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固有職業『龍人』を得た俺の異世界生活  作者: Scherz
4章:街立魔法学院
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4-16.魔法陣の強化

 ランクアップクエスト達成後、俺は実力アップの為に人生で1番の努力を重ねた。1週間だけね。

 授業後は図書館で魔法陣の知識を詰め込む。

 授業やその合間に得た知識を元に、使用する魔法陣の改良に勤しむ。

 やったのはこれだけだ。単純明快。

 …今、それで人生で1番の努力?って思っただろ?

 一応言っとくけど、結構大変なんだからな?書物を読んでいる時は眠いし、魔法陣の構成を考えるのも全然上手くいかないし。

 えぇ。俺にとっては地獄の1週間でしたよ。


 でも、努力は身を結ぶって事も分かった。


「出来た!!!」


 何度も繰り返した魔法陣の構成が遂に成功したんだ!

 これでマルチタスクキャパオーバーの問題が解決出来る!ひゃっほーう!!


 …コホンコホン。


 詳しく説明すると、俺が同時に制御出来る魔法の限界は…

・魔法陣6個

・無詠唱

 …この同時制御だ。

 これだと、四方を探知魔法で警戒しつつ戦う場面では探知魔法を4個使うから、2個の魔法陣しか戦いに使えないんだよな。

 敵の数が確定してる状況じゃ無い限り…常に索敵に魔法陣を裂かれる事を意味する。

 最たる例がこの前のエレメンタルウルフ討伐クエストだ。同時に使える魔法陣の数が少ないと攻撃パターンが限られちまうからな。まぁ…高火力の攻撃が出来るんなら話は変わるんだけど、そんな簡単に習得出来ないしね。

 んで、俺が図書館で読み漁った魔法陣の文献から見つけたのが、魔法陣自動更新機能の組込みと、全方位型の探知魔法陣だ。

 これらを組み込むにあたっては魔法陣の基本概念の理解が必要だった。

 元々何となくのイメージでは分かってはいたけど、実際にちゃんと勉強すると…結構難しかった。

 先ず、魔法陣は層で構成されている。イメージは木の年輪。ざっくりまとめるとこんな感じらしい。


【基本構成】

中心層…属性構成

外周層…付与構成


【魔法陣の理想構成】

中心層…属性構成

外周層(中心側=1)

1…密度調整

2…形状付与

3…軌道設定

4…速度設定

5…発動時間設定


 …うん。難しい。けど、こういう風に魔法に求めるものを構成として組み込んでいく事で、魔法陣は強化していけるらしい。

 今回俺が発見した自動更新は外周層6に。指向性だったものは外周層3の軌道設定を全方位に組み替える事が可能だ。理論上は。

 言うは易し、行うは難し…って言葉の通りで、大分苦労した。そもそも展開する魔法陣の外周層を追加したり、一部変更するってのが難易度高いんだよね。

 最初は全く出来なくて、紙に魔法陣を描いてイメージしてたんもんな。

 でも、地道な努力の甲斐あって…さっき叫んだ通り、全方位型探知魔法陣の発動に成功したのですよ!!

 誤爆したり、ラルフ先生に誤射して殺されそうになっても諦めなくて良かった…!

 これで1つの魔法陣だけで周囲の探索を行い、残りの5つの魔法陣を戦闘に充てる事が出来る。


 この成長はマジでデカい。攻撃しつつ防御しつつ陽動しつつ…という戦い方が出来るんですよ!

 これで、マルチタスクキャパオーバーの問題は一旦は解決だ。勿論、魔法陣の同時展開数を増やす努力も怠っちゃダメだけどな。


 こうして、ひとつ成長した俺は、意気揚々と学食に昼ごはんを食べに行く事にしたのだった。

 ご飯を食べるお金があるのも、最高ですよ!!


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 魔法陣の強化を終えた俺は学食へ早足に向かっていた。

 授業と昼休憩の合間にチョロッとやるつもりだったのに、思わず熱中しちゃったからな。魔法陣強化に成功してテンション爆上げだったから、しゃーないんだけど。

 早く食べないと午後の授業になっちまう。

 学食に到着すると火乃花、遼、バルクが3人で仲良くご飯を食べていた。そんなに仲良かったっけ?

