小さな違和感【すず視点】
すず視点です。
少し表現がアダルトとなります。
R15にしていますが、何処までの表現が可能なのだろうか?
内容は問題ないとは思うけど……二ヶ所くらい怪しいところあるけどどうなんでしょうか。
今日はれんの家でお家デート。
デートの最後はこうして彼の家やホテルで肌を重ねるのが一連の流れ……
ユウ君をフルまでは、れんから求められても彼への罪悪感からかなんとなく断っていた避妊具無しの行為も今では気にならなくなり、安全日に気を付けながらわたしも楽しむようになっていたわ。
「今日は泊まんだろ?」
れんが発見したわたしの弱いところを刺激しながら耳元でささやいた。
わたしは快感にゾクゾクしながら彼にキスをして、
「そのつも……あっあん……」
喘ぎながらわたしは彼にうなずく。
両親には友達の家で勉強会で泊まると伝えている。
最近はれんとこうしてデートばかりしていて受験勉強はしていない。だから成績がだいぶ落ちてきていた。でも、わたしにはれんが居るから将来に不安は無いわ。
わたしがユウ君をフッてかられんはよく鼻唄を歌っている。
彼曰く、わたしと身体の相性は最高。特にナマでの行為後は毎回ご機嫌に鼻唄を歌っている。
「…………」
何度かれんの鼻唄を傍で聴くようになったわたしには思うことが一つ。
それは、あくまで鼻唄であり歌とは厳密には違うということもあるとは思うのだけど……彼の鼻唄。よく音程がズレているのよね。彼のライブでは音程がズレるなんてことは無いから鼻唄特有の現象なんだろうけど。
でも、ユウ君は鼻唄も本気の歌も変わらなかった……
それによくユウ君はわたしの為だけに二人っきりで歌ってくれていたよね。
そんな事を考えていると寂しくなり、隣で休むれんの胸板に頭をちょこんとのせて。
「ねえ」
「何だ?」
そのままの体勢で顔だけわたしに向けるれん。
「今度。わたしの為だけに何か歌ってよ。二人っきりでロマンチックに……ね。いいでしょ?」
わたしはれんにおねだりしたのだった。
ユウ君はよくわたしの為に一生懸命歌ってくれた。正直に言うと彼の一生懸命な歌声に癒され助けられた事が何度かあった。
だからこそわたしはユウ君との大切だった思い出を塗り替えなければいけない漠然とそう思ってしまったのだ。
ユウ君との大切な思い出は、二人っきりだったとはいえ行き慣れたカラオケボックスでロマンチックな場所ではなかった。メジャーデビュー目前の大人な彼ならきっとこれまでに感じた事のないような感動的なものにしてくれるはず……
そう思いながられんの言葉を待つ。そして……
「……後でな」
整った顔を少しだけ引きつらせてれんはわたしに後ろ向きな言葉を返したのだった。
そして、この日。彼のご機嫌な鼻唄は聴こえて来ることは無かった。
【小さな違和感】最後までお読みいただきありがとうございます。
フッたハズのすずが何故か未練ありまくりの様なストーリーとなってしまいました。
それは、新しいモノを手に入れるとついつい昔のモノと比較してしまうクセは皆さんもありますよね。特に大切だったモノは特に……
すずはそんな心境から二人を比べていた。そんなところでしょうか?
来週は2話公開予定
評価/感想/ブックマーク等もし宜しければよろしくお願いいたします。