転生
「このルートだとこのNPCに話しかけて…」
俺は暗い部屋で一人PCに向かって独り言を言っていた
俺は小森マサル。いわゆる子供部屋おじさんという奴だ。親の金で生活し、ゲームばかりやっている正に社会のゴミ。だが、ゲームの知識だけは一丁前。RPGに限るが
「よし、進んだ。このRPG激ムズだなー。マジで」
RPGの知識など、本当になんの役にも立たない。FPSゲームならば、e-sportsで優勝したり出来ただろうに。何度も思う、FPSの才能があったらなと。
「あ、なんだこれ。こんなギミック今まで見たことも…」
ゲーム内に見たことのないボタンがあった。何の説明もない、攻略本やサイトにも載っていない謎のボタン
俺はとりあえず押してみた。所詮ゲーム、軽い気持ちだった。押した瞬間、PCのモニターから青白い光が発せられる。
「うわっ、眩しっ!」
視界が一瞬光に包まれ、見えなくなる。そして、光が落ち着いたらそこは……
ゲームの中だった
「え、なにここ!?は?」
そこは、初期の村のような場所。ただ、やっていたゲームに飛ばされたわけではないようだ。全くの初見
「…マジ?い、異世界転生的な感じか?人はBOTなのかな…。分かんない…。とりあえず散策してみるか」
歩くと周りの視線を感じる。ああそうか、俺今黒いパーカーに、黒いズボン。普通に現代の服に対して、こっちの住民は異世界風、ゲームみたいなローブや鎧を着ている。
視線を感じるということは、みんな意思を持った人間というわけだ。BOTならば、珍しいといった感情もないはず。
「とりあえずスライム倒す為に街の外れに行かないとな…」
草むらに来た。初期装備のひのきの棒で戦うしかない
「本当にいた。…やっぱりゲーム感覚で良いのかな」
ただ、某RPGのように戦闘画面に入るなどはない。ターン制ではないようだ
スライムが突進してくる
「うわっ、来たっ!ターン制じゃないのかよっ!」
咄嗟に叩く。2回叩くと、倒せた
「ふぅ…、ビックリした…。あ、こういうのってギルドに行くものじゃ。…というか、RPGでギルドってあんまり無いけど異世界転生物じゃありがちだしな」
初期の街の一番大きな建物、冒険者ギルドに入る
受付に行くと可愛い桃色の髪のお姉さんが丁寧に対応してくれる
「いらっしゃいませ。今日はどのようなご用件で?」
「えーっと…、その……、あ、クエストの……あ、じゅ、受注を…」
現実ではずっと部屋に引きこもっていた為、人と喋るのは久しぶりだ。元々コミュ障なのが大きい
「クエストの受注ですね。あれ、でも初めて見る顔ですよ?」
「え?あ。まぁ……、初めてですし…。」
「それなら、まずは職業選択と、冒険者登録からですね!クエストを受けることができるのは冒険者だけなんですよ」
「そ、そうなんですか?分かりました。」
「数分で終わりますよ!まず、この中からやりたい職業を選んでください」
基本職のリストを見せられる。戦士、僧侶、魔法使い、武闘家、盗賊、踊り子、遊び人。色々あるが俺が選んだのは戦士だった
「戦士ですね。かしこまりました。すぐに証明書を作ります。少々お待ちください」
「は、はい…」
そう言ってお姉さんは裏に消えていく
数分後、カードを持って戻ってくる
「出来ましたので、お渡ししますね。これで、クエストの受注が可能になりましたよ」
「ありがとうございます。…クエストを受注したいです」
「はい。あなたに合うレベルのクエストだと、2件あります。スライムを10体討伐と農産物を30個回収ですね。どちらを受けますか?」
「じゃあ、スライムで」
「分かりました。受注しました。お気をつけていってらっしゃい!」
「はい…!」
またさっきの草むらに来た
スライム10体、中々にめんどくさい。
「よし、やるぞ!」
所詮相手はスライム、倒すのは簡単だ。ただ10体はあまりにもめんどくさすぎる
数分後
「やっと倒したー…。…この世界体力とかあるのかよ。疲れたーー…」
そしてギルドへ戻る
「おかえりなさいませ!スライム10体、見事クリアです!では、報酬の1万ゴールド、お渡ししますね」
報酬を貰う
「おお…。」
「他にご用件はありますか?」
「いや、ないです」
「またのお越しをお待ちしております」
ギルドを出て、武器屋へ行った
「へい、らっしゃい!どんなのをお探しかな?」
ゴツイデカい男が武器を磨きながら聞いてくる
「えっとー…、普通に剣。…こう、鋼の剣?」
「了解!これだね。お代は1万ゴールドだよ」
一瞬で溶けた。だが、買うしかないだろう。流石にひのきの棒でクエストはめんどくさすぎる
「まいどあり!また来いよ!」
武器屋を出る。その時、人とぶつかってしまう
「いてっ…あ、す、すみません」
「ん……、別に大丈夫だよ。こちらこそ、不注意だったね」
周りの視線が集まる。
「え、あれ勇者様じゃない?」「ほんと?」
「マジじゃん。ミナヅキ様だ!」
もうやらこの世界では有名人のようだ
「君、まだ冒険者になったばかり?」
「は、はい…!あなたは?」
「え、知らないのか。いやー、僕もまだまだだね。
僕の名前は水無月ソラ。気軽にソラで良いよ。君は?」
「え、お、俺は、小森マサルです」
「マサル…、良いね。少し興味が湧いた。一緒にクエストやらない?」
「え?」
なぜか気に入られたようだ。周りの視線が一気に俺に対する鋭い視線に変わる
「何アイツ!何であんなに仲良くしてんの!?」
「ぽっとでの雑魚のクセにズルい…」
「あれの何が良いんだか…」
「お腹すいた」
やっぱり罵声ばかりだ
「気にしなくて良いよ。それより、どう?クエスト、やる?」
「や、やりますっ!」
ここで数ランク上のクエストをクリアしてレベルを効率よく上げれるなら勿論そっちが良い。
そして、二人でクエストを受けることになる…
ドラクエの呪文で一番好きなのはメドローア。ゲームのドラクエシリーズじゃなくて漫画のダイの大冒険だけど許して。ドラクエの呪文ではあるから。
カッコいいよね、極大消滅呪文。




