48話
あれから1週間。ゼロさんから連絡があったためギルドマスター室に再び集まった。
この1週間は烈火ドラゴンがいるヤバイカザンの街に行く準備をしてきた。アラタさんは魔王の太刀のお礼に龍理人タキアさんの料理をご馳走してくれるって言ってたからそれも楽しみにしてる。
ラオさんはオウマの街を離れるわけにはいかないからめちゃくちゃ羨ましそうだ。
そんな話をしているとゼロさんが扉を開けて入ってきた。
「待たせたな。魔王の太刀と魔王の柳葉包丁、それとスターエメラルドの錬金魔石出来上がったぞ」
アラタさんは魔王の太刀、ボクは魔王の柳葉包丁とスターエメラルドの錬金魔石を受け取る。
「加工してみてわかったが、魔王マグロの角はすごいな。この角には攻撃アップの指向性を持たせた錬金魔石のような魔力が込められている」
へー、そうなんだ。だからみんな触れただけで指を切り落とす事になったのか。
「魔王マグロの角の加工が出来たおかげで新たな武器作りの可能性を感じる事が出来たぜ。オレはしばらくはこの街で錬金魔石の加工の修行と新たな武器製作に取り掛かるつもりだから、ホクトとはしばしお別れになってしまうな。それじゃあオレは帰って工房にこもるとするよ」
ゼロさんも忙しい人だな。あっという間に帰ったよ。
「ホクトさん、我々も行くとするか」
「あっ、はい」
ラオさんと離れるのはなんか変な感じがするが、ボクはヤバイカザンの街に向かった。
アラタさんはパーティーを組んでいるからパーティーのみんなと一緒に来て遅れて来るみたい。
ぼっち寂しいなんて弱音は吐かないようにしよう。
そんなこんなでお昼くらいにヤバイカザンの街に着いてしまった。
まずは泊まるところを確保しないといけないな。
以前はギルド宿舎に泊まっていたが、ラオさんが一緒じゃないから今日は宿屋を探して泊まる事にしよう。
幸いにもギルドの近くには冒険者達が泊まる宿屋はたくさんある。
ドラゴン討伐の前だから高い宿屋に泊まってゆっくりとしながら気分を高めていきたいな。
この辺で1番高い宿屋はいつもアラタさん達が泊まる宿屋だな。
夜に龍理人タキアさんのところで食事をする予定なので、アラタさん達も夕方あたりには着いてここに泊まるはず。アラタさん達の分の宿屋の手配もしてお金の支払いも済ませておいて、ちょっとカッコいいところを見せておこうかな。
「ホクト様、お待ちしておりました。アラタ様よりホクト様がこの宿屋に来たらおもてなしするようにと言われております。1カ月分の宿泊費はもういただいておりますので、ゆっくりお過ごしください」
「あっ、はい」
アラタさん、イケメン過ぎです。
なぜか勝手に始まったイケメン勝負。この勝負、負けてられないな。
ならばボクにしか出来ない事をやってやる。
ボクは仕込みの最中であろう龍理人タキアさんの元を訪れた。
「ホクトさん、こんな時間にどうしましたか?本日の予約はいただいておりますが、さすがに来るのが早すぎですよ」
「それはわかっています。もしよろしければこの包丁を一度使ってみていただきたいと思いまして、伺いました」
ボクは魔王の柳葉包丁をタキアさんに渡した。
するとタキアさんはじっと魔王の柳葉包丁を見ている。
「・・・わかりました。それでは夜にまたお越し下さい。とっておきの料理の仕込みをいたしますので楽しみにしててください」
「よろしくお願いします」
これでイケメン勝負はボクの勝ちだな。
ボクは宿屋に戻り、夜までゆっくりと部屋でくつろいだ。




