君へ
Dear 歩美
君も知ってると思うけど、俺はあまり会話が上手じゃないし、表現だって下手くそだ。
赤い糸なんてものは、適当な奴等が作った偶像だって思ってる。
けど、気づくのが遅かっただけなのかもしれなかったね。
衝撃的というほどでもなかったし、なんてことはない出会い方だったけれど、
でも、ずっと前から知り合っていたような、そんな感覚はあったんだ。
本当に、自分の命に代えてでも、大切にしたいって思える人と会うことができた。
早くから大人のフリをしてきた俺達が、子供の体験するために必要な時間だったのかも。
普段は仕事もしない神様が、気紛れにボタン一つをカチッて押したのかもしれないね。
そんな気紛れで、俺は君と出会った。
気が付けば一緒にいるのが当たり前になっていて。
くだらないことを何時間も話していたり、からかいあったり。
でも、どちらかが落ち込んだときや、体調を崩した時には、支えあったりもできていた。
お互いが、お互いの足りない部分を補うことができていた。
そう思うよ。
俺は俺なりに強くなれたような気がするけど、君はどうだったのかな?
足りない部分を補い合ったり、誰かのために強くなろうとしたり、変わりたいって願う。
俺達みたいな、出会い。
きっと、人はそれを『運命』と呼ぶんだろうね。