表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妄想死体遺棄  作者: 元 降澪
5/5

おなら

 

 外は秋晴れで、近くの公園ではちいさな人たちが何を考えているのか、楽しそうに走り回っている。


きっと暖かいのだろう。上がった体温を調節するために汗腺からは無垢な水分が吹き出して、疲れたらあの大きな木の陰で、一休みするのだろうか。



 「なのにここはひんやりしていて、寒いね。」



 格子の間から見える景色に救いを求めたのもつかの間であった、自分の背後から嫌に優しげな声が呼びかけた。



 「ああ、寒い。寒いから出してくれ。」



 「それは無理だ。」


四度目の懇願も上手くはいかず、うなだれた今は、私がこの地下室らしき場所に監禁されてから一日と半日ほど経ったであろう頃だ。


 いつものように一週間会社に魂を献上した後、金曜日に花を咲かせて帰宅した次の日の朝。


責任が引っ張り上げてくれないから、重たい身体を深呼吸の息追いでぐいと持ち上げて、ルーチンである朝の散歩へと出かけた。


秋晴れらしい、しとやかで清潔な空気でいっぱいだった。そこらじゅうでかさかさ枯れ葉が風に踊らされて、冬を予感した。しかしどうやら生暖かい感じもして、なんだか変だなぁなんて、先週までの{いつも}と違う感覚を虫が知らせてきた。



つづく



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