 もしかして俺がギルドクエストでお金を稼いでいる間に、友情が芽生えたのか?…このままじゃボッチになっちゃう!!


「あ、龍人〜!」


 ボッチの恐怖に怯える俺に遼が笑顔で手を振ってくれた。…これこそ友情!


「皆で集まってどうしたんだ?」

「おう!龍人!次の週末暇か!?」


 何故かウキウキした様子のバルク。え、何かイベントでもあんのか?


「暇だけど。いや、魔法陣の諸々やるなら暇では無いかな?」

「なーに硬い事言ってんだ!暇にしろ!暇に!」

「つーか暇だったらなんなんだ?」

「おうよ!食うぜ!」


 …おーい、この単細胞をどうにかしてくれ。説明が端的過ぎて何を言いたいのかサッパリ分からないんだが。

 俺がヘルプの視線を送ると、火乃花が呆れたように首を振る。やっぱ同じ事を思うよな。バルクはもう少し説明能力を培った方が良いと思う。


「龍人君…察してあげても良いんじゃない?」


 え〜…。まさかのバルク側ですかい。

 こうなったら割り切ってやるんだからなっ。


「いや、分からないものは分からないし。」

「しょうがないわね…。」


…理不尽。理不尽だし!!


「週末に中央区のグルメツアーに行こうって話をしてたのよ。」

「…流石にそれは分からんって。」

「そうかしら?週末、食うぞ…これだけで美味しいものを沢山食べるって想像出来ると思うけど。」


 うっ…!?なんなんだこの敗北感。悔しい、悔しいぞ!!

 でも、その提案は最高だ!


「想像力が乏しくてすいませんね。んで、その提案乗った!食べる!!」


 …ん?なんか火乃花がほっとした顔をしてるぞ。


「良かったわ。龍人君、この前までお金なさそうだったから。」


 つまり、俺は未だに貧乏人疑惑が掛けられているって事か!!


「変に気を遣わせちゃってごめんな。 」

「私こそ変な事言っちゃってごめん。」

「おーし!そしたら店を回る順番を決めるぞ!」

「いや、ちょっと待て。昼ごはん買ってくる。」


 俺は小走りで日替わり定食のカツ丼を頼んで受取り、遼達が座る席に戻った。

 あれ?人が増えてないか?


「龍人君こんにちは。楽しそうなお話をしていたので、一緒に行かせてもらう事になりましたの。」


 首を傾げて薄青髪を揺らしながら俺に小さく手を振るルーチェは、ニッコリと微笑む。


「いいね。そしたら皆で行くか。」

「楽しみですね。」

「まぁな。グルメツアーとかウキウキが止まらないよ。」

「私もいくつか美味しいお店を知っていますので、ご案内しますわ。」

「是非是非!」


 カツ丼のカツを口へ放り込む。肉汁とカツ丼の濃い目なタレ、そして卵のまろやかさが口の中で混じり合い、幸せ感が広がっていく。


「あの…私も一緒に行っても良いかな?」

「ん?」


 声のした方を見ると、恥ずかしそうな表情をしたクレアが立っていた。


「クレアか。」

「龍人君…クレアの事知ってるの?」

「おうよ。この前ドレッサーさんの所で装備を作ってもらう時に一緒だったからな。その後にギルドクエスト一緒にやったし。」

「そっか…。」


 えっ!?何か火乃花がジト目で見てくるんですけど。


「おい龍人!どうすんだよ?クレアが返事待ってんぞ?」


 バルクさんや。そう簡単に返事して良いのかイマイチ微妙な雰囲気を感じてるから…


「良いと思いますわ。美味しいものを一緒に食べるお友達は多い方が楽しいですの。ね?火乃花さん。」

「…そ、そうね。それじゃあこの6人で行きましょ。」

「ありがとっ!やったぁ。私美味しいもの食べるの好きなんだ。この席座っていい?」

「おうよ!好きなところに座れ!」


 あらあら。俺が答える前に決まっちゃったよ。

 てか、クレアが隣に座った時に良い香りが…。


「龍人。」

「…ん?」


 隣に座る遼が囁いてくる。


「何?」

「大変だね。」

「へ?」

「あ、バルク!今俺のイチゴ取ったでしょ!」

「はぁ…!?と、とってね、ねぇし!!」


 え?何が大変なの?遼はバルクと苺問答で騒ぎ始めちゃったから聞けないし…。


 結局、火乃花はチラチラ睨んでくるし、ルーチェは俺と穂乃果をチラチラ観察してくるし、クレアは横で楽しそうに笑ってるし。

 なんかとーっても居心地が良くなかったんですよ。


 ともかく、次の週末が楽しみだね!


