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3-5.街立魔法学院入学試験 保健室

予約更新ミスってました。申し訳ありません。

 …誰かの話し声がする。


「へぇー。そうなんだね。」

「はい。なので、俺と龍人は昔から一緒に特訓してきたんです。」


 この声は遼か。話し相手は誰だ…?こんな可愛い声の女の子と知り合いだったっけ?


「それでも2人とも強いよねっ。私、見てて感動しちゃった。」

「か、感動なんて…恥ずかしいです。」


 おいおい。俺が寝てる横で甘い雰囲気の会話すんなし。

 ゆっくりと目を開けると、照れ顔で頭をポリポリする遼と、優しく微笑むゆるふわ金髪パーマの可愛い女の人が俺の横に座っていた。


「あ、龍人!大丈夫?」


 俺が目を開けた事に気づいた遼がホッとした顔で聞いてくる。


「あぁ…。可愛い女の子と話して照れる遼よりは元気かな…?」

「そっ、それは誤解だし!」

「ふふっ。2人とも仲が良いんだね。」

「まぁそんなに仲良くはあるかな?」

「紛らわしい言い方だねっ?」


 俺と遼のいつも通りな、下らないやり取りを聞いて笑った可愛い女の人は俺の顔を見てにっこり微笑む。

 なんだこの破壊力…!?胸がときめく!?とはならないけど、そうなってもおかしくないレベルの可愛さだな。


「龍人君は大怪我したばかりなんだから、ふざけ過ぎないようにね。あっ、私はリリスだよ。街立魔法学院の保健室で教師してるんだ。」

「保健室で教師?」

「うん。基本は回復とか浄化の授業を担当してるよ。後は、龍人君みたいに怪我した人がいたら私が治すんだ。」


 成る程。つまり、この…リリスとかいう可愛い教師に会いたくて怪我をする輩が沢山いるって事だな。

 恐るべし魔法学院。青春男子の心を分かってるじゃないの!


「それにしても昨日の試験で大怪我したのは龍人君だけだから良かったよ。あんまり沢山の人が運ばれてくると、私も大変になっちゃうもの。」


 そうだよな。1人で大勢の怪我人を相手に奮闘するのは、ゴブリンの群れと戦うよりも何倍も大変そうだよ。

 …ん?待て。今…昨日って言わなかったか?


「リリス先生…今、昨日って言ったか?」

「え?うん。昨日だよ。」


 キョトンと首を傾げるリリス先生である。可愛い。

 …じゃなくて、俺は1日寝てたのか。

 火乃花との戦いで壁に叩きつけられたのは覚えてたけど。


「あ、そっか。龍人君は気を失ってたから分からないよね。もう大変だったんだよ?肋骨は数本折れてるし、腕の骨も折れてるし、火乃花さんに叩かれたお腹は酷いやけどだし…。久々に頑張って治しちゃった。」


 それ…頑張って治せるレベルなのか?

 慌てて身体中を確認するけど、傷跡は全く見当たらなかった。


「龍人、本当だよ。」


 遼が神妙に頷く。

 マジか。

 完全敗北じゃん…。俺、Colony Worldの時は火乃花より強かったんだけどな。やっばり使える魔法が同じでも身体能力とかが違うのか?

 やばい。ガチでヘコみそうだ。


「あ、もうこんな時間っ。私は用事があるから1度出るね。遼君も龍人君も今日はここに泊まって良いよ。この部屋の奥にお風呂もあるから自由に使ってね。」

「分かった。ありがとう。リリス先生。」


 教師っぽい真面目風な顔で頷いたリリス先生は、保健室から出て行こうとしてパッと振り向く。


「あっ。そうだ。君達、今日は無茶しちゃダメだよ?2日連続で保健室に運ばれてくる人なんて珍しくて、私ビックリしたゃったんだから。明日も怪我しないようにする事!」

「え、あ、はい。ごめんなさい。」

「分かればよーし。じゃあまた明日の朝ね。」


 そこまで言うとリリス先生は保健室から出ていった。

 2日連続…って事は、森林街でボロボロに傷ついた俺達を治してくれたのもリリス先生って事か。

 まだ入学も決まってないのに、迷惑かけっぱなしだな。

 てか、今の話だと明日が3つ目の試験って事なんだろうな。

 遼に確認すると、試験内容は未だ不明だとか。焦らすじゃないの!


