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幕間:ミーアと食事制限

 サトゥー視点ではありません。


※本日2話目です。「幕間:テニオンの巫女長【後編】」もご覧ください。


※8/9 誤字修正しました。

 人族の食べ物は美味しいわ。とっても美味しいのよ。

 でも、とっても危険なの。


 私は学んだの、学習したのよ。


 あれは、最近の事――


「ハンバーグは最高なのです」

「うまうま~」

「もう少し歯ごたえがあるものの方が好みですが、ハンバーグの美味しさに陰りが出るものではありません。実に美味です」

「合挽きじゃないのに、どうしてこう美味しいのかしらね~」

「アリサ、食べすぎよ?」

「成長期だから仕方ないのよ」

「ん」


 サトゥーは、私のために豆からハンバーグを作ってくれたの、私のためによ?

 おいしそうにハンバーグを食べるポチ達を見て、いつも羨ましかったの。


 だから一口ずつ味わって食べるの。

 だって、ガツガツ食べたらもったいないじゃない。


「口に合うかい?」

「ん」


 もう、さいっこーよ。至福なの。

 どうやったら、お豆から、こんな料理が作れるのか判らないわ。不思議なの!

 ハンバーグの上に乗せられた大根おろしがちょっと辛いけど、付け合せニンジンの甘味を引き出してくれるの。もちろん、ゴハンにも合うのよ?





 食事の後に幸せな気分のままサトゥーのヒザにダイブしたの。飛び込んだのよ?

 一番良い場所はタマに取られちゃったから、隣で我慢するの。でもでも、いつもタマばかりズルいと思うの。抗議しないとダメかしら。


「美味しかった~」

「また食べたいのです」

「ん、美味」


 感謝の言葉は難しいわ。長々と語るのも恥ずかしいし、伝わるかしら? 伝わるわよね。


「アリサ、食後に甘いものを食べたら太るぞ」

「デザートよ。甘い物は別バラだから大丈夫」


 アリサは、凄いわ。アレだけ食べて、まだ食べられるなんて! ポチとタマもアリサから一口貰っているわ!

 人族や獣族は、みんなあんなに食べるのかしら?

 違うわ、違うのよ。ルルやサトゥーはあんなに食べないもの。





「魚も美味しいけど、やっぱたまには肉も食べないとね」


 アリサには好き嫌いがないの、なんでも食べる、いい子だわ。


「甘味は別腹よね。クレープうま~。試食って、どうしてこんなに美味しいのかしら」

「ん」


 こんなに色々な味があるなんて、不思議。サトゥーは料理の魔法が使えるのよ。きっとそうだわ。でも試食って一口サイズだと思うの。アリサみたいに普通サイズを食べてたら晩御飯を食べられなくなるの、本当よ?


「アリサ?」


 着替えの時に、自分の体を見て固まっているアリサに声をかけたの。

 どうしたのかしら? 少し心配だわ。


「や~ね~ なんでも無いわよ。幼児体型ってや~ね。そう、これは幼児体型のせいなのよ」


 何か自分に言い聞かせてるみたい? 違うのかしら? でも、そう見えるの。


「ついに、ついに来たかスポンジケーキ! ねえねえ、やっぱり生クリームとイチゴよね! くう~ 今生でもケーキが食べられるなんて、正に至福」


 よっぽど好きなのね。好きなんだわ。

 あんなに大きなケーキを半分も食べちゃうなんて。


 一口食べて反省したの、だってあんなに美味しいなんて! 美味し過ぎるのよ。

 その後はみんなで貪るように食べたの。だって美味しいんだもん。





「みんな、一人ずつ、この台に乗って」


 サトゥーが、何か箱というか台みたいな魔法道具を持ってきたの。

 乗ると、横に付けられた針が回るの、クルクルまわるの。ちょっと触りたかったけど、触ろうとしたタマが怒られていたから我慢するの。我慢したのよ?


 その台を見てアリサが顔を顰めているわ。どうしたのかしら?


「嫌! その悪魔の機械とは前世で決別したの! 二度と乗らないと心に誓ったのよ」


 アリサが全力で嫌がってる。そんなに嫌なんだわ。

 でも、サトゥーが珍しく「命令」して乗らせている。アリサは「服! きっと服が重いの!」とか言っているけど、あの服は薄い木綿のとても軽い服よ? 羽根のように軽いの。


 サトゥーが聞いた事の無い言葉で、アリサに告げているの。メトァボって何かしら? 気になるのよ。


「アリサ、5キロ落とすまで、間食は禁止。揚げ物もメニューから外すよ」

「にゅ! 揚げ物無しは、みんな~?」

「ま、待ってなのです! 揚げ物はジュウヨウなのです!」

「アリサだけじゃ可哀想だから、脂分少な目のメニューに変えるよ」


 あぶら? ギトギトが減るのは好ましいのよ。

 でもポチとタマには辛いみたい。「ぽち~」「たまぁ」と情けない声を出して抱きしめあっている。リザも空を見上げて何かを堪えているわ。辛いのかしら?


 でも、アリサのポッチャリを治すのには必要らしいの。サトゥーがそう言ったの。

 お腹ポッコリは可愛かったけど、病気なのかしら? 病気なのだわ。


 みんなで協力してアリサのポッチャリを治しましょう。

 がんばって、アリサ。応援しているわ、頑張るのよ。


「ダイエットなんてキライよ~~~」


 アリサの絶叫がどこまでも木霊したの。

 美味しいご飯にも危険があるって、初めて知ったわ。


 サトゥー、あなたは危険な人なのね。


少し活動報告のSSと違う部分がありますがご容赦を。

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― 新着の感想 ―
[一言]  お腹ポッコリは可愛かったけど、病気なのかしら? 病気なのだわ。 普通ならおめでたと思いそうですが、彼女は故郷で最も年若いエルフ。 同族の妊婦は見たことないのでしょうね。 とは言え、故郷…
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