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第207話 貴族としては致命的




 凱旋パレードの真っ最中。



「ライアー! 私、やること、やることある故にちょっと結構バタバタするですっ! 大人しく、大人しくいてくださいね!?」

「信用なさすぎだろ」

「むしろ存在するとでも思うすてるのですかこの馬鹿!」


 王宮での謁見を済ませた翌日、私は宿にライアーを残して急ぎ足で出掛けた。


 凱旋パレードを見るため?

 いいや違う。


 ……正解は。






「口癖をどうにかしなさいと言ったよね馬鹿娘」

「たいっっへん、申し訳ございませんですっっ!」


 ファルシュ辺境伯王都邸でパパ上に土下座することだ。


 私の冒険者生活での目標設定は口調の改善。それを使命としてパパ上にグリーン領の首都ダクアへと放り出された。

 しかし冒険者生活は色々問題点が多く、人とコミュニケーションを取る間もなく時間発生案件発生戦争発生と発生しすぎじゃいボケッカスと言いたいほど色々、あの、なんていうか、不思議語の事は忘れてました。


「リアスティーン、いやリィン。私は別にね、君が冒険者生活をするにあたって、戦争を終わらせろとか、大金を稼げとか、そういうことは全く言ってないんだよ」

「はい! その通りです!」

「その素っ頓狂な貴族に有るまじき口調を誤魔化せるレベルに直せって言ってるんだよ」

「仰る通りで!」

「なのになんだいその体たらく。それで誤魔化しているつもりかい? 一切どうにもなってないんだよ」

「左様でござります!」


 謝罪を繰り出す。パパ上はそんな私を一瞥すると、一言呟いた。


「謝罪する時間があるならどうにかする時間もあるよね?」

「サー! イエッサー!」

「さて、入学を目前に控えたリアスティーン。入学までにやらないといけないことは?」

「口調は、テンプレートぞ使用します。言葉のパターン化、それと協力者ぞ作り学園生活を病弱な令嬢としてつつがなく問題なく送るようにするです! よって、言語のパターンを今すぐ作るます!」

「ふむ、問題なく学園生活が送れるかはさておき、言語のパターン化か。まぁそれはいいだろう、問題は他者の名前だ。ファルシュ家の一員として、人の名前を呼べない、なんて不名誉極まりない事などあってはならない、そうだよね? 君なら……覚えれるね?」


 出来ないとは言わせねぇぞ、って面して圧をかけてくる。私は無言で頷いた。パパ上、怖い。


「さて、他にやる事は?」

「あ、パパ上……。その、奴隷が、うん、奴隷と言うには危険極まりなきですけど奴隷が……」

「学園が始まる前にどうしても飼いたいって事かい」

「……はい」


 というか飼わざるを得ない、というか。

 あはははー。冷や汗をかいて視線を逸らしながら言った。


「えっと、パパ上には私が冒険者として戦争に行くすて、戦争終結の一人となるすたという説明は大まか省略させていただくです」

「うん」

「……昨日、国王陛下と会談しますた」

「手が早いんだよ」

「言い方」

「なんだって?」

「なんっっでもなきですっ! ……それで、今回の戦争終結の英雄は『女狐』という事になるしますた」

「……! あぁ、なるほど。じゃあFランク冒険者が奴隷を持つのも、リアスティーンが奴隷を持つのも違うって事か」

「女狐には、奴隷貸し出し、という形で処理するも良きですけど……。少々手間ぞかかるます故に」


 パパ上は1を言えば10を知るタイプの人。

 私の説明は簡単に言うと『奴隷という身分を隠して幹部を飼いたい』って話。


「ちなみに、どれ?」

「シュランゲと」

「……うん」

「クラップ、グルージャ、シアン、アダラ、べナード、王様」

「多いんだよ馬鹿娘」

「アダラとべナードに関すては押し付けるされたんですよ! いやバブエルフと頭リックに任せるよりは確かに楽なのですけどね? ──幹部の約半数ってどういうことぞ!? それ明らかおかしくなきですか!? 反乱しろと!?」


 私がトリアングロになるんだって?

 馬鹿野郎しばくぞ。


「いやアダラとべナードって2人を除いても多いんだよ」

「んぐ」


 そ、それだけ頑張ったんだよ。



 戦力分散は基本だろうに奴隷契約というファンタジーな魔法のせいで元権力持ちが私に偏ります。勘弁してくれ。


 私が国家に反乱を起こせばト最終戦争リターンズだぞ? それでいいの?


