20話
あれから1週間、ついにボクの元にマサカリカツイダベアの短剣が届いた。名前が長いから斧熊の短剣と名付けよう。
採取用の青の牙の短剣と斧熊の短剣を腰に差して今日もマサカリ山に登り、七色虫の採取。そして今日からは七色サーモンの捕獲も開始していく。
「鑑定眼・開眼」
七色サーモンの弱点が見えてくる。ボクは弱点に斧熊の短剣を突き刺す。これで捕獲は完了。
七色サーモンはBランクの魔物だが捕獲出来るのがマサカリ山だけな事もあって誰も捕獲しに来ない。だから需要と供給のバランスが悪く、いつ持ち込みしてもすぐに買い取りしてくれるためものすごくお金になる。
と言いたいところだが、ラオさんから「短剣の分のお金支払うのと七色サーモンをタダで買取させてもらうのどちらがいいですか?もちろん七色サーモンの方選べば、その後でおいしい思いする事出来ますよ」と言われた。こんな事言われたら選ぶ方は決まってる。
通常、七色サーモンは20万で買い取りされる。それに対して斧熊の短剣の価格は1億はくだらない。って事は包丁も同じ値段するって事なんだよね。タキアさんもあんな軽い感じで欲しいって言うからもっとお手軽な値段かと思ってしまったけど、魔物のランク考えたら1億でも安いのかもしれない。もちろんラオさんはゼロさんと交渉して安くしてもらってたみたいだけどね。
七色サーモンの捕獲を完了したところでマーキングしておいたマサカリカツイダベアのところに行って今日も二刀流スキルのレベル上げに付き合ってもらう。
マタオマエカヨ
そんな心の声が聞こえてくる気もするがマサカリカツイダベアに突っ込んでいく。
まずは右からの振り下ろしをガード。すぐに左からのアッパーもガードする。
マサカリカツイダベアもガードされるのを学習したのかすぐさま右のフックを放ってくる。
新しい攻撃方法だが見えている。右のフックをガードすると、すぐに左のフックも飛んできた。
それも見えているぞ。左のフックをガードしたところでマサカリカツイダベアが一旦距離を取って溜めを作って突進してきた。
あっ、マズイかも。ボクはガッチリガードしたが吹き飛ばされて体勢を崩されてしまった。
その隙を見逃さず追撃してくるマサカリカツイダベアの右の振り下ろし。
ギリギリのところで受け流して体勢を整える。だがマサカリカツイダベアはまた突進をしようと溜めを作っている。
そして気がついた。もう少しでスキルがレベルアップしそうだ。
と思うと同時に突進してきた。先程と違って来るのがわかっていれば吹き飛ばされはするものの体勢を崩す事なく受け止めれる。
二刀流スキルがレベルアップする。
レベルアップしてボクはすぐに異変に気がついた。防御力が倍の倍のヤバイ事になっている。
盾や鎧を装備すると基礎防御力というモノが上がる。普通なら盾を二つ装備したり、鎧を重ね着しても基礎防御力が上がるのは1番防御力の高いモノが反映される。火耐性や毒耐性などは鎧の重ね着で反映されるので、みんな鎧の下に耐性アップの服も着ているのが普通だ。
だから今までは盾を二つ装備していても基礎防御力が反映されていたのはアダマン鯛のウロコの盾の方のみだった。だが二刀流スキルが3にレベルアップしたら盾二つ分の基礎防御力が反映されている。
アダマン鯛のウロコの盾と果肉カニの甲羅の盾の基礎防御力を100とした場合、盾術スキル4の効果で4倍で400。それに二刀流スキル3の効果で3倍されて1200。今までの感じなら1200だと思っていた防御力が果肉カニの甲羅の盾の基礎防御力もプラスになるのが反映されて基礎防御力が200になったので一気に防御力が2400になったのだ。
レベルアップ前の防御力が800。1200にアップしただけでもマサカリカツイダベアの突進で吹き飛ばされる事はなくなるだろうと思っていた。それが2400まで上がったのだから今の防御力がどのくらいなのかは想像すら出来ない。
その異変に気付いたのかマサカリカツイダベアはモウヤッテラレナイヨと言っているかのように背中を向けて逃げ出した。
「ま、待ってよ。せめて一回攻撃してきてよ。一回だけでいいからお願い」
マーキングをしているからきちんと追いかければ逃げられる事はないのだが、一回だけでいいからお願いと言いながらマサカリカツイダベアを追いかける姿に気付いた時に追うのをやめてしまった。周りを見渡すと誰の気配もなかったのでこの姿を誰かに見られる事はなかったからちょっとホッとした。
さてと・・・明日になればマサカリブレードという新しい武器を持ったアラタさんがパーティーでさっきのマサカリカツイダベアを討伐するだろう。
この一週間マサカリカツイダベアも探しながら山を探索していたが新しく見つける事が出来なかった。
今日まではマサカリカツイダベアの探索と二刀流のレベルアップを優先していた。だが二刀流スキルもレベルアップした事だし、まだやっていなかった事をやってみよう。
七色サーモンに七色コガネを食べさせてみよう。そう思いボクは川の近くまで行った。




