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デスマーチからはじまる異世界狂想曲( web版 )  作者: 愛七ひろ
第十六章

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16-64.パリオン神国、再び(3)

※2018/9/21 誤字修正しました。


 サトゥーです。完璧に組み上げたプログラムが、テスト時にバグを大量に出すのはよくある事です。むしろ、テスト時にバグを出さないプログラムほど、やばいバグを内包しているものなのです。





「うわぁああああ」

「なんだ、コイツ。なんで増えてるんだ」

「――ちっ。ユウキ! 魔法で押し飛ばして」

「むぅりぃ~~~」


 部屋を埋め尽くす勢いで増殖する魔王リッチの群れに、勇者達がパニック状態だ。

 勇者の従者達は何かしようと詠唱を始めていたが、それが終わる前に、津波のような魔王リッチの群れに飲み込まれるのは確実だろう。


「メ、メイコなんとかしろぉおおおおお」

「うるさい、ユウキ。多数の敵はあんた向き」

「そ、そんな事より、逃げないと――」


 一旦、勇者達を連れて安全地帯に移動した方が良さそうだ。


 魔王リッチに都市核を渡すと面倒な事になりそうなので、都市核は多重結界で覆って、自己防衛に徹するように指令しておく。


 オレは直上方向に土魔法の「自由採掘(フリー・マイニング)」で坑道を掘り抜き、「理力の手マジック・ハンド」で勇者や従者達を掴まえて、微かに目視できた聖堂跡上空へとユニット配置で移動した。


「うぎゃあああああ」

「そ、そら? どうして空?」

「ま、魔王は?」


 勇者ユウキの悲鳴がうるさかったので、更地になっている聖堂跡地の上に再転移しておく。


 少しして、紫色の燐光を纏った群青色と漆黒が交ざったような物体が、脱出用に作った垂直な坑道から噴き出してきた。

 だいぶ原形を残していないが、あれは魔王リッチの群れだ。

 体の半ばまでヘドロのような粘液とぼろ切れの集合体のようなモノになっている。


 地上に出てきた魔王は、まだ10体ほどだ。

 途中で詰まったのか、残りは坑道や都市核の間で蠢いている。


「魔王ぉおおおおお、死ぃねぇええええええええええええええええ!」


 勇者メイコが青い光を帯びながら魔王に向かって走っていく。

 さすがに、完全回避系のユニークスキルを持つ勇者メイコでも、10体もの魔王を同時に相手するのは無理だ。


 ――GWROROOOOOUNN!


 黒竜ヘイロンの咆哮に視線を上げると、上空を旋回する竜達やリザの姿があった。

 オレは魔王リッチの近くへ縮地で移動し、「理力の腕マジック・アーム」で掴んだ魔王リッチを次々に空へ投げ上げていく。


 大戦力で出撃したのは仲間達のストレス発散や実戦テストが主な目的だったけど、魔王がここまで増殖するなら、丁度良かったと言える。


「ちょ、ちょっと!」

「余分なのは貰っていくよ」


 抗議する勇者メイコにそう告げて、一匹を残して残りは全て空に放り投げた。

 一匹だけ残したのは、魔王を倒す事で彼女達に帰還フラグが立つ事を期待しての事だ。


「これはあたし達のよ! 手出ししないでよね」

「ああ、頑張れ」


 魔王と一緒に斬られないように縮地で距離を取る。


 ――GWROROOOOOUNN!


