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たい育  作者: 鈴神楽
10/67

愛し合う者と恋を抱く者達

恋愛を司る神名者、蛍桃瞳。彼女とヤオが一緒に関った事件です

 ミードス大陸にある演劇が盛んな町、タリアの町



「ねえ聞いてよ、ヤオ」

 その声がおもいっきりピンクしている少女の言葉に、その前に座っていたヤオが大きく溜息を吐く。

「ケイト、もう少し落ち着いて話せない?」

 髪と瞳の色が蛍光ピンクなんて非常識な少女、恋愛を司る神名者、蛍桃瞳ケイトウドウが夢見る瞳で答える。

「この思いは、止まらないのよ」

『いつも思うんだが、こいつは、本当に神名者か?』

 足元に居る白牙にヤオがもう一度溜息を吐いて言う。

「正真正銘の神名者で、こと恋愛に関しては、自分の事以外は上手く行かせてるよ」

『そこが不思議なんだが、なんで恋愛を司る神名者が連続失恋記録を持っているんだ?』

 その一言に、蛍桃瞳の視線が白牙に突き刺さる。

「白牙、口には、気をつけなさいよ。あたしは、失恋してる訳じゃないの。相手の事を思って引いてあげてるのよ! 健気なあたし」

 そのまま、惚気話を続ける蛍桃瞳であった。



 舞台が演じられている劇場の外でヤオが欠伸をしていると白牙が質問再開する。

『さっきの質問の続きだが、何で蛍桃瞳が失恋するんだ? 戦いを司るお前は、戦いに負けないし、ギャンブルを司る金海波もギャンブルでは、必勝だ。だったら奴も失恋などしない筈じゃないのか?』

 ヤオは、蛍桃瞳が現在、惚れている男性役者が出演する演目のポスターを見ながら答える。

「そこが面倒な話しなんだよ。ケイトは、他人に惚れてる男性にしか恋しないの。そして、ケイトの能力は、恋の成就。ケイトが近付きその影響力が出たところで、相手の恋が達成する為、自然と失恋した事になるの。そういうあちきだって、相手が正しい戦いをしている場合は、勝つのは、難しいよ」

