勝者
「それで大佐、お話なのですが...」
「なんだ?」
「ハイドリヒが総統として君臨するといいことがあるとは思えますか?」
「...ないだろうな、ハイドリヒ全国指導者は言っちゃ悪いが狂っている。」
「そうですよね」
「そして私は考えました」
「明日の早朝、ハイドリヒ全国指導者を逮捕します」
「...!?」
「そ、それは実質クーデターでは!?」
「あいつのヒムラーみたいな狂ってる思考で我々の身が滅ぶよりマシでしょう。もちろん、大佐も協力してくれますよね?」
「きょ、協力します...」
「では、明日」
パウル・ハウサー上級大将指揮下第1SS装甲師団
「パンツァーフォー!このままハンブルクまで前進しろ!」
「敵が塹壕に構えています...腕に鉤十字があるので、おそらくナチ党です」
「ナチ党か...裏切り者どもめ、ここで殺してやる!」
「敵機甲師団です!すぐに援軍の要請を!」
「まて、あいつらはIII号戦車だ、こっちは最新のレオパルド1だ、このまま前進!」
「なんだ!?」
「味方ティーガーIIが撃破、全軍に通達!敵は対戦車火器を所持、繰り返す、敵は対戦車火器を所持!警戒しながら前進せよ!」
「親衛隊派への支援は順調か?」
「はい、ヒムラー"総統"現在、最新のレオパルド1を週に1回300台、小銃を1日に1万本支援しています。」
「よろしい、このまま支援を続行せよ。」
「了解しました。ハイルヒムラー!」
「ドゥーチェ、ドイツ内戦へは介入しますか?」
「いや、我々イタリア帝国は徹底的な不介入を貫く。」
「カナダやオーストラリアなどの民主主義国家とも関係が改善してきている。ここで介入して関係を悪化させるのはしたくない。ただ、亡命者は受け入れるんだ。それとチャーノ、私はそろそろ死期が近い。私は次期統帥としてチャーノを指名する、南のアカ共を必ず打ちのめし、イタリア帝国を統一するんだ。」
「どうしたんだ、モーンケ大将とヴィルヘルミナ大佐?もしかして親愛なるヒムラー閣下と同じイルミン教に入信しに来たのか?」
「それにはご勘弁を、それで何をしに来た、の件ですが、現在5月7日11時、親衛隊全国指導者ラインハルト・ハイドリヒを逮捕します。理由は、職務怠慢と上級大将に対する暴行、人道に反した行為をほのめかした罪です。」
「なにをするモーンケ!これは反乱だ!ヴァルハラのヒトラー閣下が見ているぞ!貴様らには必ず死が訪れる!シオンの悪魔!ユダヤの皮を被ったクソ野郎が!おい!大佐!こいつを逮捕しろ!大佐!!お前も裏切ったのか!?補佐を務めていたのに!!あの忠誠は偽物だったのか!?」
「ここで叫んだら外で戦っているあなたの部下にも声が聞こえますよ」
「....」
「ハウサーだ」
「先程、ナチ党の兵が一気に降伏した、おそらくナチ党勢力が降伏したものと思われる」
「モーンケだ」
「モーンケ大将..!」
「今の私はモーンケ大将ではない。モーンケ"総統"だ。第1SS装甲師団にも私が総統として指揮を執ると伝えるように」
「了解しました。ハイル・モーンケ」
「順調みたいですね」
「あとは国防軍をどうするか、ですね」
「今なら彼らは捕虜の対応で忙しいだろう、今のうちに攻撃を開始し、敵首都ダンツィヒに侵攻するよう伝えるように」
「了解しました、ハイル・モーンケ」
「1年に及んだドイツ内戦は1965年6月14日、ついに終結しました。勝者は親衛隊派となっており、国家弁務官区でも全てが独立、彼らの運命が決まることでしょう。親衛隊派のリーダー、ヴィルヘルム・モーンケは先程、親衛隊の勝利を宣言し、ここに新しいドイツ、ドイツ黒連盟の建国を宣言しました。」