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受験勉強していたら幼馴染みの彼女が浮気してた。  作者: タイラ・ヒラ・タイラ
本編
25/59

呼び出した理由が予想外だった

今回は普段よりも長いです。

 《今日のお昼。体育館裏で待ってます》


 《先日のテストのお礼にお弁当を作ってみたので……》


 《2()()()()()()()()()()()



「お弁当」

 夏葉からのRainを確認して思わずほっと息を吐く。剛志からの話で何らかのトラブルに巻き込まれた事を懸念したのだが大丈夫そうだ。

 しかし、朝に出会ったタイミングではなく、何故このタイミングなのだろうか?

 そんな事を考えていると続きのメッセージが送られてきた。


 《本当は朝。通学中に伝えようと思っていたのですが……その日の朝に突然言ったら迷惑かもって》


 《そう考えたら怖くなってしまい……ごめんなさい》


 優太は夏葉からのRainにわざわざお弁当を作ってくれたという事実に嬉しさがこみあげ、『ありがとう。体育館裏。了』と返信する。

 お昼が待ち遠しくなる優太。楽しみ過ぎて今のところこれといって特に被害もないクラスメイト達の事は既に忘れ去っていた。



 そして、時は流れ。



 昼休みに入り5分が過ぎていた。急いで夏葉との約束の場所へと向かう。授業が長引いてしまったのだ。

 Rainで伝えているとはいえ、人気の無い場所で、5分以上も夏葉を独り待たせてしまっている。


 体育館裏まであと少しというところでそれは聞こえて来た。

「や、やめてください!」

 怯えた女子の声が響きわたる。トラブルが起こっているのだろう。その声に優太は焦る。

 声の主は間違いなく待ち合わせの相手……

「夏葉ちゃんどうしたっ!」

 大声をあげ、自身の存在を示しつつ走るスピードをあげる。


「やべぇ」

「ちぃっ。誰か来やがったか……逃げるぞ!」

 少年の声と足音が遠ざかっていく。

 優太が現場に着いた時には少年達の姿は無く、体育館の壁際で震えながら座り込む夏葉の姿。

「夏葉ちゃん!」


「遅れてごめん……大丈夫か?」

 衝撃的な展開に動揺した優太は夏葉に慌てて駆け寄り、矢継ぎ早に尋ねた。

「何があった? 怪我は無いか? 本当に痛いところとか無いか? 何かされたのか? イジメか?」

「ぜんぱい……ごわがっだよぉ!」

 夏葉は優太の足にしがみつくと安心から涙腺が崩壊してしまう。



 2人は落ち着きを取り戻すと、体育館裏の扉前の階段に並んで腰をおろした。

「それで何があった?」

「…………」

 夏葉は優太の制服の裾をぎゅっと掴むと震えの残る声で話はじめるのであった。



 夏葉ちゃんの話によると先程の少年達は2年の不良グループとのことだった。

 彼等は何故か夏葉ちゃんが……その……ビッチで誰とでもお金でヤるような女だと勘違いし。誘われたそうだ。

 当然。夏葉ちゃんは断るも彼等は夏葉ちゃんの手を掴み何処かへと連れ込もうとした……



「私。そんな女の子じゃないのに……何故?」

 夏葉は膝を抱えてポツリとつぶやいた。

 彼女のつぶやきを聞き、

「夏葉ちゃんの性格やイメージからして、今回の(コレ)はありえないよな……」

 何故だろうと思考の海に沈むその寸前。

「あっ」

 夏葉は悲しそうな声をあげた。


「お弁当が……」

 地面に転がる弁当箱を悲し気な表情で見つめる。

 弁当箱に歩み寄り、力無く拾い上げる。

「せっかく作ったのに」

 弁当箱の中身はパッキンと押えのゴムバンドが役目を果たし無事ではあった。中の見た目を気にしなければではあるが……


「先輩。ごめんなさい。お弁当は。

 こんな時間じゃ、購買も録なメニュー……」

 泣きそうな表情で謝り、購買で昼食を勧めようとする夏葉に優太は出来るだけ優し気な声音を意識して。

「何言ってるんだよ。せっかく夏葉ちゃんが俺の為に作ってくれたんでしょ。中身だって無事なんだしさ。是非食べたいよ。

 一緒に食べようぜ……な?」

「先輩……でも……」


「本当に良いのですか?」

「ああ」

 夏葉の問いに優太は頷く。そして、彼女からお弁当を受け取り、蓋を開けた。

 元々は綺麗に盛り付けられていたであろう夏葉の手作り弁当を2人は並んで食べはじめた。

 夏葉の手料理の味は、とても美味しかった。


「ご馳走さま。美味しかったよ。ありがとうな」

「お粗末さまです」

 優太の表情にほっと息を吐くと夏葉は新たな決意を表明する。

「先輩。やっぱり私。納得出来ないので明日。リベンジさせて下さい。

 そして、ご。合格でしたら私に毎日先輩のお弁当を作らせて下さい!」

優太は夏葉の提案に目を丸くして驚くと、

「えっ。手作り弁当。凄く嬉しいけど……良いの?」

「はい!」

 夏葉は眩しい笑顔を浮かべて頷いたのだった。



 2人は並んで座り、お喋りをして昼休みの残り時間を過ごしていた。

 優太はこのまま、まったりとした時間が過ぎていくと思っていたが……

『…………』

 昼休みも残り10分を切った辺りから夏葉の様子が徐々に変わり、それにともない場の雰囲気も緊張したものに変わっていった。


『…………』

 緊張に耐えきれずに優太が口を開きかけたその時。

「先輩。ごめんなさい!」

 今日、何度目かの『ごめんなさい』の言葉。

 突然の謝罪に戸惑う優太。そんな彼に夏葉は()()()()()を告げる。

「これを見て下さい」

 夏葉はポケットからスマホを取り出し、優太に見せる。

 そこにはある女性YouTuberの動画が映し出されていた。

「実は私。ユーチューブでKOYO-って名前で活動しいて。

 この前、先輩と2人でカラオケで歌った事が嬉しすぎて思わず……」

 言って、夏葉は動画を再生した。



「先輩。たまにで良いので……私とユーチューブで活動しませんか?」



 それは衝撃の告白であった。驚き過ぎて記憶がとんだ。

 最近はYouTubeを全く見ていなかったから気付かなかった。2人の歌がバズっていたなんて……

【呼び出した理由が予想外だった】を最後までお読みいただきありがとうございます。



植えた種の収穫もぼちぼちはじまりました。

まだ植えていない種は1つありますが……


収穫といっても今回のKOYO-の正体はバレバレだったと思いますが。



次の話で最後の種をまく予定です。



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― 新着の感想 ―
[気になる点] この男子生徒達のやったことって、暴行傷害事件ですよね。指紋も残っているはずですし、今後二度と無いよう学校ではなく警察に被害を届け出るのがよいと思います。 そこまで大事にすれば、噂の出所…
[一言] まいた種が綺麗な花を咲かせるといいなぁ!
[一言] ナッナンダッテー(棒) でも、やっと歌い手だって告白できたのと、一緒に誘えたのは勇気出して頑張ったんですね。
感想一覧
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