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【閑話】 モントローズ侯爵の潜伏
≪セレニータ帝国で発見、監視続行す≫
短い伝達が捜索隊から届いた。ようやく見つけたか。
いやしかし、よりによって王都での発見とは。もしや帝国側にも存在を気づかれたか。
このままだと間違いなく王宮で保護される。どうにかしなくては。どうにか。
「何か策があるはずだ」
いくら考えても、他国の王都で堂々と人さらいをし、国境を越える手だてが見つからない。いつかチャンスがあるはずだ。このまま指をくわえて黙っているわけにはいかない。
気づけば、愚息がルナリスと婚約破棄をして、数日が経った。
「アディ様、アディ様」
まただ。
あの娘がやれ化粧品が欲しい、ドレスが買いたい、観劇がしたい、宝石を見に行こうと侯爵家に訪れては、派手に金を使うことしかしない。
ルナリスだったら、毎日押しかけたりしないし、ろくでなしの息子の世話を何かと焼いていた。確かにあの娘との婚約で、学園での愚息の立場はぐっと上がった。だが。やはり。
ふと空に目を向けてみた。
(――最近、雨ばかり多く降る。あまり降りすぎると作物にも影響が出てしまう。早く止んでくれればいいのだが)




