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二人の国   作者: 扇子
始まり
16/26

河賊と異民族 その③

バレンタインデーですね。これ以上なにも言いませんけど。


今回は自信作。


深夜に書いたところもあるので誤字、落丁の可能性大です。


異民族編を終わらせるつもりだったんですけど思いのほか手が進みましていろいろ増やしちゃいました。あと1~2回続きそうです。(今回の話は5行程度で終わるつもりだったりして)


ゴメ族の主力は馬、ジュラ族の主力は歩兵だ、とバンキンからの伝令より聞いた。


偵察隊が小競合いをいくつか起こしているようなので敵は近いらしい。


「あとどれぐらいで着く?」


「はっ。2つか3つ山を越えますと盆地があり、その南側を本陣としています。その近くにありますのが例の鉱山です。」


「偵察隊はどう展開してるの?」


「同心円上に出しておりますが、難所難所が多くて中々範囲を広められずにいます。小競合いが起きているのは西側から北側にかけてなので敵本拠地の方角とは一致しています。」


「そっか。じゃあ、君は先に戻って河賊の人たちを集めておいてくれないかな。」


「わかりました。では。」


その後、ギルスは少し移動のペースを上げた。

――――――――――――――――――――――――――――――


「お久しぶりですな!ギルス様!」


「ん。バンキン、出迎えご苦労。異常はない?」


「異常はありませんが、リト族が勝手に鉱山で陣を張るものですから、これだけは勘弁してもらいたいところです。」


「ふふ、彼らには彼らのルールがあるのさ。好きにやらせておけばいい。作戦に影響がでないかぎりは。」



河賊(トーラニア軍):およそ2300

リト族 :およそ2000


ゴメ、ジュラ族 :およそ4000~6000


リト族の代表と話をつけたが、そんな教養のある民族にはみえなかった。ただ、技術力はすごいようで今回も砲を4機携えている。


こちらの装備や兵力、今の段階での相手の情報をまとめあげ、軍事会議を開いた。


「まずはバンキン。君の案が聞きたい。」


「はっ。えー、まず前提として、攻勢に回ることは避けたいですな。地の利や奇妙な戦術を使用しとります。それに盆地で叩いた方が有利かと思われます。ですので軍を展開した状態で待ち構えるのが良いかと。」


「なるほど。他の意見の人はいない?」


一人だけ手をあげているものがいる。

それはリト族代表の若い族長だった。


「我々は先手を求める。出鼻をくじくことは大事。」


(しゃべり方が変だなぁ、カタコト君よりはましだけど。)

「でも敵の本陣は分からないだろ?向こうが動くのを待った方がいいよ。そんときは頑張ってくれ。」


「むむむ・・・。」


彼は少々の不満を顔に出して着席した。



バンキン案が採用されて会議は終わり、厳重な警備態勢の中でトーラニアの兵たちは眠りについた。


リト族の者を除いて。

―――――――――――――――――――――――――――――

鉱山 リト族本陣



日の出前、まだ空は明るくない。


山の中腹に明かりが見える。


そこでは篝火かがりびの囲いの中、演説をしている若者がいた。それは会議に出ていた族長である。

周りには1500の戦士。500は遠くで聞いている。


トーラニアの者共に山の戦い方が分かるものか。

我々、リト族の戦士の強さは山脈一である!

他の者と共闘して勝利して真の強者と呼べるであろうか、いや、呼べまい!

よって我々は人の力で敵を潰し、真の戦士となるのだ!



戦士たちはトーラニアに気づかれては、と声は出さなかったものの、その意気は著しく、心は炎のように燃えていた。


山に沿って敵を探りつつ、歩を進めて行く。

迅速な対応が求められるので砲は置いてきた。


そのことが、功をなしたか一時間程で敵の本陣を見つけることに成功する。


「くくく。まさかこちらから攻められるとは思ってはいまい。一応、場所はトーラニアの者にも知らせてやるが、やつらに報がもたらされたときにはもう決着はついている!」


戦士たちの突入の準備は済んだようだ。


「連れてきた1500の戦士のうち、まずは500。敵が混乱し慌てたところ残りの1000で殲滅・・!・・・1000で殲滅・・、ぷっはは!」

族長は駄洒落好きであった。



「ふぅ。用意はよいな。・・・かかれ!!」



オオーーーッ!!

