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V ガスから出来る二酸化炭素削減法

 私達は、オール電化の住宅以外では、電気以外にガスを使用しながら生活をしています。

 ガスは原油を加熱した時に出てくる気体成分で、メタン(CH4)、エタン(C2H6)、プロパン(C3H8)、ブタン(C4H10)からなります。

 ガスは大部分が石油(原油)に由来するものなので、燃やせば当然二酸化炭素を排出します。


 ではガスを使うことで、二酸化炭素はどれだけ排出されるのでしょうか?

 それを解くために、この度ガスについて色々調べました。

 そして色々計算した結果、次のような結果を得ることが出来ました。

 

1. 都市ガスの場合

 都市ガスは主成分がメタン(約90%程度)で、それ以外にエタン、プロパン、ブタンを少量ずつ含んでいます。

 これをもとに便宜上、メタン90%、エタン10%として、標準状態(0℃、1気圧時)に1立方メートルを燃焼させた時の二酸化炭素排出量を計算しました。


 標準状態において、気体1molあたりの体積は22.4リットルです。

 これをもとに気体1立方メートルあたりのモル数は1000÷22.4≒44.64molとなります。

 そのうち、メタン(分子量16)は40.2mol、エタン(分子量30)は4.46mol含まれるので、都市ガス1立方メートル中には、

 メタン …40.2×16=643.2g

 エタン …4.46×30=133.8g

 がそれぞれ含まれています。

 このうち、分子の中で炭素が占める割合はメタン:75%、エタン:80%なので、メタン643.2g、エタン133.8gが燃えると炭素はそれぞれ482.4g、107.0g(合計589.4g)燃えたことになります。

 炭素の分子量は12、二酸化炭素の分子量は44なので、排出される二酸化炭素量は

589.4×44÷12≒2161.1gとなります。


参考までに…

 メタンガスは、石油(原油)から分留する以外に、メタン細菌によって二酸化炭素や植物から作り出すことも出来ます。(参考資料:ウィキペディア)

 化学反応式

(例)4H2+CO2+H2O → 3H2O+CH4

   2CH3-CH2-CH2-COOH+CO2+2H2O → 4CH3-COOH+CH4 


 ですから、理論上は二酸化炭素を吸収させ、さらには植物体を原料にすることによって、化石燃料を使わずにガスを作り出すことも出来ます。

 これが実用化すれば、地球温暖化防止に間違いなく一役買うことになるでしょう。

 しかし、今の技術ではこの方法で都市ガスを作って普及していくにはまだまだ時間が必要だと思います。

 また、メタンは燃料としては有効な物質ですが、二酸化炭素の約21倍の温室効果作用を持っているため、間違っても大気中に放出されないように注意しなければなりません。


2. プロパンガス(LPガス)の場合

 主成分はその名のとおりプロパンです。

(ブタンも多少含まれていますが、ここでは除外して考えます。)

 通常プロパンガスはボンベの中に2〜50kg入りとして販売されていますので、ここでは1kg燃焼時の二酸化炭素排出量について計算します。

 プロパン(分子量44)の中で、炭素が占める割合は36÷44≒81.82%です。

 プロパンガス1kgを燃やすと炭素は818.2g燃えたことになりますので、排出される二酸化炭素量は

 818.2×44÷12=3000gとなります。


3. カセットコンロの場合

 主成分はブタンです。

 私がカセットコンロの実物を見たところ、内容量は250gでしたので、ここでは250g燃焼時の二酸化炭素排出量について計算します。

 ブタン(分子量58)の中で、炭素が占める割合は48÷58≒82.8%です。

 ブタンガス250gを燃やすと炭素は206.9g燃えたことになりますので、排出される二酸化炭素は

 206.9×44÷12≒758.6gとなります。(1kgに換算すると二酸化炭素は3034.5g排出)


 ガスによる排出量はガソリン、灯油、軽油に引けをとらないくらい多いです。

 詳しく計算をしたわけではないのですが、住宅をオール電化にすれば、かなりの量の二酸化炭素を削減出来るのではないかと想像することが出来ます。

 現にIII.の項で、石油ストーブと800Wの電気ストーブを比較して計算した場合でも、かなりの差が出ました。

 しかし、だからと言って私はただオール電化だけを推奨しようとしているわけではありません。

 もし停電になってしまった時、オール電化だと非常に困ってしまうことが考えられます。

 それにガス会社で生計を立てている人も大勢います。

 それでも、ガスをうまく使っていけば、今日からでもかなりの二酸化炭素を削減出来ます。

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