表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三原色信仰の国を追われた無色の花嫁は、帝国で世界を彩る   作者: りっちょまん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/49

【閑話】 第一皇子の強要

「やぁ、エマ。今日はオーウェンはいるかな」


職業紹介所に入ってすぐ、エマの姿を見つけて声をかけた。

振り返ったエマは、すぐに私が誰かわかったらしく、「お待ちくださいませー!」と言いながらオーウェンを呼びに走っていった。


こういうの、目立つからあんまりやってほしくないんだけどなぁ。

ほら、みんなびっくりしているよ。


「お待たせしました、第一おう……レオ様!」


奥から走ってきたオーウェンは、すでに顔色が悪い。

汗もビショビショにかいて、ハンカチが気の毒になった。


「奥に入らせてもらっていいかな。いいよね? オーウェン」


コクコクとうなずくオーウェンを尻目に、奥に入らせてもらうことにした。


ソファにどっかりと腰をおろすと、オーウェンとエマは恐縮したように立ち尽くしている。グレンはソファの後ろに直立不動の姿勢で立っていた。


「それでね、彼女、は誰なのかな」


「恐れながら、彼女とはどなたのことでしょうか」


「オーウェン、オーウェン。とぼけちゃだめだよ。さっき広場で乗馬していた、銀の髪の彼女だよ。わかるだろう?」


ダラダラと汗をながすオーウェンが黙って、スキルシートを差し出してきた。


「ルナ・ラントレ。平民なのに姓があるのは珍しいな。帝国貴族に、この姓のものはいない」


グレンに差し出すと、黙って首を横に振った。知らないということだろう。


「このスキルなら、貴族だろうな。グレン、彼女のことを少々調べてくれ。人員は何人使っても構わないから。ただし、口の堅いものだけに絞れ。で、オーウェン、彼女にはもう仕事を紹介したのかな」


サッと一礼したグレンが、部屋の外の部下に命令を伝えに行った。


「い、いえ。能力が高かったため、今から心当たりに彼女のことを話し、明日、紹介しようと考えておりました」


ゴクリと唾を飲み込む音が聞こえた。

オーウェンが相当に緊張しているようだ。エマはぶるぶる震えている。そんなに怖いかなぁ。


「それはいいことを聞いた。心当たりって、例の伯爵家だろう? 彼女はもったいないさ。私のところの工芸総監のところに彼女が欲しいなぁ。ねぇオーウェン、1件くらい案件を追加してもいいだろう?」


にっこり笑ってねだってみると、顔が真っ白で汗だくの彼と目が合った。

まぁ、僕が言ったら入れないわけには、いかないよねぇ。


「も、もちろんです。ほかは、王宮の臨時講師にしようと思っておりました」


「あーあの雑用のね。人手不足で大変なのはわかってるんだけど、彼女はもったいないさ。使いつぶされてしまうよ。安月給なのもあるしね。私のところを選ぶように、うまく話をつけてくれ。給料は一番いいはずだし、休みもそこそこ。条件は悪くないはずさ。彼女なら、工芸総監とうまくやるだろうしね」


ふふふと笑うと、いつの間にか戻ってきたグレンがいぶかしげな顔をしているが、まぁ、そのうちわかることさ。


「承知いたしました、第一皇子殿下」


深々と頭を下げる二人にひらひらと手を振って、王宮へと帰ることにした。


(――さて、早く彼女を迎え入れる部屋を用意しないとね。どんなものが好きかな。あ、その前に工芸総監に話をしないといけないか)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