表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

第四話

8月4日


先島諸島周辺における航空優勢と海上優勢を確保した自衛隊JTFは、いよいよ中国軍に占領されている石垣島と魚釣島の奪還作戦を実行に移した。


奪還部隊の編成は以下の通りである。


陸上部隊

(石垣島奪還部隊)

・水陸機動団

第1水陸機動連隊

第2水陸機動連隊

戦闘上陸大隊

特科大隊

偵察中隊

施設中隊

通信中隊

後方支援大隊


・第42即応機動連隊

本部管理中隊

第1普通科中隊

第2普通科中隊

火力支援中隊

機動戦闘車隊


・第1空挺団

団本部中隊(偵察隊、降下誘導小隊)

第1普通科大隊

空挺特科大隊


・第15旅団

第51普通科連隊(3個中隊)

戦車中隊(西部方面戦車隊所属の10式戦車)

第15偵察隊

第15高射特科連隊

第15後方支援隊


(魚釣島奪還部隊)

・第1空挺団

第2普通科大隊


海上部隊

DDHー183いずも(ヘリ搭載護衛艦)

DDHー182いせ(ヘリ搭載護衛艦)

DDG-179まや(ミサイル護衛艦)

DDー101むらさめ(汎用護衛艦)

DDー108あけぼの(汎用護衛艦)

DDー115あきづき(汎用護衛艦)

AOE-423ときわ(補給艦)

LST-4001おおすみ(輸送艦)

LST-4002しもきた(輸送艦)

LST-4003くにさき(輸送艦)

LHD-1ワスプ(強襲揚陸艦)

民間フェリー×6隻


航空部隊

攻撃ヘリ

AHー1×4機

AHー64×4機

観測ヘリ

OHー1×3機

輸送ヘリ

UHー1×5機

UHー60×5機

CHー47×10機

ティルトローター輸送機

MHー22×4機

戦闘機

Fー2×12機

輸送機

Cー2

Cー130H

Cー1


「ワスプ」は米海軍の所属艦だが、水陸機動団の運用のための国産揚陸艦の研究用としてレンタルされたもので、水陸機動団とMHー22はこの「ワスプ」に搭載される。第42即応機動連隊は「おおすみ」「しもきた」「くにさき」に、第15旅団は「ナッチャンWorld」「はくおう」を含めた民間フェリーにそれぞれ積載されることとなる。航空部隊は那覇、宮古、下地島のそれぞれの空港を拠点として、ヘリ部隊用の海上プラットフォームとして「いずも」「いせ」がそれぞれ使われる。


午前2時、強襲揚陸艦「ワスプ」より発進したMHー22オスプレイより水陸機動団40名が戦闘強襲偵察用舟艇(CRRC)によって明石、米原、崎枝、新石垣空港に近い星野にそれぞれ上陸。事前の航空偵察によって石垣島を占領している中国軍の数は少ないことが判明していて、中国軍がとれる占拠プランは空港と石垣港を含めた石垣市街地を主な行動エリアとし、島の各所に監視哨を設け分遣隊を配置していると予想されたが、上陸を果たした水陸機動団40名の潜入隊は、本隊の上陸を安全に行えるように上陸地点と着陸地点の確保と敵情偵察に務めた。また、第1空挺団の団本部中隊に所属する偵察隊と降下誘導小隊も空挺団本隊の降下に先駆けて、石垣島に降下していた。


午前8時、完全装備の水陸機動団2個中隊(200名)を乗せた陸自ヘリ部隊は、先遣隊が確保した明石と米原のそれぞれのランディングポイントに向かう。先遣隊に代わって水陸機動団と即応機動連隊の上陸地点の安全確保が彼らの任務だったが、自衛隊JTFの全部隊には石垣島住民の安全確保を最優先に考えるよう厳命されていた。

水陸機動団を乗せたヘリ部隊はAHー1とAHー64の護衛を伴っていたが、石垣島上空へ侵入しても敵からの抵抗らしい抵抗は受けていない。1番機が無事に降下したと連絡が入ったので後続のヘリ部隊も、何の問題なく部隊を降ろして帰還できると楽観していたが、米原のランディングポイントに向かう途中で高度を落とした1機のUHー1が中国軍の携帯式対空ミサイルの攻撃を受けて被弾・炎上し、さらに別の1機のUHー60も対空機関砲による攻撃で被弾して緊急着陸した。観測ヘリのOHー1がすぐさま攻撃した中国軍の位置を把握して、攻撃ヘリが叩いた。仇は取れたが、被弾・炎上したUHー1の乗員と隊員合わせて12名は即死だった。被弾して緊急着陸したUHー60も重軽傷者を出してしまったが、明石と米原へのヘリボーン降下は成功し、それぞれの上陸地点を確保した。


午後12時、明石の海岸に水陸機動団戦闘上陸大隊が水陸両用強襲車AAV7で2個中隊を上陸させ、後続部隊の上陸のための橋頭堡を確保。米原のビーチにも第42即応機動連隊が上陸を果たした。空挺団の第1普通科大隊と空挺特科大隊を乗せた空自の輸送機編隊が対地・対空装備のFー2隊の護衛を伴って、石垣島の北東部地点へ向かっていた。降下地点では降下誘導小隊が本隊の誘導を行っていた。降下地点上空に到達して、空挺団の隊員達は輸送機から次々と降下し、真っ青に晴れ上がった空に落下傘が次々と花開いていく。

水陸機動団、即応機動連隊、空挺団、石垣島奪還の役者は揃った。空港と石垣市街地の奪還を目指して、南下していく。途中、中国軍の抵抗があったがAAV7、機動戦闘車、120mm重迫撃砲等の重装備に太刀打ちしようと考えることはなく、軽装備の中国兵達はほとんどが陸自部隊に投降の意思を示した。


空港と石垣市街地の中国軍部隊は徹底抗戦の構えを取るが、中国軍部隊の補給物質の集積地はFー2隊や護衛艦の艦砲射撃によって次々と潰されてしまう。

新石垣空港に到着した水陸機動団は即応機動連隊の機動戦闘車隊と共同で奪還戦を展開し、空港敷地内に突入した16式機動戦闘車が駐機されてた中国軍の航空機や車両を撃破し、水陸機動団の部隊が空港の建物内に立て籠る中国兵達を掃討していく。

石垣市街地に達した陸自部隊と中国軍部隊が戦闘している隙をついて、石垣港に「ナッチャンWorld」「はくおう」を含めた民間フェリーで編成された臨時輸送隊によって運ばれてきた第15旅団が上陸し、10式戦車を先頭に、各種トラック、軽装甲機動車、高機動車、偵察隊の87式偵察警戒車などの車両が次々と陸揚げされていった。

石垣市街地の中国軍部隊は挟み撃ちされる形となり、市街地から脱出した一部を除いて降伏。石垣島の住民達も無事に解放された。石垣市街地の治安回復は奪還した新石垣空港に到着した沖縄県警機動隊(銃器対策部隊と特殊部隊SATを含む)と福岡県警九州管区機動隊第1大隊に任せ、陸自部隊は敗走した残敵の追撃と掃討に移った。


魚釣島も空挺団の第2普通科大隊がヘリボーンによって降下し、魚釣島の険しい地形もレンジャー訓練で鍛えられた空挺隊員達には難なく踏破でき、中国軍部隊を追い詰めていき、投降させることに成功した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