「生憎と私には報告が回ってこなかったからね。……それで冒険者生活はどうだったんだい」

「コンビ組むすた相手がルナール」

「ほんっっっっと悪運に取り憑かれすぎじゃないかな!?」


 パパ上は私の行動探らなかったし、国王陛下もただのFランク冒険者の行動を辺境伯に流さなかったんだろうなぁ。


 あと素直に兄弟仲悪そう。


「ふぅ…………。まぁ、家の力なくよくそこまでやったよね」

「はいです。それはそれとして今からクラップに身分をバラすのが楽しみでならぬ。見ろ、お前の仕留め損なった辺境伯めちゃくちゃ元気ぞ」

「性格悪すぎない?」

「父親似、ですから」

「よし、その喧嘩買うよ」

「じょ、冗談ですっ」


 手のひら返しはくるっくるだよ。特技だよね。



「……それで、トリアングロの爆破がルナールだって報告で聞いたんだけと。そのルナール、どうなるか決まってるのかな? 元の陣営は、本当はどっち?」

「元の陣営は、トリアングロです。最終的に向こうを裏切るすたのみで。らいあるりぃ、らい、えっと、彼はシンクロ子爵になります」

「……ふむ、なるほどね」


 パパ上の脳内には私でも想像出来ない貴族としての利益や何やらが回転していることだろう。


「国王陛下の発表を待つには流石に遅い、な」


 パパ上は机にちらりと視線を向けると私をじっと見た。


「えっ、と? パパ上?」

「冒険者生活、楽しかったかい」

「うん。とっても」

「報奨金があるだろう、それは君が個人で持ちなさい。例えばうちから勘当された時用に」

「恐ろしきこと言わぬでくださいます!?」

「とりあえずトリアングロのペットは君の部屋の方に押し込める形で飼うか……。あぁ、これはもうFランク冒険者のリィンとリアスティーンの繋がりを国王には隠し通せないな。だが、まぁこちらからわざわざ言う必要は無いだろう、リアスティーンにタイミングは任せるよ」


 大変、大変申し訳ないと思っております。


「か、可愛い姪っ子で媚ぞ売ります!」

「……ちっ、知られたか」


 その舌打ちは恐らくパパ上が王弟殿下であるということに対してだろう。

 幹部に関しては、処理がまだ決定してないし奴隷なら奴隷商でもいいんだろうけど、流石に放置したままには貴族的に出来ないっぽい。脳死は庶民まで。今もものすごい勢いで頭が回転してることだろう。


 私? もう疲れたよパトラッシュ。


「とにかくリアスティーン、君は礼儀作法と勉学の復習を。入学の準備を速攻で終わらせるよ」

「はい!」

「ちなみにだけど、馬鹿娘。控え室で待機させてるシュランゲに関してはどうするつもりだい」

「……実は──」


 私は視線を強く、パパ上に向けて話を切り出した。



「──学園に、連れて行くしようかと」

「ぶ、ははは! ほんと、突飛な事を思い浮かぶな馬鹿娘は!」

「あいててててパパ上頭ちぎれりゅううう!」

「その心は?」

「幹部連中の中で最も目ぞ離すしては危険故に、ですかね。ルナールはFランク冒険者の私が。そして学園は全寮制で、姉様も兄様もメイドや執事ぞ連れて行くすてます。私には個人の従者ぞおらぬ故に、執事としての経験ぞ存在するシュランゲが手駒の中で最適解かと」