―――――――――――――――――――――――――――――

〈500side〉


戦士たちは本陣を囲む柵を軽々と越え、火をつけながら敵陣を荒らし回る。


敵も僅かだが応戦してくる。

しかし、勢いのあるリト族を止められていない。


「族長様の言う通り!敵は油断してたぜ!」


寝ぼけた野郎の顔を斧で斬り、潰す。


「ひゃっはぁ!食料庫じゃねぇか!食物は焼却だぁ~~!」


敵の兵糧も兵も焼き払い、大打撃を与えた。




そう思っていた。



『突撃!!』


「へっ!?騎兵!?・・・ぐわっ!」


突然、騎兵の大軍が襲いかかり、陣の奥に進んでいた者から順に一方的に殺されていった。


―――――――――――――――――――――――――――――

〈族長side〉


敵陣は火に包まれ、煙で空は黒く染まっている。


「くくっ。うまくいったようだな。よし、我々も突入するぞ。」


1000の戦士は待ってましたと言わんばかりに武器を構える。


「かかれぇい!!」


族長も自ら、敵を殲滅するため躍り出た。


戦士たちの顔は皆、狂喜と希望に満ち溢れていた。



しかし、その顔はすぐに後悔と絶望に変わる。



「なっ、なぜ!なぜリト族の戦士たちが!?」


敵陣に突入し奥へ行けば行くほど、あるのは死体だけだった。


「ぐっ・・・族長っ、お逃・・げ下さい・・・。」


ある者はそういって息途絶えた。


「まっ、まさか!気づかれていたのか!?」


周りをみれば、騎兵に手も足もでずに死んでいく戦士たちの姿が見えた。


リト族の戦士は騎兵などと戦ったことのある者は少ない。

無知ゆえに無謀。自分より長い得物に近づき殺され、逃げては追いつかれ殺されていった。


「リト族のクソ戦士め!これでも食らえ!」


正面より敵。


族長は若い、が騎兵の対策を心得ていた。


「ちっ、雑兵が!甘いわ!」


騎兵の武器の持ち手とは反対側に避け、斬りつける。

主を失った賢い馬はその場で止まった。


「これに乗っていけば、ここから脱出は可能・・・。」


それは生き残りの味方を置いて行くことに等しい。


「うわーっ族長様ぁぁ!! だぁっ!」

「なんで武器が相手に当たんねぇんだ!?」

「くっ、来るなっ!!ぐふぁっ!」


まだ生きている者はすぐ、殺されていく。


(族長として、いいのか!?見捨てるなど。)


族長、お逃げ下さい。


涙を流し死んだ戦士を思い出す。


「かっ、彼のためにも、リト族のためにも。俺は!俺は・・・生きねばならんっ・・。」


言い訳がましく、仕方ない様に。

(真の戦士のすることではない!!)

そう思いながらも、体は馬に乗り走らせていた。



戦士、1400の魂は還った。

残った100の戦士の体に傷のない者はいない。



‘リト族、敵本陣に突入’の報せを聞いたギルスは持っていたペンを握り潰し、本陣を前に進めて鉱山よりも前にでた。

毎日毎日見てくださりありがとうございます。

このごろ1日も観覧者が0人になったことはございません。

(1桁台ばかりはさみしいけど。)


今回はちょくちょくネタを挟みました。

(駄洒落とか世紀末のあの人とか)

最後のところも

戦士が1400人戦死した。とかにしようとしていたときがありましたが、これはいかん(遺憾)と思い変えましたww


次回もバリバリ戦闘回!よろしこ!

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