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 それから俺と遼は順番に風呂に入った。もう夕方だったからな。

 え?保健室で2人きりなんだから、一緒に入らないのかって?

 …どんなボーイズラブを想像してんだし!


「ふぁぁぁ。なんか龍人が目を覚ましたしってので安心したら眠くなってきたよ。」


 リリスがいつの間にかに準備しててくれたサンドイッチを食べた後、遼はベッドに寝転がるとトロトロし始めていた。

 良いな眠くて。俺なんかずっと寝てた弊害なのか…すっげー目が冴えてるんだが。


「おう。寝れ寝れ。」

「龍人は?」

「全く眠くないから、もう少し起きてるわ。」

「そっか。じゃあ遠慮なく…。」


 1分後。遼はスヤスヤと寝ていた。寝付き良すぎじゃない?


 暗くなった外を見ながら…地球の事、Colony Worldの事、今住む世界の事に思考を………止めよう。考えても答えは出ない。

 少し散歩でもすっか。

 と、言う事で俺は保健室から修練場に出た。


「満開の星空ってやつだな。ん?満天の星空だっけ。」


 大小様々の星が瞬く星空は、ずっと眺めていたい気持ちにさせる。

 そーいや、火乃花との模擬戦で気付いたんだけど俺って必殺技みたいなの無いんだよな。いや、普通無いのか?

 でも火乃花が使ったスキルの真焔【戦神ノ業焔】みたいなのが俺にもあればかっこいいんだけど。

 因みに、真焔【戦神ノ業焔】はColony Worldと同じなら、身体能力を時間制限付きで爆発的に向上させるスキルな筈。最後の勝負を決める時にかなり有効となるスキルなんだよな。

 俺が今使えるのは魔法陣展開魔法、魔法陣の直列励起と多分並列励起も出来る。後は…多分使える属性がまた増えてると思う。セフと戦った時に凍結系の魔法も使えたしな。もしかしたら各属性の魔法陣の勉強すれば、ほぼほぼ全属性使えたりして。

 でも、これだけなんだよね。沢山の属性を使えるのは確かに利点だけど、各属性のエキスパートと戦った時にどうしても見劣りしちまうんだよなー。

 実際に昨日の火乃花との戦いでは水が火に蒸発させられたし。

 そういや、Colony Worldの時は剣術系のスキルを覚えたな。もしかしたら使えるのか?

 よし。やってみよう。

 龍刀を魔法陣から取り出して…と。

 試すのは習得が簡単なスキルで、剣でも刀でも使えるものだから…。


「抜刀術【瞬斬】!」


 高速の抜刀術。


 ……おぉ!おぉぉおおお!

 見事にただの抜刀斬りだわ。スキル?なにそれ美味しいの?状態。

 むぅぅ。この世界でスキルってどうやったら覚えられるんろうか。Colony Worldでも細かい習得条件は不明だったけど、同じ攻撃動作を体に染み込ませて呼吸をするようにその動作が出来るようにする事で…習得しやすくなるって情報はあったよな。

 今の抜刀術【瞬斬】も居合切りを毎日100回は練習して、モンスターと戦う時も可能な限り居合切りで攻撃するようにして覚えたんだっけ…。

 もし…もし同じ感じだとしたら……めっちゃ覚えるの大変だよねぇ。リアルでそれだけの努力を積み重ねるのは大変だ。魔法の練習は結構してきたけど、遼との特訓以外では剣術の練習はあんましやってこなかったからな。


「そう言えば……あの黒い靄はどうだ?」


 セフと戦った時に怒りというか…破壊衝動的な感情から体の周りに出てきたあの黒い靄。アレが出てた時は、なんか色々とパワーアップしてた気がするんだよな。

 …やってみるか。

 怒り。怒り……。


「………………………………。」


 怒り。


「…………………。」


 怒り?


「………駄目だ。あの時みたいな感情は出ない。」


 俺はガックシと膝を折って項垂れる。

 駄目じゃん。

 必殺技への思い付く道のりが全て閉ざされた。

 つまり、アレね。

 一朝一夕で強くなんてなれないって事だ。


「しゃーない。幾つか思い当たる属性魔法でも試して寝るか。」


 それから30分ばかし、使えそうな属性魔法の確認作業を行った俺は、静かに保健室に戻って寝たのだった。

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