『神名者故の束縛と言う奴か?』

 白牙の答えに頷くヤオ。

「そういった束縛に対応する為に神名者や神は、使徒を持つの。ケイトの場合、使徒を見栄えだけで選んでるからあまりそういう役にはたってないけどね」

 そんな話をしている間にも演劇が終わり、蛍桃瞳が出てくる。

「今日も、カイトさんカッコ良かった」

「良かったね。所であちき達がこの町に居る理由を覚えてる?」

 蛍桃瞳が極々当然な様子で答える。

「そんなの新しい恋の前では、無意味よ」

『始めてみたぞ、お前以上に神名者としての自覚が無い奴』

 白牙の呟きも聞こえない様子で、出口に駆けて行く蛍桃瞳を見送りヤオが言う。

「とにかく探しますか、人に恋して、逃亡した使徒を」



 問題の起こる数日前、ヤオの元に蛍桃瞳が現れた。

「真名様から命令よ」

 蛍桃瞳の言葉に眉を顰めるヤオ。

「いきなりだね」

「とにかく、タリアって町に仕える神を裏切り、逃亡した使徒が居るの。早く見つけて、処罰を下すって言うのが今回の命令よ」

 蛍桃瞳の言葉にヤオが投げやりに言う。

「使徒が辞めたいっていうんだったら辞めさせればいいじゃん。力の供給さえ、しなければ元の存在に戻るんだから」

 蛍桃瞳は、肩を竦めて言う。

「何でもその使徒は、仕える神が生み出した神器を持って逃げたみたいよ」

「ふーん、それでそれってどんな能力があるの?」

 ヤオが大して気にした様子も無く聞くと、蛍桃瞳もさらりと答える。

「人の寿命を操る能力を持った神器らしいわ」

 さすがにこけるヤオ。

『人の寿命を操る神器など、何で盗まれる?』

 ヤオが復活する前に白牙が質問すると蛍桃瞳が答える。

「元々、彼女に預けていたみたいよ」

 ヤオは、頭を抑えながら言う。

「まさかと思うけど、その神様ってその使徒と恋愛関係あった?」

「あたしの見立てでは、神様が一方的に恋愛感情を持ってた感じね」

 蛍桃瞳の回答を聞いてヤオが頬を掻く。

「処罰しろって命令だけど、他に通達は、無かった?」

「うん、問題の神様から意地でも連れ帰って来いって」

 蛍桃瞳の言葉に呆れた顔をしてヤオが言う。

「なるほどね、だから戦いを司るあちきと恋愛を司るケイトが選ばれる訳だ」

 頷く蛍桃瞳。

「言い方は、悪いけど復縁狙いだね」

『主神からの命令だ、従わないわけには行かないがどうする?」

 白牙の質問にヤオが肩を竦めて言う。

「取敢えず、タリアの町に行きますか」



「現地について直ぐに、演劇のポスター見たケイトが、カイトって役者に一目惚れするとは、さすがに想像しなかったよ」

 ヤオは、軽く町を警戒した後、演劇の行列目当ての屋台で買ったジュースを啜りながら言うと白牙が呆れきった顔で言う。

『想像できたらそっちのほうが問題だ』

 ヤオは、やる気零になりながらも、お義理程度の目視捜索をしていると、目の前を、周囲を探りながら移動する、美女が通り過ぎようとしていた。

『あれってもしかして問題の使徒じゃないのか?』

 白牙の言葉に、念のため、多次元視界を広げて確認するヤオの目に、使徒特有の主とのエネルギーラインが捉えられた。

「ビンゴだけど、もう少し隠蔽作業ぐらいして欲しかったな」

 酷く疲れた口調で呟いた後、その美女に近付く。

「逃げないでくれると助かるんだけど」

 声に驚きヤオを見る美女。

 最初は、声をかけられた驚き、次に相手が少女である安堵、最後に内存する力の大きさに恐怖する。

「あちきは、正しい戦いの護り手、八百刃だよ。逃げるだけ無駄だと言っておくよ」

 美女は、それでも駆け出す。

『追いかけないのか?』

 白牙の言葉にヤオは思いっきりやる気が無い顔で言う。

「正直、やる気無いから放置しておくって選択肢選びたいなー」

『賛成したいが、あいつが持ってる神器、本気でやばそうだぞ』

 白牙の言葉にヤオも頷く。

「さっきの確認の際に見たけど、使徒レベルに扱える神器じゃないね。仕方ないから追いかけるよ」

 軽い跳躍で、塀に飛び移ると、直ぐに人ごみを必死に走っている美女を追いつき前に出る。

「取敢えず、神器をだしなよ。それは、貴女レベルが使えば、下手すると滅びるよ」

 その言葉に美女が首を横に振る。

「引けません。これは、あの人を救う為に必要な物です!」

 断言する美女が必死に神器を庇うと困った顔をするヤオ。

『どうした? さっさと確保しないのか?』

 白牙の言葉にヤオが頬を掻きながら答える。

「正しい戦いの気配がするから邪魔するのは、ちょっと信義に反するんだよね。取敢えず事情説明してくれる?」

 ヤオの意外な言葉に美女が戸惑いながらも説明を始めた。



「あちきは、今回の仕事を放棄したいよ」

 白けきったヤオの言葉に、白牙が言う。

『主神からの命令無視をして良いと思ってるのか?』

 ヤオは、あさっての方向を見て言う。

「言い訳なんて幾らでも出来るよ。実績あるしね」

 本来は、消滅させられてなければいかなかった白牙が口篭る中、美女、生命を司る神の使徒、清流髪セイリュウハツが頭を下げる。

「ご迷惑をおかけします」

 ヤオは、問題の神器を弄りながら答える。

