IX ゴミから出来る二酸化炭素削減法
私達は、生活をする上でたくさんのゴミを出しています。
私自身もこの作品を執筆している時に、半日の間、家の大掃除をしましたが、出てきたゴミの量に驚きました。
それらをゴミ処理場に持っていくために、軽トラックに積んだらたちまちトランクを埋め尽くしてしまい、重量は100kgを越えました。
ゴミ処理場では指示に従って可燃、不燃に分けて、処理をお願いしました。
その時、捨てられていくゴミを見ながら私自身、心が痛みました。
私自身、必要と思って買ったにもかかわらず、充分に活用出来ないままゴミになってしまったものはたくさんあります。
また、他の人からもらったものも、活用出来ないままゴミになってしまったケースも多々あります。
これまで物がほしいと思っても、本当に必要なんだろうかと思い、しばらくの間我慢して様子を見たことが幾度もあります。
その結果、それ程必要ではなかったと思うようになり、結局買わなかったこともあります。
今考えると、それによってゴミを減らすことに成功した例もありました。
しかし、それでもいざ掃除をしてみると、たった1人の生活によって出てくるゴミはかなりの量になります。
ある程度の量は仕方のないことですが、この作品を通して人々の見本になりたいと考えている私としては、何とかしてゴミを減らす方法を実践したい。そしてこれを二酸化炭素の削減にもつなげていきたいと思いました。
日本は、江戸時代には循環型社会のモデルにも取り上げられるほど、リサイクルの普及した社会でした。
稲わら一つを取り上げてみても、家畜のえさ、縄、俵、燃料などに使われていました。
燃料として使われた後に出る灰も、肥料などに使われていたほどです。
当時、人間の活動によって出たゴミは、自然に帰ることが出来るような仕組みが出来上がっていました。
私自身、豊かな社会になったという考えに酔いしれてばかりいるわけにはいかないと、ひしひしと感じました。
環境省による情報によりますと、ゴミの分別を徹底し、プラスチックをゴミとして捨てるのではなく、リサイクルにまわすことによって、二酸化炭素の排出量を1人1日あたり52g削減出来ると出ていました。
分別は、慣れるまでは少し面倒かもしれませんが、慣れれば段々楽しくなってきます。
今日はこれだけゴミをリサイクルにまわすことが出来たという達成感を味わうことも出来ます。
ゴミの分別、リサイクルは、二酸化炭素の削減につながるだけではなく、人の気持ちも前向きにしてくれると私は考えています。
さらに、リサイクルに出されたものがどのようなものに生まれ変わっているのかということまで知れば、リサイクルはさらに楽しくなると思います。
私が調べた限りでは、次のようになっていました。
・アルミ缶、スチール缶
再びアルミ缶やスチール缶としてリサイクルされるほか、別の金属製品(建築資材や自動車部品など)として使われています。
・プラスチック(「プラ」のマークがついているもの)
大半が石炭、石油の代わりに燃料として使われています。それ以外では、熱で溶かして再びプラスチック製品として生まれ変わっています。
・ペットボトル
現段階では、衣類やぬいぐるみ、枕、植木鉢などに生まれ変わっています。日本で出た使用済みペットボトルが中国に運ばれ、上記のようなものに加工されているといったことも聞いたことがあります。
また、ペットボトルからペットボトルを再生する研究も進められています。
・紙
段ボール、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、再生紙などに生まれ変わっています。
(参考資料:箕輪弥生著 あなたにもできる! 環境生活のススメ 他)
ここまでは、リサイクルに重点を置きましたが、今度は生ゴミについて書きます。
生ゴミは家庭から排出される可燃ゴミの中でもかなりの割合を占めています。
料理をしていれば分かると思いますが、調理をした後には、たくさんの生ゴミが生じます。
料理をしなくても、みかんやバナナなどを食べれば、その後には皮が生ゴミとなってしまいます。
これらを生ゴミ処理機で処理し、肥料にするという人もいると思いますが、多くの人達は可燃ゴミとして紙などと一緒に捨てるということを選択しているのではないかと思います。
このことについて、私から読者の方に一つお願いしたいことがあります。
それは、出来るだけ水気を切ってから出してほしいということです。
生ゴミには水分がたくさん含まれています。
当然のことですが、水を火の中に入れれば、火の勢いは弱まってしまいます。
生ゴミを水分が多く含んだままの状態で出してしまえば、焼却炉の火は弱まってしまいます。
そして、火力を強くするために余計なエネルギーが必要となり、結果として二酸化炭素の排出量も多くなってしまいます。
ですから、生ゴミは水のかかる流し台に置きっぱなしにするのではなく、水のかからないところにしばらく置いておくなどして水気を切った後で、出していただければと思います。
もちろん、生ゴミを肥料にしたりする方法が実践出来るのであれば、それが一番だと思います。
また、マクドナルドやロッテリアなどでドリンクを注文した時には、中に入っている氷をきちんと氷入れの中に入れてから、カップを捨てるように心がけてみましょう。
食べ物を生ゴミにしてしまわないようにすることも、処理エネルギーや二酸化炭素の削減につながります。
以前、テレビのCMで、完食することがエコロジーとうたったものがありました。
私は、そのCMが流れていた当時、全部食べ切ることがどのような形でエコロジーになるのだろうと、色々考えました。
その結果、
「食べ物をただ可燃ゴミとして燃やしてしまうよりは、人、またはペットや家畜の食料となって燃やされたほうが、エネルギーの無駄にならなくて済む。」
ということを思いつきました。
ですから、私は出された食事は出来るだけ残さないように心がけています。
食事をする前後では、手を合わせて「いただきます。」「ごちそう様でした。」と言い、食べ物を提供してくれた人に感謝する気持ちを忘れないようにしています。
私達が生活していくうえで、ある程度の量のゴミは必ず排出されます。
こればかりはどうすることも出来ません。
しかし、ゴミはどっちみち燃やされるのだからとか、出してしまえばその後は自分には関係ない。というような考え方ではいけません。
ゴミを出す時には、自分がゴミ処理場で働いている人だったらどう思うかということも一度考えてみましょう。
このような心がけが、結果としてエコロジーにつながっていくと、私自身考えています。