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「詩と随筆」シリーズ

朝顔の時計。

作者: まいまいഊ
掲載日:2009/09/15

 朝顔の咲くところを見たことがありますか?

 実は、自分はあるのです。



 小学生の頃。

 学校のベランダで育てた朝顔。

 そして、夏休み中は家に持ちかえり、そのあとは、家で、朝顔を育てました。

(よくある、夏休みの観察研究です)



 朝顔を持って帰って来たとき、妹が「アサガオが開くところが見たい」と言い出します。

 好奇心が旺盛な妹です。


 朝早く起きるのが得意な自分は、妹のために起きようと、きめました。


「明日、いっしょに起きて見てみようね」


 明日の朝、起きるのがまちどうしく、なりました。


 しかし、朝顔の目覚めは見たことがなかったので、何時に起きたらいいのか、まったく見当がつきません。

 適当に、朝4時くらいに起きようと思いました。



 朝、四時に起きました。


 まだ夜の気配が残る街。

(夏なので、朝4時とはいえ、割と薄明かるかった)


 けれども、すでに朝顔はひらいていました。


「アサガオって、とっても早起きなんだなあ。今度は、アサガオに負けないくらい早く起きよう」


 次の朝、三時に起きました。


 星空。


 外はまだ真っ暗です。



 夏の夜の空気は、


 澄んでいて、湿っていて、


 静かで、遠くで音がして、


 月と星と黒い空が綺麗で、


 それでいて、何かが潜んでいそうで、



 子供心に、なにか、いつもとは違う世界の気配が、ちょっと、怖かった記憶があります。



 草木も眠っている丑三つ時。

 そんな時間に、妹と二人だけで、暗い庭に出るのは、心細かったので、 祖母を巻き込み、共に、庭へ見に行きました。



 どきどきしながら、朝顔の置いてある庭をのぞきにいきました。 

 まだ、朝顔は起きていませんでした。



 じっくりと朝顔と見ていると、花がひらいていくのが分かります。

 まるで、赤ちゃんが小さなしゃっくりをしているように、

 時々ピクッと動きながらひらいていきます。



 時間を縮めなくてもわかるのです!

 確かに、動いているのです。


 植物が動くと知った瞬間です。

 貴重な経験。




「なんで、太陽も出ていないのに朝に開くのかな」

 妹は言いました。


「アサガオは、時計をもっているんだよ」

 自分は、そう答えました。


「そうだね、まだ明るくならないのにひらくから、アサガオはぜったいに時計を持ってるよ」

 妹と、こんなような会話をしたことがあります。




 これ以来、夏は、日の沈んだ夜の世界に、ときめきます。


 空気、音、匂い、気配……

 夏の夜は、不思議が眠っています。



 枕草子ではありませんが、夏は夜です。

 月もいいし、闇も良い。朝顔も咲く。



 そして、この日の出来事のせいか、

 朝顔を見ると、いつも、このことを思い出します。



 朝顔は、時計を持っている……と。

 後にも先にも、植物を30分、40分と長い時間、凝視したのは、あの時だけかも……


 これは、実は、小学生の時に書いたもの。

 夏休みの宿題か何かで書いたもの。

 なぜか、その作文用紙が保管してあったので、多少書き直して、ほぼそのまま投稿(笑)

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― 新着の感想 ―
[一言] はじめまして。 朝顔が開くのを見るという小さなドラマを子どもになった気分で、どきどきしながら読みました。 とても素敵ですね。 朝顔は親しい花なのに、そういえば開く瞬間をじっと見つめた事はな…
2014/02/08 14:30 退会済み
管理
[良い点] 文章の素直さが最高に良いです。 [一言]  私も自由研究で朝顔の観察やりました。もう10年も前のことなのですが、このエッセイを読んでノスタルジックな記憶が甦ったような気がします。  いいで…
2009/12/20 21:08 退会済み
管理
[一言] はじめましてm(__)m 神秘的な内容に読んでいて思わず吸い込まれてしまいました。 朝顔の開く瞬間てこんな感じなんですね~^^ 他の作品も読ませていただきますね、頑張ってください☆
2009/11/30 23:34 退会済み
管理
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