初恋は白かった
不思議な要素ありです(*´∀`)♪
僕は青年になって数年後。やっと初恋をしたーー
ある図書館で彼女に出会った。
雪のように透き通る肌のあなたは弱々しくて、脚立に足を掛けている所を目にしたとき、誤って落ちないかと心配で仕方がなかった。
そして胸の奥が暖かくなり、鼓動がバクバクした。
初めて抱いた想いは止まらない。
家で本に目を通すが内容が頭に入ってこない。
ただひたすらあなたの事を気になり、欲していた。
それからは図書館へ毎日通った。
当然、彼女がいるという保証もなしに。
けれど、また出会える。
ここに居ればまた訪れて会うことが出来る。
人生はまだまだ始まったばかり。
人生のピークを迎えた僕の体の中で花が咲き乱れていた。
図書館に着くや借りた本を手にしたまま彼女の姿を一目散に探す。
どこにいる。心配だ。今日こそあなたに会いたい。
走りが小走りになり、それは歩きになり、立ち止まる。
今日もいない。
もうあなたには会うことが出来ないのだろうか……。
そう暗い気持ちのまま、歩きだす。本棚を曲がり、視線を落としていた。すると、ふと目に白い紙くずが映る。
それは濃い赤色の床に落ちていた。
僕は彼女に会いたい気持ちでいっぱいで、それすらも彼女に見えた。
ゆっくり近づき屈んで紙くずに触れた時。
僕の手の甲に雪のように透き通るあなたの手が見えた。
驚き視線を上げるがそこには誰もいない。
温もりを感じなかった。
幻覚か。
僕は視線を落としてさっき紙くずがあった場所を見るが紙くずは無くなっていた。
もしかして、彼女はあの白い紙くずだったのだろうか。
その場で困惑する僕を見て、本たちは小さく笑っていた。
こういう短編も不定期でやっていこうと思います♪
ひとつばかりの星というものは不定期で連載しています。
よければ読んでみてください♪