17-54.エピローグ
※本日2話目です。未読の方は前話「17-53.平和な世界、そして――」を先にご覧下さい。
「おはよう、メタボ氏はどこ?」
「メタボさんなら朝メシを食べてくるって言って、コンビニに行ったわよ」
「そっか、ありがとう」
ゲーム開発も終盤のせいか、泊まり込んでいる社員が多い。
そろそろ労基に怒られそうだ。
『新世紀2013年3月3日のお昼のニュースをお伝えします』
会議室の大型モニターからニュースキャスターの声が聞こえる。
あそこで朝メシを食べている連中が流しているようだ。
『先月から国会で議論されていた異世界エランシャスへの救済が可決されました。議会での合意を得て、勇者府は亜神である犬勇者ポチ様の派遣を決定、早くも本日中に第七ゲートから出立されるとの事です』
ニュースを聞きながら、PCのスイッチをオンにする。
『こちら第七ゲートのイリナ・ムーノです。ゲートには既にカリオン神とウリオン神によって神力が注がれ、いつでもアクティベートできる状態になっています――あ! 来ました! 犬勇者ポチ様です! ポチ様! 今のお気持ちをお願いします!』
テンション高いアナウンサーの声に振り返ると、モニターの向こうで犬人の娘がぴょんぴょん跳ねながら大きく手を振る姿が映っていた。
『こちらに気付いて手を振ってくれています。相変わらずの愛くるしいお姿に、我々取材陣もめろめろです』
言葉の途中で、映像の中のカメラが一斉に動いた。
それに少し遅れてモニターがアングルを変える。
『猫忍者タマ様です! 今回は出撃がないはずなので、妹神であるポチ様の激励にお見えになったようです。あっ、ポチ様と抱き合った後、二人一緒に手を振ってくださっています』
アナウンサーの子も必死に手を振り返している。
きっと彼女は二人のファンなのだろう。
しばらく見ていると、映像がスタジオに戻った。
『お二方とも気さくですね』
『関係筋の話では、異世界大戦の英雄リザ・キシュレシガルザ様が合流されるという噂もあるそうですよ』
『それはすごいですね。神話の時代の再現のようです』
年配の女性キャスターと若い男性アナウンサーがそんな会話をしている。
「音量が大きいわよ。そろそろボリュームを絞りなさい」
「「「す、すみません、橘部長」」」
鬼総務に怒られた会議室組が、這々の体で自分のデスクへと戻っていく。
「イチロー先輩~、バグが取れない~」
「後輩氏が呼んでるよ、サ――スズキ氏」
いつの間にか朝メシから戻ってきていたメタボ氏が、遠くのデスクからオレを呼ぶ娘の方を指し示す。
「こっちの打ち合わせが済んだら手伝うから、メッセでバグの概要を送ってくれ」
「うん、ありがとー!」
「こっちは後でもいいのに」
後輩氏の用件を後回しにしたせいか、メタボ氏がノームらしい樽腹を揺らす。
「そういうわけにはいかないよ」
次のゲームの大切な打ち合わせだしね。
メタボ氏や主要メンバーを集めて会議室へ向かう。
「それでスズキ氏、神楽社長へのプレゼンは通ったんでしょ? 新しいゲームのタイトルは何?」
オレは企画書をメタボ氏に見せる。
「『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』だよ」
※「デスマーチからはじまる異世界狂想曲(web版)」はこれて一先ず終劇となります。
書籍版や漫画版はまだまだ続きますし、web版も不定期に「こぼれ話」や「後日譚」、サトゥーの一人称では分からない「舞台裏」などを順次執筆していきたいと思います。
長くなりそうなので、作者の作品完結に関する想いは活動報告「デスマ完結しました!」をご覧ください。
最終回までご覧いただき、誠にありがとうございます!
デスマを愛読してくださった読者の皆様に、最大級の感謝を!!!
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2020年3月10日に書籍版「デスマーチからはじまる異世界狂想曲」19巻が発売予定です。通常版の他に、シリーズ初のドラマCD付き特装版も発売される予定です。早売りのお店ではすでに並んでいるようです。詳しくは活動報告をご覧下さい。







