虚空鉄道
15.6.26 推敲(1連~4連)大意変わらず。
15.6.26 推敲(1連~4連、最終連)
15.6.26 推敲(1連、6連)
虚無の夜空へと
レールを離れ
斜め上に 真っ直ぐに
鉄道は地上を離れ
遥か下に
賑わう明かり
流れてくるリズム
窓からは
雲間の半月の顔が
見守っている
吹き込んできた
銀河風が誘う
真空の闇に
何処までも吸い込まれて
星座の輪郭
子熊の無邪気
白鳥の飛翔
蠍の燐光
星の海原を越えて
今日と明日と
今日と昨日を
結ぶ直線を行く
停車したのは
虚空と現実の
中間点の駅
断絶を結ぶ
見えないレール
さよならを
追うのではなく
縋るのでもなく
繋がりを見つけた
消滅することのない
形の無い在り様
墨一色の闇から
力強く響く
鉄道の汽笛
わたしの奥底に木霊する
震えるような
目覚ぬ眠りの中
青く光る
わたしを乗せて
虚空鉄道は走る
デネブ行き始発
アンタレス経由の遥か遠い旅へと
お読み頂いてありがとうございます。