 閃光が空を染め、魔王リッチ数体が黒竜ヘイロンのブレスに焼かれて黒い靄となって消える。

 黒竜ヘイロンのブレスの直撃を耐えた三体の魔王に、白竜に騎乗したポチと強化外装で飛行するリザが迫る。

 一緒に飛行している幼竜もブレスを使っていたが、魔王リッチの一体を倒しきる事ができずに、哀しそうな鳴き声を上げていた。


『とー、なのです!』


 ポチの聖剣が魔王リッチの拳と激突し、青い閃光と紫の火花が空に舞う。


『うおりゃぁああああなのです!』


 犬勇者ポチの「真の勇者」の称号の効果なのか、せめぎ合う聖剣の青い輝きが眩い閃光を放ち、魔王リッチの身体を焼く。

 ポチの聖剣は魔王を両断してのけたが、それを成した聖剣も無事では済まず、刀身の半ばほどで砕け散ってしまった。


 リザは魔王リッチの拳を避けて竜槍でその頭部を貫き、彼女の放った必殺技による渦巻く青い光で、魔王の上半身を消し飛ばしてみせた。

 だが、残り一体の魔王がすれ違う瞬間に放った無数の触手を避けきれず、強化外装の側面防御障壁を粉砕され、そのまま強化外装に傷を負っていた。


 レベルが圧倒的に上な二人でも、魔王のユニークスキルは侮れないようだ。


『ご主人様、申し訳ございません。突撃形態(アサルト・モード)の防御障壁を突破されました』

『報告は後でいいから、攻防一体の戦闘形態(バトル・モード)防御形態(ディフェンス・モード)に移行して』

『承知』


 リザにそう告げ、彼女達が討ち漏らした魔王の残りに視線を向ける。


『えい!』


 可愛いかけ声と同時に、青いレーザーみたいなルルの加速砲が魔王の一体を撃ち抜く。

 口径からして、浮遊砲台に搭載した大口径加速砲による聖弾の砲撃だ。


『えい! えい!』


 ルルが続けて放った聖弾が、さらにもう一体の魔王の上半身を消し飛ばしたが――。


『うはっ、レベルが低くてもさすがは魔王ね』

『ああ、すごいな』


 次に狙われた魔王は、紫色の光を帯びた拳で聖弾を迎撃してみせた。

 もっとも、そんな無茶な迎撃をした魔王が無事なはずもなく、迎え撃った魔王の拳は霧状になった聖弾に、上半身もろとも消し飛ばされてしまう。


「今だ、ユウキ!」

「分かってる!」


 落下する魔王の残骸を、地上から放たれた広範囲火炎魔法が焼き尽くす。

 勇者ユウキの火魔法は魔王の体力を削ったが、魔王の身体は魔法へのレジスト能力が高いようで、あまり効いていなかった。


『アリサ、頼む』

『おっけー!』


 数秒後に放たれた蒼い炎が、空中で再生を始めていた魔王の残骸を消し去る。

 イタチ帝国の戦いで、上級魔族を焼き払っていた「煉獄の蒼焔(ブルー・インフェルノ)」だ。


「『煉獄の蒼焔(ブルー・インフェルノ)』? ボクだってミカエル達とリンクしたら――」


 勇者ユウキの悔しそうな声が聞こえる。


「メイコ! 増えてる! 魔王が増えるから部位欠損は避けろ!」

「セイギうるさい! 斬らずにどうやって倒せってのよ!」

「喧嘩するな! セイギ、お前の炎はまだ使えないのか?」

「だから、当分無理だってば! お前こそ浄化系の炎は使えないのかよ!」

「使ったらメイコまで丸焼けだろ!」

「敵単体だけに効く魔法くらい無いのか?」

「そんなチマチマした魔法は趣味じゃない!」


 言い争う勇者達の声の方に振り向くと、赤黒く染まった地面の上で、三体に増えた魔王と勇者メイコが激戦を繰り広げていた。

 血液や小さな肉片から魔王が再生するのは何か条件があるようで、勇者メイコが魔王の腕や足などを切断する時にだけ魔王が増えていたようだ。


 たぶん、だけど瘴気濃度の問題な気がする。

 魔王が暴れているにしては、聖都周辺の瘴気が薄い。


