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二人の国   作者: 扇子
始まり
13/26

食客ソゥ

やっとできた。

書き直して書き直したものですので、書いたときの僕の気分の違いが表れてるかもしれませんがご了承ください。

「内政官が20数名、痛い。早速仕事が増えてしまった。普段は絶対ないがギルスにも回してやりたいぐらいだ。」


処罰された人間の精神は腐っていても、ある程度の仕事はしていたようで仕事がこちらに回ってきた。

全体で20数人分の仕事が増えたのだ。内政のトップであるアランのもとに回る仕事も少なくはない。


「いや、ギルスも軍の方で手がいっぱいだそうだから、おあいこになるか。」


一応、人材確保のために様々なところに勧誘を行ったが結果は2~3人が基準を満たすかどうかだった。



「・・・駄目だ、はかどらん。農村視察の件を先に終わらすとするか。気分転換にもなる。」


―――――――――――――――――――――――――――――


トーラニア王国 首都 トルギス郊外


首都であるトルギスは、王都と比べると小さい城壁に囲まれていて東西南北に一つずつ入り口がある。


そこへ一人の旅人が西門へと向かっていた。


「トーラニア王国ってゆーのはまだまだ田舎やなぁ。首都の門の近くに茶店もないんかー。門、くぐったらなんかあるかな。」


王都からここまできたこの男の名は「ソゥ」。

王に弟子たちを登用してもらうために王の館を目指していた。



この前の戦い(王都では討伐戦と呼ばれている)の後とあって審査は厳しいものではあったものの難なく通ることができた、が


「あれ・・何もないやないか!」


城門を抜けるとそこは更地であった。


「いや、違うか。」


地面にはロープで線が引いてあり、看板が立っている。


(これも、あっちも、ここの土地も買い取り済みやな。)


「これから発展するわけか。・・・へぇ、ここは新聞社が建つんかーってこれグラン・タイムズ社やないか!今まで王都に引き篭もっとったくせにトーラニアへ手を伸ばすとは、いかにもワケ有りって感じするわー。」


そこでソゥは自分が茶店を探していたことを思いだし、場所を聞くために門番のところまで戻る。


『ここからしばらく歩いたところに農村がある。そこに茶店があったはずだ。』



そう言われ、しばらく進むと無事に農村に着いた。


「おう、兄ちゃん。茶店がどこにあるか知らんか?」


「そっ、それならここを真っ直ぐ言ったところにある・・」


「ほんまか!あんがと!」


「あっ、今は!・・・行ってしまった。」



村人の様子が少しおかしかったが、そんなことを気にするまでもなく一直線に茶店に向かう。


―――――――――――――――――――――――――――――


城壁近くのある村


「中央の者だ。村長はいるか?」


アランは数人の家来を連れ、ある村を訪れている。


突然の訪問に村人たちは驚いているが、すぐに村長は前に出た。


「私がこの村の村長をやっとるものです。こんな村に今日は何のご用でしょう。」


「いや、今日はただの視察だ。すぐ終わる。」

(・・・まぁいいさ。いずれ、な。)



軽く田畑や水路、村の家々の様子をみたが特に異常はみられない。


「ふぅ、喉が乾いたな。茶店はあるか?」


「ありますよ。こちらです。」


連れられて茶店につき、飲み物を注文する。


一息ついていると、


「おぅい。なんか飲みもんくれー。」

―――――――――――――――――――――――――――――


店には入ると先客がおった。

格好から見て、身分の高い人物やろう。

雰囲気も他のやつと全くちゃう。


「先客か。君、偉い人?こんな村に視察かいな。」


ソゥはわざと馴れ馴れしく近づき、トーラニアの中央のことについて聞き出そうと試みた。


しかし、結果は得られず、逆に尋ねられた、。


「あんたはなんでトーラニアに来たんだ。新聞ぐらい見るだろう、今は危ないぞ。」


「なに、王都で人材育成の塾をやっとったんやけど、弟子たちがグランスタで働くよりこっちで働いた方が未来が、可能性があるかな と思たわけや。もうすぐこっちは人手不足になるはずなんやけど、君はなんか聞いてないか?」


―――――――――――――――――――――――――――――


人手不足になるはず。


確かにこう言った。

その瞬間、俺は警戒を強めざるを得なかった。


「なぜわk・・」


「お待たせしました。飲み物と・・こちらはサービスです。」


なぜわかる と言おうとしたとき、店員が飲み物と、頼んでいないつまみになるような食べ物をもってきた。


「うまそうやな。この料理にかかっとるのはなんや。」


「こちらはこの村の名物でして、この村でしか味わうことのできない調味料を使っております。」


旅人はこちらをみて何か伝えようとしているが無視する。


(この村の名物が。)

「おい。あんた食べてみな。」


「えっ。ど、どうしてです?」


店員は狼狽うろたえた。


「おそらく危ない調味料・・・なんだろう?」


分かりやすく汗を顔に浮かべている。


「お、お客様のものを食べるなど・・・。」


「へぇ。じゃあ、俺たち食べへん。どうや?」


旅人は席をたつ真似をする。


「あっ、あっ、あっ。たっ、食べます!食べますよ!」


ガタガタ震える手で料理の一部を口へと連れる。


(パクッ)


「ど、ど ど どうですか?」


店員は無理に笑顔を維持しようとし、


「これで・・この料理を食べて、いただけま・・・・す、すぅ・・かっ」


(バタン)


倒れて痙攣しながら尿を漏らし、白目を向いて泡と血を噴いた。


「うー、こわこわ。やっぱり毒入っとったんか。」


「これで確定だな。村長!どこでこの毒を手に入れた!」


見るとすでに連れてきた家来たちに拘束されて地に足をつけている村長の姿が見えた。


「さ、最初からあなたは分かっていたな!この村に何かがあるということを!」


「当たり前だ。でなきゃこんなところまで俺が来ると思うか。」


「一体・・・一体、何者なのですか!」


「俺はアラン。王補佐をしているもんだが?」


―――――――――――――――――――――――――――――


なんやて!?王補佐!?


「あんた・・そないに偉いやつやったんか。」


ソゥはそんな人物から情報を聞き出そうとしていた自分がとても滑稽に思えた。



村長を捕縛し、この案件が終わったのを見計らったソゥはアランの前に飛び出した。


「頼む!弟子たちを雇ってくれ!話は今さっきした通りや!」


「あんたは確か・・えー。」


「ソゥ、ソゥや。弟子たちはそれぞれの方向に賢いやつばかりやからきっと役に立つ!頼む!」


地べたにしゃがんで頭をつける。


「頭をあげてくれ。その弟子たちは何人なんだ。」


「一応、準備させてんのは20人ほどやけども。多いか?」


「そんなにいるのか!?いや、願ってもない!こちらも今は人手不足で困っていたところだ!是非来てくれ、とこちらからお願いしたい!」


「ほんまですか!あぁ、よかった。」


「こちらからも、一つだけ。こちらが人手不足であることを見抜いたあんたにも手を貸していただきたい。それならお弟子さんは受け入れる。」


「・・・俺か。すんませんけど、俺だけは正式に雇うのはやめてもらいたい。ただ、食客としてなら。」


「食客か。なぜなんだ?」


「それは・・・いずれわかる。けど、今はな。すんません。」


「分かった。それで手を打つ。」



こうして、数日後に弟子たち一行がトーラニア王国に来ることが決まり人材確保ができたわけなのだが、次の日に王都でグアニスとキョウジの協定が結ばれたとの情報が入った。

食客とはなにか。


それは働く居候である。


ウィキなどで調べてもらったらもっと分かりやすいはずです。



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