1つの民族、1人の総統、3つの国家。
総統臨時代行のゲッベルスが休養をくれた。
久しぶりにゆっくりできた気がする。
にしても、ゲッベルスとボルマンと自分が3人でいたとき、ボルマンだけ様子がおかしかった。
一体何を企んでいるのだろうか...
電話だ...ゆっくりできると思ったのに...
「ゲーリングだ。」
「ゲーリング国家元帥閣下...一体私になんの用でしょうか...」
「先程、私の管轄下のSDから情報が来た...」
「なんでしょうか?」
なんか落ち着かない、嫌な予感がしてきた。
「信じられないのだが...ボルマンが総統の薬を青酸カリと入れ替えた...とのことだ...」
やはり当たっていた。様子がおかしかったのはそういうことだったのか。
「...分かりました。」
「今すぐゲッベルスにつなぎます。」
「了解した。」
なんでボルマンが...?
ボルマンは総統の側近なのになぜ...
「ヴィルヘルミナです」
「大佐が私になんのようだ?」
「総統の様子を見てきてもらえませんか?」
「なぜ総統を?」
「先程、ゲーリング国家元帥から来た情報なのですが、」
「ちょっとまってくれ、医者が出てきた」
「承知しました。」
我が総統...総統が...
「大佐...信じられないのだが...」
「総統が死亡した...」
「...それで先程の続きなのですが...ボルマンがヒトラーの薬を青酸カリと入れ替えたとのこと...」
「あのクソボルマンめ...」
「今すぐゲシュタポに繋いでくれ、ボルマンを逮捕しろ」
「承知しました」
...総統が死んだ...