 もしかして――。


 オレは思いつきを確認する為に、瘴気視を発動したまま魔王の一体の手首と片腕を斬り落としてみた。


「わー、バカバカ! 何してんだよ!」

「そこの紫髪! 増えた分はお前がなんとかしろよ!」


 勇者セイギと勇者ユウキの罵倒が終わるまでに、地面に落ちた片腕が新たな魔王として再生していた。

 手首もヘドロ状の何かを伸ばして再生を始めていたが、片腕一本よりも遅い。


 ――やはりそうか。


 魔王は増殖時に周囲の瘴気を消費している。

 欠損部位のサイズによって再生速度が異なるのは、切断された肉片に内包されていた瘴気の量が違う為だろう。

 周囲の血から魔王が再生しないのも、瘴気が不足しているからで間違いなさそうだ。


「周辺の瘴気を浄化しろ! それで魔王が増えなくなる!」


 オレは勇者の従者達の中にいる神官や魔法使い達に向かって叫ぶ。

 勇者ナナシの口調を忘れていたけど、まあ別にいいだろう。


 勇者ユウキは精密な魔法が苦手そうなので、勇者をサポートする従者達に割り振った。

 オレがいる間は、オレの精霊光で瘴気が消えるだろうけど、いつまでもお守りができるか分からないからね。





『――次』


 疑似精霊の召喚を終えたミーアが催促してきたので、勇者メイコやオレの斬撃で増えた魔王をミーア達の方へ投げる。


『やって』


 白金色の巨狼が残骸の向こうから姿を現す。

 あれはミーアが精霊魔法「神話喰狼ミソロジー・イーター」で生み出した巨狼型疑似精霊だ。

 アリサの二倍近い魔力があるミーアでも単独では行使できず、聖樹石炉を多数搭載した杖艦が必須となる。


 ――FWOOOOOOOOOOOOWN。


 冬山に木霊する冷たい風のような咆哮を上げた巨狼が、空を舞う魔王達に向けてキラキラした白いブレスを放った。

 ブレスを浴びた魔王達が黒い靄となって消えていく。

 紫色の光を帯びた拳や触手で抵抗しようとした魔王はいたが、わずかな抵抗もできずに消滅していた。


 対神用の魔法だから当然かもしれないが、ここまで圧倒的だとは思わなかった。


「な、なんだ、あれ?」

「新手か? 新手なのか?」

「ど、どんなヤツが相手だって、あたしの剣で斬ってやる」


 勇者達や従者達が狼狽した声を上げるのも無理はない。


 もっとも、燃費が悪い疑似精霊の例に漏れず、巨狼型疑似精霊も維持に莫大な魔力を必要とする。

 やがて魔力供給が尽きたと同時に、白い雪の結晶を撒き散らしながら白い靄となって消えてしまった。


『召喚後に必殺技を使って消えるなんて、ファイナル・クエストの召喚獣みたいよね』


 アリサが国民的大人気ゲームを例に挙げて暢気な感想を言う。


 杖艦の魔力容量の増加は可能だが、高負荷の「神話喰狼ミソロジー・イーター」を維持し続けられるほど杖艦の耐久力がないので、そんなに簡単な話ではない。

 それこそ小島サイズの超大型杖艦が必要になるだろう。


『ご主人様、まだまだお代わりはあるの?』

『ああ、後90体ほど残っているぞ』

『うはっ、全部レベル50程度だったっけ? これなら養殖して今日中にレベル80まで上げられそう――』


 アリサが言葉の途中で、別の誰かと会話を始めた。


『――はいはい、ちゃんと伝えるわよ』

『どうした、アリサ?』

『さっきタマが助けてきた巫女さんが、これ以上、聖都を穢すなってうるさくってさ~』


 穢すも何も、聖都の瘴気はかつて無いほど薄れている。

 聖堂周辺は既に瓦礫のみだが、俯瞰して確認した限りだと四割程度の建物は無事な感じだから、オレ達や勇者ユウキの攻撃魔法を見て、聖都が炎に沈む事を警戒しているのだろう。


