【閑話】 モントローズ侯爵は隙を伺う
閑話を1話入れ忘れまして、急遽差し込みました
今日か明日かと部下からの報告を待ち、本当に首が長くなってしまうかと思われたころ。ようやく吉報が届いた。
『原料の買い付け時、隙あり。護衛は二名のみ。お茶会時、決行す』
ようやく隙を見つけられたようだ。
第一皇子の庇護下に入ったと報告があったときは、もうダメだと思ったが……幸運の女神は私に味方してくれたらしい。
前祝いは縁起が悪いと聞くが、今日ばかりはいいワインで祝杯をあげよう。
『決行許可す。決行後、即時帰還せよ』
部下に返事を持たせ、送り出した。
「ようやく我が家に運が向いてきた」
あの娘、本当にてこずらせてくれた。
身柄を確保したら、誰にもわからぬように監禁し、光の力をすべて私のため、ひいては我が家のためにだけ使わせてやる。
それだけがあの娘の価値なのだから。
息子の妻にと考えたこともあったが、あのできそこないの次女を排除するのも面倒だ。
だいたい私の妻ときたら、シミと皺だらけの頭の悪いバカ女で、最近は声を聞くのもうんざりする。
「そうだ、私の妾にするのはどうだろう」
我ながらいい考えだ。
見た目だけは美しく、月の化身のようだしな。
ちょっと殴れば言うことも聞くだろう。思い返せば、息子にはもったいない。この私にこそふさわしい。
ふと思いついた名案に顔が緩むのを抑えられず、ワインを呷る手がなめらかに動いた。




