ・・・
ワシヲタオスナンテジュウネンハヤイワ、ワシシシダケニナ
なんか変な事言ってる気がすると思ったらいなくなってしまった。
とりあえず風のドラゴンストーンは入手出来たから良しとしよう。
ボクはラオさんのいるギルドに帰る事にした。