 実際、勇者ユウキが放った火魔法が聖都の一画を灰燼に帰していたしね。


 既に廃墟だったからそのまま戦っていたけど、オレの所有する異界へ連れていって処理した方が良かったかもしれない。


『分かった。戦場を移動しよう』





「≪踊れ≫ 風の小剣!」


 白銀騎士エアーことゼナさんの手から放たれた九本の小剣がシャラシャラと涼やかな音を奏でながら風に舞う。


「≪纏え≫ 風の小剣!」


 蒼く輝く浄化の風を纏った小剣が魔王を切り裂く。

 聖句を唱え終わったゼナさんが、上級風魔法の詠唱を始める。


「危ないですわ! ゼ――」


 小剣の群れを回避しつつ、魔王リッチが紫色の光を帯びながらゼナさんに迫る。


『白銀騎士エアーだ』

「それですわ!」


 カリナ嬢が装備する「知性ある魔法道具インテリジェンス・アイテム」のラカによる補助を受けながら、魔王リッチとゼナさんの間にカリナ嬢が割り込んだ。

 紫色の光を帯びた魔王リッチのパンチを、カリナ嬢が両腕をクロスさせて受け止めようとする。


『いかん! ――ファランクス緊急展開!』


 自身の防御壁では足りないと判断したラカが、カリナ嬢の白銀鎧に内蔵された使い捨ての防御盾を展開する。

 傘状に展開されたキャッスル並みの防御力を持つ多重防御壁に、魔王リッチの拳が激突する。


 全てを破壊する魔王の拳だったが、一枚目の防御壁を破壊した直後にファランクスの術式に組み込まれていたリアクティブ・アーマー的な爆発によって押し返される。

 魔王リッチの身体から伸びたヘドロ状の触手が左右からカリナ嬢を狙うが、既に彼女の姿はそこにない。


 首を巡らせた魔王リッチが空を舞うカリナ嬢を捉える。


「≪ささやけ≫ 聖なる従者!」


 白銀騎士ホーリーことセーラの鎧から、銀色の細片が分離し、幾何学形状のオブジェクトとなって、彼女の周りに浮かぶ。


「≪祈れ≫ 聖なる従者!」


 オブジェクト達から放たれた、蒼い光を帯びた浄化の波紋が魔王を押し包む。


「≪念じろ≫ 聖なる従者!」


 三つ目の聖句による黒い波動が、魔王を物理的な過重力で押しつぶす。

 これらの聖句は徹夜明けのハイテンションで付けたので、最初の二つの聖句が某古典迷宮ゲームの復活の呪文と似たのはたまたまだ。最後の一つはノリで付けた。後悔はしていない。


