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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔ガールズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。
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なろうラジオ大賞応募短編集

異世界転移したらチート賢者になるようなので、とりあえず真実の愛だけを応援してみた。

作者: 砂礫零

 異世界に転移したら、そこではリア充カップルがしっかりと抱き合っていた。


 とりあえず、チート賢者の能力で男の方に鼻血を噴かせる。


「きゃあっ」女はびっくりしてとびのいた。


「もうヒドい!」


 プンプン怒りながら去って行く女、その背に唾を吐く男。


 彼らには、メテオスファイアーをお見舞いしておいた。




 次の異世界に転移したら、そこでもリア充カップルがしっかり抱き合っていた。


 とりあえず、チート賢者の能力でお互いに離れられないようにしてやった。


 なぜなら彼らは同性・兄弟・年の差・不倫という、幾重もの禁忌と困難を乗り越えようとしている素晴らしいカップルだからだ。


 真実の愛。それは全てに優る。


 2人は、お互いにくっついたまま海に転落して、再び浮かび上がってはこなかった。


 しかしその魂は混じりあい1つになって天に昇っていったのだった。


 素晴らしい。




 また次の異世界に転移したら、またしてもリア充カップルがしっかりと抱き合っていた。


 リア充カップルはどこにでもいるんだな。


 少し悲しくなりながら、チート賢者の能力でお互いが最高に感じられるようにしてやる。


 なぜなら彼女らは、いかにもゆりゆりしい美少女2人だったからだ。

 文句なく眼福である。

 転移した時にスマホを置き忘れて良かった。

 危うく、賢者ではなく盗撮魔になってしまうところだった。


 そうこう言っている間にも、2人が人参をその手に持ったので慌てて再びチート賢者の能力を使う。


 ジャガイモにタマネギ、高級肉、カレー粉、調理セットを立ちどころに出現させてやると、2人は仲良く料理を始めた。

 うむ。やはり眼福である。


 真実の愛とは、お互いが生来持てるものを尊敬し、高めあうことなのだ。

 彼女たちがそれに気付くよう、チート賢者の能力をフル活用して神に祈っておいた。


 ついでに、3年以内に気付かなければ石化する呪詛も、かけておく。


 真実の愛があれば、乗り越えられるはずだからだ。




 最後の異世界に転移したら、そこでは、チート勇者が剣を振りかざしていた。


「待っていたぞ『次元の魔王』め」


「いや俺はただのチート賢者なだけなのだが」


「嘘をつけッ」勇者が吼える。


「リア充カップルを妬み、次々と酷い目に遭わせたのはお前だなッ」


 誤解は正さねばならぬ。

 チート賢者の能力で時を止め、真実の愛について説く。


 すると勇者は、潤んだ目で胸にしなだれかかってきた。


 困ったことに、チート賢者が愛を語ると、自動的に魅了効果を伴ってしまうらしい―――

チート能力の中にはハーレム形成能力も含まれるようです。


そんな無駄な能力を乗り越えて、勇者と真実の愛を築き上げるのか?

それとも「だましたなっこの魔王めっ」と勇者に成敗されるのか?

それとも異世界に行くのをやめて地道に暮らしそこで真実の愛を見つける※のか……


愛のキューピッドを自認する、チート賢者。彼自身の、真実の愛の行方は……?


続きが知りたい方はリクエストくださいねー。よろしくお願い致します。


※この場合、後追いしてきたチート勇者と泥沼の三角四角関係が展開される確率が30%です。

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― 新着の感想 ―
[一言] 感想欄も含め沢山笑わせて頂きました (∩´∀`)∩~♪ >チート能力の中にはハーレム形成能力も含まれる なるほど 〆(・ω・`)メモメモ
[良い点] 1です! [一言] やりますね! リア充滅殺公団への入団資格ありです! 今なら安全保障理事会の理事の座が空いております! リア充は滅殺だぁーー!
[良い点] 砂臥 環様の活動報告から参りました。 とても面白かったです。 チート賢者、でも最終的に何がしたい(笑)。 タダの迷惑なヤツにしか見えないですけど……まあそこが面白いんですけどね。 来られ…
感想一覧
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