「…………うん、いいだろう。そこまで考えれるんなら許可しよう。オベハ!」


 パパ上が名前を呼ぶと、即座に出てきたのはパパ上の従者。というか補佐役。

 細かく言えば執事なのか従者なのか補佐なのかちょっとよく分からないけど、家来の中で一番偉い人がオベハさん。


「お呼びですか、我が君」

「グリーン子爵の執事いただろう。彼がリアスティーンの執事になるからうちのやり方を叩き込んでおいてくれ。それと彼女の入学準備をシュランゲに任せろ」

「と、言いますとヴァイス・ハイトさんですか。お任せ下さい」


 オベハさんはシュランゲよりは若い。パパ上と同い年くらい。執事歴もおそらくシュランゲの方が長いだろう。

 うん、我ながらいいチョイスだ。私が貴族令嬢としてイレギュラーで満足にいかない存在だから優秀な人が執事になるのはありがたい。


 こき、使ってやるからなシュランゲ。


「ところでリアスティーン。君、学園で協力者を作りって言っていたけど、候補はあるのかい?」

「あります」

「へぇ……。社交界に出てもいないのに、確信してるんだね」

「はい。まぁ、ちょっと紹介ぞしてもらわなければならぬですけど……」


 まだ、出会ってない。

 そういう意味を込めて呟くとパパ上は見るからに不思議そうな顔をした。


「ちなみにその協力者候補、誰なんだい」


 私はオベハさんを向きながら言った。


「──エルドラード」

「…………」

「…………オベハ」

「お嬢様にもバレてしまっていたのですね」

「まぁ、うん、非常に不愉快な家だけど、協力者になってはくれるね」


 私は予想が当たったことにガッツポーズを浮かべた。エリアさんがエンバーゲール様にあれだけのど根性見せてくっついて行ったんだ。同じく元は王家第2王子であるパパ上にもエルドラードがいると思ったよ。

 家を思い返してみて、1番『らしい』のは誰だろうと考えた結果、オベハさんしか居なかったよね。


「多分私にも従者候補居ると思うですけど」

「あーうー、はい、居ますね。ただ私の家ではなく、本家のエルドラード家から輩出されますが」


 エルドラードはクアドラード王国の七不思議に登録されてもおかしくないと思っている。


「あ、そういうすれば」


 パパ上、ちょっと、金貨2万枚くらい払うから2人ほど先手を打っておきたい人がいるんだけど。




 ==========




 パパ上に土下座謝罪してから早数日。

 辺境伯王都邸と宿を行ったり来たりする慌ただしい生活だ。昼間は貴族令嬢として入学準備、夕方からは宿に戻ってライアーの監視。こっそり貼り付けられてあるであろう国からの監視をあの手この手で回避しながらの二重生活。