 魔王が紫色の光を帯びた拳や触手で引き裂くが、連続する波紋全てを一度に打ち砕けずに、その場に縫い止められる。


 役割をオブジェクト達に任せたセーラが、上級の神聖魔法の詠唱を始めた。


「行きますわよ、ラカさん!」

『――うむ。≪渦巻け≫ 破軍の具足!』


 空高く駆け上がった白銀騎士クンフーことカリナ嬢が、ラカによる聖句の発動によって眩い輝きを帯びながら、シャープな跳び蹴りの姿勢で落下を始める。


『≪星降れ≫ 破軍の具足!』


 重力制御で通常の数十倍の重力を帯びたカリナ嬢が、流星のような速度へと加速する。


「カリ――」

『クンフーだ』

「クンフードリルキィイイイイイイ――」


 ラカの突っ込みで言い直した為、技名を最後まで言い切れなかったカリナ嬢が、魔王の防御障壁に激突する。


 紫と蒼の激しい光が拮抗したのも一瞬だけ。


 ゼナさんとセーラの攻撃で消耗していた魔王の防御障壁は、聖句によって威力を増したカリナ嬢の必殺技に耐える事ができずに砕け散った。


 魔王の右半身を蹴り砕いたカリナ嬢は、その勢いのまま土煙や岩塊を撒き散らしながら地面を大きく陥没させ、そのまま地中深くにめり込んでいった。

 最後は彼女らしいオチが付いたが、一撃の威力はなかなかのモノだ。


「エアー!」

「はい!」


 右半身を失った魔王にゼナさんの「風の小剣」が次々に刺さり、そのまま魔王の身体を空中高く持ち上げる。


天嵐テンペスト


 ゼナさんが発動直前で保留していた上級風魔法の最後の発動句を唱えきった。

 魔王を中心に嵐のように風が吹き荒れ、風の中に生まれた黄金色の光の軌跡が、魔王を嵐の鳥篭に閉じ込める。

 かつて上級魔族を閉じ込めてみせた黄金の鳥篭も、破壊の力を帯びた魔王の拳や触手までは完全に抑えきれないようで、幾度かこじ開けられそうになっていた。


 だが、凜々しいゼナさんの横顔に焦りはない。


 なぜなら――。


神威天罰セイクリッド・リトリビューション!」


 発動を保留していたセーラの魔法が魔王に追撃を掛けた。

 本来は儀式魔法であるはずの神聖魔法を、セーラの周りに浮かぶ幾何学形状のオブジェクト達が補佐して発動を可能にしたのだ。


 魔王の末端が灰色の砂状に崩れ、嵐の鳥篭がその崩壊を加速させる。


 ――HWWWWWOOOOOOOOMWN。


 嵐の鳥篭の内側から紫色の光が溢れ、身体をボロボロに崩壊させながら魔王が這い出してくる。

 普通なら倒せそうなモノだが、魔王の持つユニークスキル「無限再生リビルド」が、それに抵抗しているようだ。


「小剣を温存している場合じゃありません――≪満」

「待ちなさい、エアー」


 最後の聖句を唱えようとしたゼナさんを、セーラが引き留める。

 理由を問うゼナさんの視線にセーラが答えるより早く、一つの叫びが答えを告げた。


「クンフードリルアッパァアアアアアアアアアア!」


 格闘ゲームキャラのような軌道で、魔王の真下からカリナ嬢が跳び上がった。

 蒼い光の渦を巻きながらカリナ嬢が魔王を天空へ打ち抜く。


 黒い靄となって消える魔王の残滓の中を、カリナ嬢が華麗に着地する。

 ポチの可愛いシュピッのポーズも、プロポーション抜群のカリナ嬢がやるとなんとなく格好いい。





『白銀チーム単体でも、弱い魔王なら倒せたみたいね』

『ああ、なかなか安定した戦い方だったよ』


 残念ながら、彼女達に勇者の称号は付かなかった。


『そっちはどうだい?』

『全部倒し終わったけど、70体しかいなかったわよ。最初に言った数より少し少なかったわ』


 アリサの言葉に首を傾げる。

 念のため、聖堂跡地を確認してみたが、異界に引き込み忘れた魔王はいない。


『討ち漏らしがないなら良いわ。経験値もイマイチだったし』

『そうなのか?』

『うん、同レベルの魔物と比較しても多くて四割。ほとんどは一割もない感じだったわ。再生を重ねた魔王ほど経験値が少ないみたい』


 どうやら、無限増殖で楽々レベルアップというのは無理らしい。


『マスター、パージした強化外装に続いて黄金鎧や予備の大盾も全部壊れてしまったと謝罪します』


 ナナには防御特化型の強化外装を、黄金鎧の上から装備させていたのだが、複数の魔王を相手にする間に破壊されてしまっていた。

 竜の牙みたいな防御無効型の攻撃に対する備えもしていたのだが、それもオレの想定を超えた数で来られた為に、備えを使い果たして突破されてしまったようだ。


 思った以上に激戦だったようで、忍者タマでさえ黄金鎧を損傷させていた。


『謝らなくていいよ。ナナはちゃんと皆を守り切る仕事を果たしたんだからさ』


 ナナが大怪我をしなかったのなら、それで十分だ。


『イエス・マスター。次はもっと使いこなしてみせると宣言します』


 ナナのもそうだけど、強化外装はまだまだ改良の余地がありそうだ。


『それで、勇者達はまだ戦っているの?』

『ああ、ハズレを引いたみたいだ』


 アリサの言葉に、オレは強めの魔王と戦う勇者達の方へと視線を向けた。



※次回更新は、9/23(日) の予定です。


※感想欄で誤解が多かったパリオン神国の都市核について

 14章でサトゥーが支配した都市核は「自由の光(闇賢者ソリジェーロ)」が実質支配していたパリオン神国の辺境都市の都市核です。聖都の都市核には手を出していません(詳しくは「14-7.パリオン神国(2)」「14-8.パリオン神国(3)」を参照してください)。

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