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XVIII 電池から出来る二酸化炭素削減法

 私達の周りには多くの電化製品があります。

 その多くはコンセントをつなぐことで作動します。

 しかし電池で動く製品もたくさんあります。

 私の身の回りを見渡してみると目覚まし時計、携帯電話、ひげそり機、懐中電灯、携帯用ラジオ、壁掛け時計、ノートパソコン、自動車、電卓などが挙げられます。

 この中で電卓は太陽電池で動きますが、その他の製品は内部にある電池の電力によって作動します。

 つまり、私達は電気だけでなく電池にもかなりお世話になっています。

 電池には充電が出来ない一次電池と、充電しながら繰り返し使える二次電池があります。


 実用化されている一次電池には次のようなものが挙げられます。

 マンガン乾電池

 アルカリ乾電池

 これらは上記の機器の中で見た場合、目覚まし時計、懐中電灯、携帯用ラジオ、壁掛け時計に使用されています。


 また、実用化されている二次電池には次のようなものが挙げられます。

 鉛蓄電池(一般の自動車に使用)

 ニッケル・カドミウム電池(ひげそり機に使用)

 ニッケル・水素電池(ハイブリッドカーや、三洋電機「エネループ」などに使用)

 リチウムイオン電池(携帯電話、ノートパソコンに使用)

 電池を充電するためには外部から電気を供給する必要があります。

 一般的に携帯電話の電池を充電する場合は、充電器をコンセントにつなぐ必要があるので、結局電気を使います。

 しかし充電器の中には太陽光で電池を充電出来るものもあります。

 例を挙げると、三洋電機「エネルギーブランド」を使えば、太陽光で三洋電機「エネループ」を充電することが出来ます。

 これなら電気代の節約にも、二酸化炭素削減にも一役買えそうな気がします。


 私達は鉛蓄電池を除き、これらの電池をコンビニエンスストアや電化製品の店で簡単に買うことができます。

 しかし、内部にどんな物質が入っているのか、その物質がどうやって作られているのかについては知らずに使っている人も多いのではないかと思います。

(私もそうでした。)

 電池も作ればその際にエネルギーを必要とし、当然二酸化炭素を排出します。

 この章では電池について詳しく説明し、それを通じて二酸化炭素の削減につなげていきたいと思います。



1. マンガン乾電池

 プラス極には棒状の黒鉛を含む二酸化マンガン(MnO2)、マイナス極には亜鉛が使用されています。

 双方の極の間には電解液として塩化アンモニウム(NH4Cl)を含む塩化亜鉛水溶液(ZnCl2)が使用されています。

(液もれ防止のため、のり状にしてあります。)


・亜鉛の製造方法

(VIII 金属製品から出来る二酸化炭素削減法にも書いてありますが、少し内容をアレンジしてもう一度書きます。)

 硫化亜鉛(ZnS)や炭酸亜鉛(ZnCO3)として産出される。

 これらの鉱石を焼いて酸化亜鉛(ZnO)とし、炭素またはコークスと反応させる。

 ZnO + C → Zn + CO

 この時、不純物としてカドミウムが含まれるため、沸点の違いを利用して蒸留する。

 (亜鉛の沸点は907℃、カドミウムは765℃)


・塩化亜鉛の製造方法

 亜鉛または酸化亜鉛を塩酸に溶かす。

 Zn + 2HCl → ZnCl2 + 2H2↑(←資料に化学反応式が書いてなかったため、自分の想像で書きました。)

 ZnO + 2HCl → ZnCl2 + 2H2↑(←資料に化学反応式が書いてなかったため、自分の想像で書きました。)

 ※↑は気体となって出てくることを表します。

 ※二酸化マンガンはマンガン鉱という名で天然に広く存在しているので製造方法は割愛します。



2. アルカリ乾電池

 マンガン乾電池の塩化アンモニウムの代わりに水酸化カリウム(KOH)を使用しています。

 長時間の使用に耐えることが出来ます。


・水酸化カリウムの製造方法

 鉱物や海水中に含まれている塩化カリウム(KCl)を水溶液にし、それを電気分解する。

 2KCl + 2H2O → 2KOH + H2↑ + Cl2↑

 わが国ではカリウムを含む鉱物資源を持っていないため、輸入に頼っているのが現実です。



3. 鉛蓄電池

 プラス極には酸化鉛(IV)(PbO2)、マイナス極には鉛が使用されています。

 双方の極の間には電解液として希硫酸が使用されています。


・鉛の製造方法

(VIII 金属製品から出来る二酸化炭素削減法にも書いてありますが、もう一度書きます。)

