51話
討伐した烈火ドラゴンをアイテム収納袋に入れてギルドにボクは向かった。
アラタさんもドラゴン討伐をしているからきっと街は大変な騒ぎになっているんだろうな・・・
朝早いということもあるのだろう。街にはほとんど誰もおらず、ギルドにもわずかな職員を残して誰もいなかった。
おかしいなと思いながらもボクは受付に行き、烈火ドラゴンの討伐の処理を行う。
淡々と処理している受付の人はどこか眠そうに処理しているため、烈火ドラゴンの処理をしている事に気づく事なく処理は終わった。
「あ、あの何でこんなに人がいないんでしょうか?」
「・・・ん、何でしょうか?」
いくらなんでも寝ぼけすぎだろ・・・
「何でこんなに人がいないんでしょうか?」
「あんた何も知らないの?アラタさんが英雄で初めてのドラゴン討伐をしたから、ギルドにいる職員含めてみんな盛り上がって三日三晩どんちゃん騒ぎ。さすがにギルド運営にも支障が出始めたから全員帰って寝ろっていう事で解散したからギルド職員含め冒険者もほとんど誰もいないっていうわけだよ」
そう言われたらボクも三日三晩寝ないで戦っていたから眠くなってきたな・・・
「わかりました。それならボクも帰って寝る事にします」
「討伐お疲れ様でした」
気だるそうにボクを見送るギルド職員は気づくと立ちながら寝ていた。
次は納品場所に行くか。さすがに現物見たら気づくよね・・・
・・・・・
結局最後まで烈火ドラゴン討伐に気づかれなかったな・・・
とりあえずボクも宿屋に帰って寝る事にしよう。
それから丸2日寝ていた。
朝起きて窓から外を眺めると街は元通り活発になっていた。
丸2日寝てたからお腹空いたな・・・
宿屋の朝食はバイキング形式でいろいろな食べ物があって美味しそうだと思ったが、いつもの習慣に従い卵かけご飯を食べて活動開始だ。
と思ったけど目標だったドラゴン討伐も終わりやる事もなくなったな・・・次は何しようかな・・・とりあえずアラタさんに会いに行ってみようかな・・・
宿屋の受付に行きアラタさんの所在を訪ねると今宿屋にいると言うが浮かない顔をしている。
とりあえずアラタさんが泊まっている部屋に行くとパーティーメンバーが部屋にいて、寝ているアラタさんを看病していた。
「あ、あのアラタさんはどうしました?」
「あ、ホクトさん。アラタさんはドラゴン討伐の際にパーティーメンバーをかばうために大きな怪我をしてしまいました。回復術で怪我は治したものの体力は未だに戻らず、ずっと寝たままになっています」
そう言った仲間達も怪我もきちんと治していない状態だしひどく疲れている様子。
「ボクにちょっと任せてもらえますか」
寝ているアラタさんの龍点穴にそっと触れる。
「龍天飛翔穴」
するとアラタは起き上がり、大きなアクビをし始めた。
「お、おはよう。っていうかみんなどうして俺の部屋にいるんだ」
起き上がったアラタさんを見たパーティーメンバーは涙を流して喜び始めた。
・・・・・
落ち着き始めたところでアラタさんと話し始めた。
「アラタさんは目標であったドラゴン討伐しましたが、この後はどうする予定ですか」
「俺は・・・」
しばらく考えこんでいるアラタさん。
「俺はもうドラゴン討伐はしない。今回の事で自分自身もそうだがパーティーメンバーもひどい怪我をした。改めて自分の実力を思い知らされた。そして勇者達の凄さも実感する事が出来た」
ボクの方をじっと見つめている。
「ホクトさんも烈火ドラゴンを倒したのに怪我どころかキズ1つない状態だ。そんな人達と肩を並べて自分もドラゴン討伐したDの勇者だ!なんて言えたもんじゃない。今後俺は俺なりにドラゴン討伐はしないが冒険者として活動はして行く。ホクトさんはこれからもっと強いドラゴン討伐に行くんだろ?」
ボクは・・・
「はい!マイヤを守れるように最強の盾の勇者を目指して、もっと強いドラゴン討伐に向かいます」
「さすがは勇者だな。ホクトさんはもう立派なDの勇者だ」
改めてDの勇者と言われるとドラゴンを討伐した実感が湧いてくるな。
「これからも頑張っていきます」
ボクは自分の部屋に戻り、この街を出る準備を始めた。
今の実力では烈火ドラゴンより強いドラゴン討伐なんて出来ない。強くなるにはまず基本4属性のドラゴンストーンを入手した方がいいだろう。
次は白のワシシシから風のドラゴンストーンを入手しよう。
こうしてボクはラオさんのいるオウマの街に向かい始めた。