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 その日の午後。

 修練場では対人戦の授業が行われていた。


「おい、てめぇら。相手を殺すくらいのつもりでいけ!タリスマン付けてんだから、簡単に相手は死なねぇ。全力の勝負経験に勝るものはないからな。真面目にやれよー!」


 ラルフ先生が檄を飛ばし、各対戦(4カ所)では皆が本気の戦いを繰り広げていた。

 俺はその様子を眺めながら、火乃花から尋問を受けていた。…何故だ。


「で、クレアと遼君とクエスト行ったのよね?」

「お、おう。」

「どーゆー経緯だったのかしら?さっきはクレアの隣に座って、随分鼻の下を伸ばしていたみたいだけど。」

「へっ?そ、そうか?」

「龍人君はあーゆー子がタイプなのね。」


 ひぃぃぃ!?火乃花が怖いのですが!

 俺、なんか悪い事したっけか?


「まぁ可愛いとは思うけど、タイプかってゆーと分かんないな。で、クエストに行った経緯は…。」


 強引に経緯の話を押し進める。どんな子がタイプ?の話は、何故か俺の第六感が危険だとアラームを鳴らしてるからな!


「成る程ね。ドレッサーさんの装備を貰った場の流れで、居たメンバーで行ったって事ね。」


 何故か満足そうに頷く火乃花。


「じゃあ、次の討伐クエストは……わた」

「ギョェェェェェ!?」

「危ねぇ!」


 咄嗟に火乃花の身を引き寄せ、飛来する人を避ける。

 ズガァァァン……。

 地響きを立ててソイツは修練場の地面に突き刺さった。


「オウ!悪いな龍人!火乃花!」


 吹き飛ばした犯人はバルクか。格闘がやたら強いからな…きっと空中で回し蹴りでも叩き込まれたんだろう。…いたそー。


「ちょっ…龍人君?」

「ん?」


 気付けば、俺は火乃花をお姫様のようにして抱えていた。

 危機を救う白馬の王子様みたい。次に言う台詞は「火乃花よ。私が来たから大丈夫だ。かの敵は私が倒そう。そして、共に城へ帰ろうではないか!」だな。

 よし。ここは遊び心で誤魔化して…。


「どこ触ってるのよ!!」

「ウギャ!?」


 ガン!!っと脳天に拳が垂直落下する。

 あーお星様が飛んでるよー。

 なるほど。右手がヤケに柔らかいものを掴んでいる気がしたけど、そういう事だったのね!

 不可抗力だーー!!


「おーし。次は火乃花と龍人が戦え!…ってお前ら、何イチャついてんだ?」


 ラルフ先生…セクハラ疑惑を掛けられている俺が、被害者本人の火乃花が戦ったらやばいでしょ!?


「イチャついてません。龍人君と戦うんですよね?わかりました。……全力で頑張ります。」


 うわ。最後のトーンが本気だったよ。


 それから10分後。真っ黒焦げになった俺は保健室へと運ばれて行くのだった。

 …タリスマンがダメージの吸収限界を超えて砕け散り、その後も怒涛の攻撃に立ち向かい続けた俺ってマジで勇気あると思うんだよね。

 最後は真っ黒焦げだから実力不足は否めないけど…。

 

 因みに、保健室でリリス先生の献身的な回復魔法を受けた俺は、ちょっとだけ幸せな気持ちになったのだった。そんな事誰にも言えないけど。


 週末のグルメツアーが楽しみだ!

 火乃花の地雷を踏まないように気を付けないとな…。下手したら俺が丸焼きの料理にされちまう。

話をスムーズに進めたいんですが、執筆していると話が膨れてしまい、当初の予定通りに進まないですね。


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