 主に硫化鉛(PbS)として産出される。

 これを焼いて酸化鉛(PbO)にし、炭素で還元する。

 2PbS + 3O2 → 2PbO + 2SO2

 PbO + C → Pb + CO


・酸化鉛(IV)の製造方法

 鉛を空気中で約335℃に加熱して酸化鉛(II)(PbO)にする。

 酸化鉛(II)を酢酸に溶かして酢酸鉛にする。

 この酢酸鉛をさらし粉(CaCl2・Ca(ClO)2・H2O)で酸化する。

 2Pb + O2 → 2PbO

 PbO + 2CH3COOH → Pb(CH3COO)2 + H2O

 2Pb(CH3COO)2 + CaCl2・Ca(ClO)2・H2O →2PbO2 + 4CH3COOH + 2CaCl2


・硫酸の製造方法

 硫黄や硫黄を含む物質を焼いて二酸化硫黄を発生させ、これを触媒の存在下で酸化して三酸化硫黄にし、水と反応させる。

 S + O2 → SO2

 2SO2 + O2 → 2SO3

 SO3 + H2O→ H2SO4



4. ニッケル・カドミウム電池

 プラス極にはオキシ酸化ニッケル(NiO(OH))、マイナス極にはカドミウム(Cd)が使用されています。

 双方の極の間には電解液として水酸化カリウムが使用されています。


・オキシ酸化ニッケルの製造方法

 ニッケルを含む鉱物を焼いて酸化ニッケル(NiO)にし、炭素で還元して得られたニッケルを希硝酸に溶かし、硝酸ニッケルにする。

 硝酸ニッケル溶液に水酸化カリウムを加え、水酸化ニッケルを沈殿させる。

 水酸化ニッケルをオゾン、塩素水、次亜塩素酸ナトリウムなどで酸化する

 NiO + C → Ni + CO(←資料に化学反応式が書いてなかったため、自分の想像で書きました。)

 Ni + 2HNO3 → Ni(NO3)2 + H2↑

 Ni(NO3)2 + 2KOH → Ni(OH)2↓ + 2KNO3 

 2Ni(OH)2 + O3 → 2NiO(OH) + O2 + H2O

 ※↓は沈殿を表します。


 ※カドミウムは上記のやり方で亜鉛を製造する時の副産物として得られるため、製造方法は割愛します。

 カドミウムは体内に入ると骨の中のカルシウムを追い出して骨をもろくする作用があり、イタイイタイ病の原因にもなった物質のため、環境中に放出されることのないように注意が必要です。



5. ニッケル・水素電池

 ニッケル・カドミウム電池のカドミウムを水素吸蔵合金(水素を吸着し、貯蔵出来る合金)に置き換えたものを使用しています。


 ※水素吸蔵合金については種類がいくつもあるため、製造方法は割愛します。



6. リチウムイオン電池

 プラス極にはコバルト酸リチウム(LiCoO2)、マイナス極にはリチウム(Li)と炭素が使用されています。

 双方の極の間には電解液としてリチウム塩を含む有機物の溶液が使用されています。



・リチウムの製造方法

 塩化リチウムを加熱して液体にし、電気分解する。

 2LiCl → 2Li + Cl2


 ※コバルト酸リチウムの製造方法については資料が見つからなかったため、割愛します。

 ※リチウムイオン電池は充電する時に事故の危険があるため、注意が必要です。

 ※リチウムのリサイクルはまだ技術が未発達のため、進んでいないのが現状です。そのため、この電池を使うことがどこまでエコなのかはまだ疑問です。



(参考資料:ウィキペディア、くわしい化学の新研究、チャート式シリーズ新化学)

 私が調べた限りでは以上のようになりました。

 各原材料の製造には加熱処理が必要なものや、一酸化炭素が発生するものがあります。

 これらによって、結果的に二酸化炭素の排出にもつながります。

 また、私達は上記の電池類に使われる金属や、レアアースやレアメタルと呼ばれる物質を海外から輸入しています。

 輸入する際には長距離輸送でエネルギーをたくさん使用します。

 輸入した後に加工して製品にし、繰り返し充電して使用しても、リチウムなどはリサイクルの技術が未発達なために、最後には使い捨てになってしまうという現実もあります。

 しかし、私は電池を批判しようとは思っていません。

 上記のようなことを知った上で使用すれば、必然的に大事に使おうとする意識も高まってくると思いますし、無駄遣いをするようなケースも減ると思います。

 現に私自身も、これまで携帯電話でインターネットをやたらと見る方でしたが、この項を執筆してから無駄な使用は控えようと決心しました。

 携帯の無駄遣いがなくなれば、毎日使うだけ使って毎晩のように充電を繰り返すということがなくなります。

 そうなれば充電による電気の使用料が少なくなりますし、内部電池の寿命が長くなって結果的に資源を節約することが出来ます。

 また、すでに書いたことですが、太陽光で電池を充電しようという意識も生まれてくると思います。

 皆様も今日から電池は大事に使い、そして二酸化炭素の削減に貢献していきましょう。


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