結末4【彩香とあさひ】
れんの浮気は私の人生に大きな変革をもたらした。
ユーチューバー『KOYO-』との出会いである。
夏葉さんと優太さん。2人との出会いは、紆余曲折はあったものの結果的にはグローリアスを一気に一流の事務所へと押し上げた。音楽業界の勢力図を塗り替えたのだった。
KOYO-はいいも悪いも含めて注目を集めたわね。
どれ程素晴らしい楽曲でも手取り聞いてもらえなければ日の目をみることは無いのだ。
そういう意味ではデビュー直前のゴタゴタは複雑ではあるけれども話題性としてはとてもありがたいものであった。
人間という者は話題性に弱く、知人との話で流行に乗り遅れる事を怖れて嫌う。話題に乗り遅れない為に夏葉さんと優太さんの曲を聞く人が相当数いることであろう。きっかけはこれで十分であった。
2人の生み出す歌は聞く者の心をとらえて魅了するのだから……
「やりましたね!」
副社長のあさひは私に笑顔を向けて微笑む。
私はあさひの言葉にしみじみとうなずき、
「この快挙は、れんでは逆立ちしても無理だったわね。本当にたいしたものだわ」
息を吐いた。
私は5分程前に届いた今週のオリコンの結果を思い出した。
「スノーフレーク。オリコンの上位にはそのうち食い込むとは思ってはいたけれど……まさかデビューした最初の週でオリコン1位とはね。
複数の大御所リリースが被るから厳しい出だしも覚悟していたのだけれど……嬉しい誤算ね」
スノーフレークは夏葉さんと優太さんがデビューするにあたって結成したグループである。
「夏葉さんもなかなか面白いグループ名を付けましたよね」
「?」
私はあさひの言葉の意味が分からず首を傾げ、彼女に視線を向ける。
するとあさひは私にスノーフレークの意味を伝える為に口を開いた。
「スノーフレーク。春に咲く白い小さな花。
その花言葉は……皆を惹き付ける魅力。そして……」
純潔。純粋。汚れ無き心。
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次の人物は久々の登場となります全ての発端であるれんの予定です。




