第二の人生
初投稿です。これからがんばりますので、よろしくお願いします。
「お兄ちゃん助けて……」
――俺が最後に聞いた言葉だ
――妹を助けることができなかった
――あぁ、そうか、俺は弱かったのだな
――もっと強かったらな
そして、俺と妹は盗賊に襲われて息を引き取った。
―――― ―――― ―――― ――――
目が覚めると、見えたのは木材でできた天井だった。
――妹はどこだ?
妹の無惨な姿が浮かんだ
あぁ、妹は死んだんだ――俺のせいだ
もっと俺が強かったら――守れた――かもしれない
それより――ん? 俺は死んだはずでは……
いや、死んでいる……と思う
だって――俺赤ちゃんになってるもん
なんで――俺は赤ちゃんに戻っている……妹は……どこだ
――まさか、時間が巻き戻ったのか·····
その考えはすぐに消えることになった。
それは……
「双子の赤ちゃんです。おめでとうございます」
と一人の女性が言ったからだ。
俺は双子ではなかった。だからこれは新しい人生なんだろう。
そして――おそらくだが、この隣にいる女の子は俺の双子の妹か姉だろう。
前世では守れなかった……だが、つぎは……必ず……
絶対にこの子だけは守る。
俺はそう誓った。
さて、守るためにどうすればいいのか
俺は必死に考えた
「この子、何か真剣な顔をしてるわね」
「頭がいい子に育ちそうだ」
おっと……顔に出てたみたいだ
俺は一応、無表情を意識した。
そしては考えた。しばらく考えると、あることに気が付いた。
とても単純だが、とても難しいこと。
俺が誰よりも強くなればいいってことに……
前世は村一番の魔法剣士って呼ばれて、それで満足していた。
だが、それでは足りないことを痛いほど理解した。
だから、強くなる必要がある。
そのためには自分の適性を知る必要があるな。
適性がないと魔法を使うことができない。
そして、適性にも種類が七つある。
火・水・風・土・光・闇・無だ。
無は他六つの属性に入らない魔法などのことだ。
例えば、身体強化である。
この無属性の適性を持つ者は少ないが、あまり重要視されていない。
それは、この無属性魔法は魔力を多く使うため、ほとんどの人が扱えない。
たとえ扱えたとしても六つの属性に比べると、威力が弱いからだ。
さて、俺の適性は何だろうか。
適性の調べ方は、目を閉じて心の中でそれぞれの属性の魔法を何か唱える。
そうすると、適性があるならば魔力が体の中で循環しているように感じるのだ。
前世での俺の適性は、火と水だった。
適性二つ持ちは結構レアである。基本、適性は一つ。
よし……やるか。
やはり、どきどきするものだな。
火からやろう。
心の中で『ファイヤーボール』と唱えた。
何も感じなかった。どうやら、火の適性ではないらしい。
そして、水、風、土、光とやっていったが、一向に適性が見つからない。
俺、闇属性なのか……ちょっと扱い難しそうだな。
と思いながら、『シャドーボール』と唱えた。
だが、何も感じなかった……
――まさか、俺――無属性適性なのか・・・?
心の中で『身体強化』と唱えた。
俺は力が強くなった感じがあった。
あ……これは確定だな。
まさかの無属性適性・・・
だが俺はあきらめたりしない。
魔力さえあれば強くなれるはずだ!
今後の方針が決まった。
それは魔力量を増やすことだ。
魔力量の増やし方は、とにかく体内の魔力をゼロにすることだ。
そうすると、魔力量が拡張される。
これはあんまり知られていないが。知っていたとしても誰もやらない。
それは、魔力がゼロになると全身に激痛を伴うからだ。
当然、俺も前世でやったことはない。
だが俺は決めたんだ、強くなって守ると……
だから、手段は選べない。
とりあえず一回やってみることにした。
魔力を放出する方法は知っていたので、簡単にできる。
前世の知識があると、いろいろ便利だ。
生まれたばかりだからか、魔力が少なく、すぐゼロにできそうだ。
そして、魔力をゼロにした。
「うぅ……」
やはり痛い。だが耐えねば。
俺が泣きそうな声を出していたからか、一人の男が俺を抱き上げた抱き上げた。
「パパだよー。どうしたのかな? よしよし」
「おなかすいたのかな? 私みるくとってくるね。 あなた二人をよろしくね」
どうやらこの二人が父と母のようだ。
それにしても、二人とも超絶美男美女だな。
ちょっとうれしい……
――て、あれ? もう痛みがない……
どうやら俺は、魔力回復速度とても速いらしい。
これは好都合だ。
何せ、痛みを感じる時間が短くなるし、痛いけど魔力拡張が何回もできそうだしな。
そして今日一日だけでも五回やった。
翌朝、父と母と戯れていた。
もちろん妹もだ。
昨夜、父と母の会話を聞いていて、俺のほうが先に生まれたことを知った。
そして俺はフォール、妹はエアリと名付けられたことも知った。
両親の名前は父がカイン・アッベッリーレで、母はルーナ・アッベッリーレだ。
二人とも冒険者であり、階級はBである。
冒険者の階級はG<F<E<D<C<B<A<Sとなる。
このSは、この世界ではたったの30人しかいない。
おれはこのSになることを目標にしている。
よし、がんばるぞ!!
そして俺は今日も魔力拡張を行った。
おかしな点などございましたら、教えていほしいです。それと、良ければ感想お願いします。