 今、1番疲れてるのは私だと思う。




「リィン助けてくれ!」

「リィン頼む力を貸してくれ!」


 そんな中、宿でライアーとくつろいでいると、他の月組が王都に来るのを待っているリックさんとグレンさんが駆け込んできた。ちなみに2人共私達と同じ宿に泊まっている。

 クランが揃ったら宿ではなく家を買って拠点にするらしいので、月組がやってくるまでだ。ちなみに拠点探しはタイミングがあったので一緒に回ってみました。


「……お前ら、一体」

「冒険者ギルド経由で指名依頼が入ったんだよぉおお! しかも超! 強制!」

「良かったな」

「良くねぇんだよそれが!」


 2人は真っ青な顔をして頭を抱えた。

 いやー、Cランク冒険者大変だね。強制依頼が発生するんだから。義務無しFランク万歳、気付く前で良かった。


「……ファルシュ辺境伯に、呼び出された」

「何やらかしたんだ」

「いっぱい」


 戦争、しちゃったもんね。

 私は他人事を眺めながら一応救助内容を聞いた。


「んで、私に助けるすて欲しき事って?」

「き、貴族の家に行くのに何したらいいのか全然、っ、全っっっ然分からない! 頼む、教えてくれ! 菓子折り必要か!?」

「私に聞くすれば何事でも分かると思うすてる節無きですか」

「そんなことはある」

「めちゃくちゃある」


 思わずため息を吐いた。

 普通の庶民は子爵ならともかく辺境伯なんて位の貴族に会うことは無いもんねぇ。


 私は一息吐き出して2人に教えた。


「服は、グリーン子爵の用意すてくれたやつで。それと、手土産は必要なきですね。庶民の用意するもの、貴族が用意出来ぬわけがなき故に」

「ふむふむ」

「後は素のままで良きでは?」

「急に投げやりじゃん」

「まぁその真新しき怪我位は手当てすておいた方が良きですよ。何があるすた?」


 2人はただでさえ幹部との戦いで怪我だらけ。冒険者活動は一時的に休止するくらいに。特にリックさんの右耳は……うん、取れちゃってるもんね。多分聞こえないだろう。

 だと言うのに、既に生傷が出来ていた。何してんだよ。


「庭でライアーに稽古つけて貰ってたんだよ」


 グレンさんがそういう。

 私はライアーを見て首を傾げた。


「弱いことは実感出来たしさ、ライアーが俺らより強い事は明白だから。じっとしてられなくって」

「そうなんだよ。体が本調子じゃないから、体に感覚を合わせるためにも付き合ってもらっててよ〜」

「ま、一日でも怠けるとそれこそ無駄になるからな。1対2は丁度いい」


 前衛職、よく分からない。

 いやグレンさんは私と同じく魔法職だけどさぁ。


「と、言うことで。私は眠き故に寝るです。明日も早きですし」

「えぇっ!」

「そういやリィンはここ最近何してるんだ?」


 ライアーの疑問に、私は答えた。


「──悪巧み?」


 ドン引きした表情が見れましたとさ。




 ==========







 翌朝。

 リックとグレンは辺境伯王都邸へと訪れていた。


 オベハという執事に案内され、向かった先は応接室。寛いでお待ちください、と言われたものの、緊張で喉から心臓が溢れ出そうな状況に寛ぐことなど出来るか。


 それから5分にも満たない時間が経ち、現れたのは辺境伯ローク・ファルシュ。


 顔を見た瞬間思わず、警戒した。

 その威圧感に。他人を容赦なくひれ伏せる事が出来る雰囲気。これは、王だ。視線ひとつで誰かを支配することが出来る王の気配だ。


 2人は礼儀的に頭を下げるべきだと思ったけれど、直感的に頭を下げることができなかった。



 今ここで、頭を下げたら。

 この人こそが自分達の主だと屈服してしまうようで。


「初めまして、Cランク冒険者のリックとグレン。私はファルシュ領を治めている、ローク・ファルシュだ」


 ロークは言葉を続ける。


「私は無駄話が嫌いでね。早速本題に入ろうか。……君達を呼び出したのは他でもない、ファルシュ家の私兵として君達を登用しようと思ってのことだ」

「「っ!?」」


 ファルシュ家の私兵。

 武勲を上げ、それで貴族に名前が知られ、雇われる。そのひと握りの幸運が2人の前に振り落ちた。


 首都では無い、ただの村の庶民として最底辺にいた2人が、貴族に……しかも辺境伯に登用されるということは、血統重視寄りのクアドラード王国にしては珍しい事。


 しかもロークはただの伯爵では無い。

 元王族の、辺境伯だ。


「私の権限で騎士爵として国に申し付けよう。貴族、とは少々言い難いが、騎士爵の位を得て、2人には頼みたいことがある」

「き、騎士爵……俺たちが、ですか」

「あぁそうだ。不満かい?」

「不満と言いますか。……俺たちには力不足だと思います。その日暮らしの、冒険者としてはランク上げをしてもCランク程度です」

「俺も、そう思う! 勝つことなんて珍しいし、俺は負けました。俺はとっても弱い、守りたいものも、俺では守れなかった」


 2人は視線を合わせずとも意見が一致した。

 あの戦争で、リックとグレンが得た物は少ない。金銭? 名誉? そんなものはどうでもいい。ただ、太陽の光を得た。

 失った物は多い。がむしゃらに生きても、守れないことを知った、頭の悪い生き方で、捨てられないことを知った。命を取りこぼした。



「負けは、現状の認識であって弱さの証明ではない。そして強い者は最初から強いのではない。負けを知り、強くなる」


 ロークは実感の籠った言葉を2人に投げ掛けた。


「トリアングロの幹部を撃破しておきながら、よくそこまで謙虚に出来るな。君たちはもう少し驕っても構わないと、私は思うけどね」


 ……情報が速い。

 グレンは静かにそう思った。冒険者としては手柄が公表されず、女狐という英雄が誕生する。だから2人が目立つことは無い。そう思っていたのに。


「2人に頼みたいことはね、護衛だ」

「護衛、ですか」

「あァ、私の娘は非常に体が弱くてね、とても病気しがちで。だと言うのに個人的な部下を全然持ちやしないんだ。もう、とてもとても心配でね」


 途端にまくし立てるように早口になったローク。内心、そんなことは微塵も思ってないのだが、勢いで流すように語りかけた。


「そこでだ、今回の戦争の立役者の君達を登用して、娘の護衛を任せたいと思っている。あぁ、もちろん君達のクランごと、だよ。だからこそ、その代表者の2人には騎士爵として階級を与えたいと思っているんだ」


 おちゃめなウインクをしたロークは、断る気だろう冒険者の返事も聞かずに扉を開けた。


「さて、娘を紹介しよう」


 2人は目を見開く。


 貴族令嬢は緑のドレスを纏って麗しい笑みを浮かべていた。深窓の令嬢、なるほど、確かにか弱そうに……見える。

 そう、見えるだけである。



「娘のリアスティーンだ」


 パチリ。辺境伯の末娘と、冒険者の視線が交わる。

 彼らは彼女を、視た。




「「──そういうことかよっっっ!」」


 手のひらを速攻で返して、騎士爵を得ることになった月組の2人は、イタズラな笑みを浮かべる深窓の令嬢を前に叫び声を上げた。







 ねっ、私には本当の名前があるって言ったでしょ。

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[一言] 遂に月組に正体を表したか...長かったー!この二人の反応をずっと待ってた!
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