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33話

ドラゴンストーン・ヒヒイロの鐘を手にしたボクはラオさんに会いにギルドに向かっていた。


ドラゴンストーンは魔石の中にある核といわれる部分であり、その核を手にしたモノは強大な力を得ることができると言われている石だ。


伝説の勇者リュウケンはこのドラゴンストーンを7つ手に入れ胸に埋め込めでいたのなら、そりゃ最強とも言われる強さにはなるよなぁ・・・


ちょっとした小話だが、ドラゴンストーンと同じ正八面体の形をしているダイヤモンドの結晶。ドラゴンストーンに憧れを持つモノ達は無意識的に同じ形をしているダイヤモンドに価値を見出しているのだ。



そんな事を考えているとあっという間にギルドに到着。ラオさんにボス猿との戦いの報告とドラゴンストーンの入手を報告。


「お疲れ様でした、そしておめでとうございます。綺麗な音色のヒヒイロの鐘はちゃんとこちらまで届いていましたよ。そしてヒヒイロの鐘の正体がドラゴンストーンだったなんて驚きです。現在ヒヒイロの鐘を持っているのは最高の龍理人の称号を持つ黄龍さんのみですが、黄龍さんの持つヒヒイロの鐘はドラゴンストーンではなく大きな魔石だったはずです。ホクトさんの戦いを聞くとおそらく黄龍さんは殺して手に入れた魔石なのでしょう。黄龍さんは15年前の事件の時にヒヒイロの鐘を手にしたみたいですが、その時ヒヒイロの鐘は聞こえなかったですから」


えっ、その時ラオさんって近くにいたんだ・・・


「不思議そうな顔をしていますね。私は昔、黄龍さんとパーティーを組んでいたんですよ。まあ無能と言われて追い出されたんですけどね」


ラオさんが悲しい顔をしている・・・無能で追い出されたっていうラオさんにどんなスキルを持っているんですかって聞けない感じになっちゃったな・・・でもボクはラオさんは無能だなんて決して思わない。むしろ超有能だよ・・・


「まぁ私の話はさておき、ホクトさんのおかげでイヒヒヒを討伐する事なく、十分な量のヒエイ石を集める事が出来ました。これでヒエイ山の調査を終わりたいと思います。ドラゴンストーンの入手のお祝いもかねて近い内に龍理人のタキアさんのところでご飯でもどうですか?おごりますよ。と言ってもホクトさんが持ってきてくれたヒエイ石のおかげのお金なので私がおごるっていう言い方も変な話なんですけどね」


やったーーー、ヒエイ石売却のお金の件も全てラオさんに任せておいて正解だったな。


なぜボクがいつもラオさんにお金に任せるのか・・・ラオさんがいつもボクに良くしてくれるっていうのはもちろんある。ギルドは冒険者から素材や食材を買い取り、鍛治や裁縫の職人や料理人に販売している。


ボクがその買い取り分のお金をもらわない事でギルドはその分利益が出る。ボク自身は先遣調査の手当で普通に暮らす分のお金はもらっている。先遣調査の仕事に使うマーキング玉くらいしか消耗品はないけど、七色虫の納品のおかげでそれすら無料だ。だからボクはそんなにお金を必要としないんだよね。


買い取りのお金をもらわないボクのおかげもあると思うが、ヤバイカザンの街にきて2か月でラオさんは南支部の赤字を全て解消した。龍理人のタキアさんのところでの食事はそのお祝いもあるんだろうな。


「それでは明日の夕方で予約をしておきますね。仕事の話に戻しますね。ヒエイ山の調査も終わりました事ですのでこの南支部では当分やる事はなくなりました。マサカリ山の方の調査も今は落ちついています。

烈火ドラゴンの住む山、レッカ山の調査に関しては管轄は南支部ではなく本部の方となっています」


そうなんだ・・・


「なので先遣調査の仕事はしばらくはお休みしても大丈夫です。まぁホクトさんがレッカ山の調査に行きたいというのであれば止めないですけどね」


ドラゴンの先遣調査は超危険なため普通はしない。ドラゴンが街に被害を出しそうな時だけ調査する。その調査も弱点を見る調査などではなく、かなり遠くからドラゴンが来るかどうかを見るだけのもの。


ドラゴンにマーキング出来たのなら、常に位置を把握出来るので街も安全安心に暮らす事が出来るかもしれない。それにラオさんのあの言い方だとボクにレッカ山に行けって言ってるようなものだしさ・・・


ついにドラゴンと相対する時が来たのか・・・

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