「You just wait2」
なし
殺風景な
ステージ上のスクリーンに
「第8回 異業種交流コンペティション」の
文字が華やかに浮かび上がる。
パワーポイントの文字が
やたらと動き
文字が踊っている。
周りではせわしく
黒いジャンバーを着た
何人もの黒服らが
準備に余念がない。
さも、失敗は我らにはない。
そう言いたげに・・・
このコンペは、
非常に注目を集めている。
ここ最近は、
未来の逸材を探す大会とも
いわれている。
いつのころからか
誰が仕掛けたか。
世間の注目が集まりだし
アワード受賞者は翌年
例外なく、ブレイクする。
まさに「先物買い」
売り手市場。
われわれテレビサイドでは、
その先物を誰がどのようにして
押さえるか。
主催者や、出演者に
どのように根回しをするかが
とても重要であり
なおかつ
それが問題である。
「さすが登竜門!」の
呼び声の高さをうかがわせる。
しかしながら、我々テレビサイドに
それがぎりぎりまで知らされない。
いっさいわからない。
直前まで、
誰が出演するか。わからない。
それゆえに、生放送はご法度。
公式サイトのみが
発表という厳重さ。
公式発表後をもって一斉解禁という
タイムラグ。
ちなみに、公式発表は、16時。
となるとさすがに、新聞媒体は間に合わず
はやくて次の日の朝刊。
その分、ネットは夕刻が大騒ぎ。
いやがおうにも期待感が増す。
さすがに、下半期
待望のネタ。大型新人の登場。
それゆえに
マスコミと思われる関係者の
多いこと。多いこと。
みんな、ライバル。
競合ぞろい。
無駄話をしつつ、
表面では、笑っているが
足の引っ張り合いが
たまらない。
もう、
私のような
マゾにはこたえられない
魑魅魍魎の世界。
おっといけない。
まあ我ら、
新しもの好きにとって
このコンペはかっこうのネタ。
お茶の間ワイドショー独占。
予想はしていたが、
これほどまでに
テレビカメラが多数。
うちも早く来てよかった。
一番撮影的にふさわしい
ホール中央、記者席に
MKテレビは
カメさんを筆頭に3台も陣取っている。
ホールは広い、
500人。いや1000人は、入るだろうか。
むかし、言ってたなあ
「広すぎるホールは、客との間が
取りにくい」
ある漫談師がそんなことを言っていたわねえ
突然、思い出す小ネタ。
そして
自分で自分に笑いそうになる。
まさに、おやじとしかいえない。
「あれから、はるばる数十年。
かつてのイケメンは今や・・・」
つい唱えてしまった。
なし