「神様に無理やり子作りを強制されて嫌なのは解るし、好きな男の寿命を伸ばす為に、神の神器を盗んだ理由も理解できる」

 ヤオはここで一度言葉を切り、清流髪を強い目で見てから答える。

「それが、生命を司る神の使徒として、一番やっては、いけない事だと理解してる?」

 清流髪は、頷く。

「はい。自分勝手の思いで、人の寿命を操作するのは、他の使徒ならともかく、私がやっては、いけない事です。でも、彼の早すぎる死を認める事は、出来ないのです」

 ヤオは、神器を投げ返す。

「罪を知りながら行う以上、罰は、覚悟しなよ」

 清流髪が頷くしか出来なかった。



「カイトさんの舞台って最高なの」

 宿で蛍桃瞳が夢見る瞳で呟くとヤオが淡々と言う。

「彼は、一週間以内に死ぬ予定だよ」

 蛍桃瞳が驚き詰め寄る。

「どういうこと!」

 ヤオは、平然と答えた。

「簡単に言えば、問題の使徒、清流髪は、その能力で、彼の寿命を測ったら、そうなってた。ついでに言うと、問題の神器もそれを回避する為に持ってきたって」

 その一言に蛍桃瞳が言う。

「会ったの? どうして掴まえないの?」

 ヤオが肩を竦めて言う。

「神器は、多分暴走しない。神の力を使えないというだけで彼女自身は使い慣れてるからね」

 問題の神器の使用法を悟った蛍桃瞳が言う。

「じゃあ代わりにその使徒が滅びるのね?」

 頷くヤオに蛍桃瞳が満足そうに言う。

「丁度良いわね、カイトさんの寿命を伸ばす為に罪を犯した使徒が滅びる。処罰も任されてるから責任問題にもならないし、それで行こう」

 嬉しそうに呟き、お風呂に向かう蛍桃瞳を後目に白牙が言う。

『本当にそんな単純に済むのか?』

 ヤオがお風呂に向かった蛍桃瞳を見ながら言う。

「ケイトが居るから解らない。もう一波乱ぐらい起こると思う。第一寿命が尽きる理由が、あちきが見る限り、肉体的な物じゃないからね」

『運命の寿命が尽きる時と言う事は、事故もしくは、殺害って所だな。お前が言うとおり、面倒な事になりそうだな』

 白牙の言葉にヤオが頷いた。



「カイトを殺せ!」

 その言葉にその弓を持った男が頷く。

「依頼は必ず達成する」

 弓を持った男の名は、コーケイ。

 名の知れた戦士であり、暗殺者であった。

 彼は、弓矢の達人で、戦場では、多くの敵兵の命を奪い、平時には、遠方からの矢での暗殺を行っていた。

 彼がそれほどまでに仕事をするのには、理由があった。

 彼には、年老いた母親が居て、その治療の為に莫大な治療費が必要であったのだ。

 しかし、彼の努力は、無駄に終った。

 治療は失敗し、彼の母親は死んだ。

 その通知を受けた後、彼に残ったのは、借金と殺しの依頼だけになった。

 彼は、母親の死という現実から逃れる為に、淡々と仕事をこなし続けるのであった。

 そんな彼だが、たった一つだけ生きる希望があった。

 彼は、ターゲットの行動を観察する為、度々劇場に訪れた。

 その時、一人の女性と巡り会ったのだ。

「カイトさん!」

 必死に手を振るその女性は、不思議な髪と瞳の色をしていたが、人間とは思えない高貴なオーラを放っていた。

 母親の治療をする事しか頭に無かった彼は、恋愛などした事も無く、女性に好意を持つことも無かった。

 しかし、その女性だけは違った。

 その女性の顔を思い浮かべるだけで彼の心臓が激しく脈打ち、落ち着かなくなるのだ。

 そして、今日もコーケイは、ターゲットを確認すると言い訳をしながら劇場に向かう。

 そこで、彼は、見てしまった。

 周りのファンから押されたカイトが、彼が恋焦がれる女性を押し倒す所を。

 顔を赤らめるその女性と、済まなそうに謝罪するカイトを見て、コーケイは明確な殺意を覚えた。



 カイトは自宅に戻ると大きく溜息を吐いた。

 舞台俳優として、体を鍛えていた自分が、ファンの女性に押されて倒れる、失態を犯したからだ。

「セイ、君は、何処に居るんだ?」

 寂しげに呟くカイトは、自分達のポスターを書いている絵師に無理を言って描かせた自分と恋人の姿画を見る。

「君が、僕の前から消えてから、僕の胸には、大きな穴が空いている。この穴は君以外には塞ぐ事は出来ない」

 崩れるようにベッドに横になるカイトであった。



 その日の朝、ヤオは、宿から出てくる清流髪を見ていた。

「今日なの?」

 小さく頷く清流髪。

「ここまで時期が来れば解ります。今日の舞台の後、あの人の寿命は尽きます。私は、尽きた寿命を、神器を使って補い、そして消えていきます」

 その言葉にヤオは、肩を竦めて言う。

「好きにしな。万が一生き残っても、あちきが貴女を殺す事になるけど良いね?」

「お手数おかけしてすいません」

 本当に済まなそうに頭を下げる清流髪。

 そして、清流髪は、自分の死に場所に向かって歩き出す。



 コーケイは、カイトがあがる劇場の出口が見える、遠方の建物の屋根の上に居た。

 常人では、人物の判断も不可能なその場所を睨みつけ、長い年月で培った感を最大限に引き出し、自分のターゲットの到着を待った。

 ざわめきが起こり、カイトが劇場の出口から出る。

 コーケイは、己の弓を限界まで引絞り、矢を番える。

「お前の様な、女の敵は、死してその罪を償え!」

 コーケイの放った矢は、放物線を描きながらも、見事にカイトの胸に向かって飛んでいく。

 それに最初にアクションを起こしたのは、清流髪であった。

 元々何かしらの事故や危害がカイトに加わる事を予測していた為、反応の早かった。

 しかし、彼女は、神器の存在など忘れて、矢の前に立つ。

 カイトが驚きと共に、矢の存在に気付き、慌てて清流髪を庇おうとする。

「カイト!」

「セイ!」

 二人とも抱きしめ合い、コーケイの放った矢が、二人を貫こうとした。

「あちきは、正しき戦いの護り手だからね」

 二人を貫こうとした矢を左手で掴んだヤオが右手を白牙に向ける。

『八百刃の神名の元に、我が使徒に力を我が力与えん、白牙』

 白牙が、投擲用の槍に姿を変えてヤオの手に収まる。

「行け!」

 ヤオが放った白牙の槍は、遠く離れたコーケイの弓を粉砕する。

「八百刃様」

 振り返る清流髪にヤオが告げる。

「最終的にはあちきが止めたけど、これは、貴女が呼び込んだ問題だよ、それが何を意味してるかくらい解るよね?」

 頷く清流髪。

「解っています。人の寿命を変えた私に罰が与えるのですね?」

 ヤオは清流髪の方を向く。

「死ぬ筈の人間を己が欲望で延命する、人の生命を司る神の使徒である貴女が決して犯しては行けない禁忌を犯した。神器を持ち出した事も含めて、重罰を避けられないよ」

 その言葉にカイトがヤオを睨む。

「セイ、何なんだ、この娘は!」

 清流髪は、慌ててカイトを庇う位置に移動して頭を下げる。

「すいません。カイトは、何も知らないのです」

「偉そうにそうに、罰とか何とか言っていたが、そんな物をお前が受ける必要は無いだろう!」

 いきりたつカイトを宥めるように清流髪がいう。

「この御方は、正しき戦いも護り手、神名者、八百刃様です。罪を犯した私を罰する為にいらしたのです」

「どんな偉くて、セイがどんな罪を犯したかは知らないが、お前は俺が護る!」

 強くセイを抱きしめるカイト。

 しかし、ヤオがセイの体に掌を当てて大きく体を揺らすと、カイトだけが弾き飛ばされる。

「ヤオ、カイトさんに何するの!」

 ファンに紛れ込んでいた蛍桃瞳が文句を言ってくるが、ヤオは無視してセイに告げる。

「貴女の罪は、死罪に値するから、刑の執行を行うよ」

 清流髪は、少しカイトを心配そうだったが肯定の意味を示すように頷く。

 ヤオは、服の胸を開く。

『八百刃の神名の元に、罪犯せし使徒に裁きとして、全ての力を断ち切らん』

 ヤオの胸に『刃』の文字が浮かびあがり、清流髪の体が大きく震えて倒れる。

「セイ!」

 カイトが立てない体で、無理に這って清流髪に近付く。

「目を開けろ、セイ!」

 カイトが手を伸ばす先で清流髪の目を開ける。

「私は、どうして生きているのでしょうか?」

 驚いた顔をするカイトにヤオが答える。

「単純な死罪であがなえるほど軽い罪じゃないからね。神の使徒だった貴女にその全ての力を奪い、人として苦しみ死ぬ重罰を与えたよ」

 清流髪が全ての力を奪われて上手く動かない体でヤオの方を向き言う。

「本当にそんな罰でよろしいのですか?」

 ヤオは、蛍桃瞳を見る。

「清流髪がこの罰を軽く見てるけど、どう思う?」

 蛍桃瞳は、不服そうな顔をしながらも答える。

「死ぬ何倍も苦痛でしょうね。きっと貴女は、カイトを怨む事になる。永遠の生と強大な力を失わせた原因をね」

 清流髪は、その言葉にカイトを見る。

 その瞳には、大きな不安があったが、カイトが力強く告げる。

「好きなだけ怨んでくれ。でも俺は、誓う。お前が死ぬ時には、幸せだったと思えるような人生をおくらせることを」

 清流髪、セイは、カイトと抱き合って言う。

「私は、カイトと共に生きます」

 二人に周りの人間が祝福する中、一人悔しげな顔をする蛍桃瞳が居た。

 そしてそんな蛍桃瞳を見るコーケイが呟く。

「仕事を失敗した。しかし俺は、目的を見つけた」



「あたしは、新しい恋を探す!」

 食堂で自棄食いをする蛍桃瞳を見ながら、ヤオは、払いを全て蛍桃瞳に回すつもりでお弁当を頼む。

「シェフお勧め、オムレツランチボックスお願いね」

 足元、白牙もヤオとだけだと食べられない、高級食材を使ったサラダセットを食している。

 そんな場所に、コーケイがやって来て土下座をする。

「蛍桃瞳様! この私をどうか、貴女の下働きとして仕えさせて下さい」

 意外な展開に戸惑いながらヤオが尋ねる。

「いきなりだけど何で?」

 コーケイは揺ぎ無い思いを持って答える。

「美の女神とも思えるそのお姿。そして、例え自分が思っていても、相手の気持ちを重んじる恋愛を司る神名者としての強い信念。私が、一生を懸けるべき御方と考えての事です」

 その言葉に蛍桃瞳が胸を張る。

「当然ね。貴方は、見る目があるわ。特別あたしの下で働く事を許してあげます」

「ありがたき幸せ!」

 平伏するコーケイを見てヤオが呟く。

「絶対、あいつは、苦労するよ」

 それに対して白牙が横を見てぼやく。

『俺よりましだろうがな』

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